番外編27:赤ちゃんってどうやって育てるの?(ヒスイ一家/初代一家)※注意!イラスト有!

—-魔王城

 

【犬とヘマ】

 

ヘマ「犬のお母さーん」テテッ

 

犬「あ、大賢者様。ご挨拶が遅れました。お久しぶりです」

ヘマ「おひさしぶりです!あのね、一つ聞いても良いい?」

犬「えっ?大賢者様が……俺に何を聞かれるって言うんですか?(大賢者様は世界の理の全てを理解してるんじゃ)」

犬「赤ちゃんの育て方を教えて!」

 

 

犬「えっ、えっ?赤ちゃんの育て方…?」

ヘマ「俺、赤ちゃん育てるの初めてだから、犬のお母さんに習う為に来たんだよ。あと、オモチャもらうため!」

犬「……あ、オモチャは初代様に伺われてください。多分、たくさんあるので良いって言われるとは思うんですけど(全部、初代様が買ったモノだし…)」

 

 

ヘマ「わかった!あとで、魔王様に聞いてみる!今ね、コイシ君のオモチャはコレしかないの」スッ

 

犬(回復薬の空の容器に大麦を入れたモノ……)

 

ヘマ「コイシ君はこれをシャカシャカするのが好きだよ!俺が作ってあげたの!」

 

シャカシャカシャカシャカ!

 

犬「……」

 

シャカシャカシャカシャカ!

 

 

—回想—

 

初代『おら』

犬『え?』

 

初代『ガキが生まれた後のオモチャだ。何かあったらコレで遊ばせろ』

犬『……はい(いつの間に…なんか、千と千〇の神隠しの坊の部屋みたいなのが出来上がってる。まだ生まれるの大分先なのに)』

 

初代『なんだ、足りねぇのか』

犬『いえっ!大丈夫ですっ!』

初代『明日また別のが届く』

 

初代『足りなかったらいつでも言え』どーん

犬『は、はい』

 

—回想終了—

 

シャカシャカシャカ

 

犬(結局、ご子息様はあの部屋で殆ど遊んでないな……普段は、なんか落ちてるゴミとか、お城の出っ張りとか、草とかで遊んでるし……あと一人で歌ったり)

 

シャカシャカシャカ

 

犬「……それで十分だと思います(さすが大賢者様……世界の理を理解してる)」(遠い目)

ヘマ「へ?」

 

シャカシャカシャカシャカ

 

—–子供は勝手に何でもオモチャにする!

 

 

 

【初代とヒスイ】

 

ヒスイ「お腹すいただろ。ほら、まんまだ」

 

初代(まんま…)

 

コイシ「……ちゅ」んくんく

ヒスイ「……なんか顔赤いか?ちょっとこの部屋暑ぃな。たんたん脱ぐか」

 

初代(たんたん…)

 

コイシ「……」にこ

ヒスイ「コイシは……なんでこんなに可愛いんだろうな。他の赤ん坊は大した事ねぇのに」ボソ

 

初代(親バカ…)

 

コイシ「…」

ヒスイ「コイシ、お前は何でそんなに可愛いんだ?あ?あー?」

コイシ「…」にこお

ヒスイ「あー?」にこ

 

初代「お前、スゲェな」

ヒスイ「あ゛?」

 

 

        〇

 

 

初代様「…オモチャだと?まぁ、好きなの持ってけや」

ヒスイ「おう、助かるわ(このクズ魔王に子育てなんか出来んのかよ……まぁ、どうせ全部手下がやってんだろうけど)」

 

初代様(このクズにガキ…?コイツに子育てなんか出来んのかよ)

 

せがれ「しょだいさまー」トトト

初代「あ?どうした」

 

ヒスイ(あ、さっきのガキ)

 

せがれ「きょうね、むこうの、あおとびらの、とおくまでいってきたの」得意気

初代「おお、そうか」スン

 

ヒスイ(まぁ、こういうテンションのヤツだわな……ん?)

 

初代「…遠征を成功させたお主のメダルを授けよう!」

 

 

初代様は両手で大きく円を描いで、せがれの頭の上から大仰に何かを授けるポーズをとったよ!

 

 

初代「これからも未開の地の開拓に努めるように」

せがれ「これは、きんいろの、めだる!」

 

ヒスイ(ぶはっ!なんか急に小芝居が始まったんだが!!!?)

 

初代「そうだ、それは貴重なメダルだ」

せがれ「このよに、ひゃっこしかない、のに!」

 

ヒスイ(百個……意外とあるじゃねぇか)

 

初代「そうだ。もう百個が分かるのか。それならば、もうお前に資格は備わった。お前には緑の扉の向こうへ行く権利を授ける。行け!」

せがれ「はい!じゃあ、ぱんとぶれすれっとをください!」

 

ヒスイ(パンとブレスレット……)

 

初代「いいだろう。新しい旅の共に、パンとブレスレットも授けよう」

 

初代様は両手で大きく円を描いで、せがれの頭の上から大仰に何かを授けるポーズをとったよ!

 

ヒスイ(だから、何なんだよ!!このポーズは!!)

 

初代「では、行くがよい」

せがれ「はい!」

 

 

せがれは犬の所に走って行ったよ!

 

 

初代「あー、アイツ。独り立ちできんのかよ…」

ヒスイ「……やっぱ魔王は、スゲェわ」

初代「あ?」

 

—–子供が親を「親」にする!

 

 

ヒスイの赤ちゃん言葉も、初代様の小芝居も、二人共違和感などありません。

だって、毎日の事だから!

 

 

 

 

【せがれとコイシ】

 

せがれは鼻先がコイシを見ているよ。

 

せがれ「…」じっ

 

そんなせがれをコイシは瞬きもせずに見返しているよ!

 

コイシ「…」ジッ

 

せがれは離れて行ったよ! コイシは寝たよ!

 

犬「子供の距離感……」

ヒスイ「自由過ぎだろ」

 

魔王城でのそれぞれのひと時でした!

 

 

 

【蛇足】


初代がせがれに対して行っている小芝居の詳細の流れ図説。

 

初代「メダルを授けよう」

せがれ「ふ、ふ、ふ」

 

犬はこういう小芝居は大分下手くそなので、こういうのは初代の所にやってもらいに行きます。

ヒスイ(ウケるわー)

と思っているヒスイも、コイシがもう少し大きくなったら全力でやる。