in職場
タロー(イケメンZ世代君に頼まれてた好きピの5巻……本当に、持ってきてしまった)オロオロ
—宮森さん、【好きピ】ってアニメ知ってますか?
タロー(よ、良かったのかな。本当に持ってきて……実際に渡して『うわ、マジで持ってきやがった』ってならないかな)
—良かったら貸してくれませんか?絶対に返すので。
タロー「(だ、大丈夫だ。彼、なんか本当に好きピ好きそうだったし……)ん?」
—ははっ、『好きピが好き』ってなんか面白いですね?
タロー「っ!(アオイさん、俺、また好きピが好きって思ってしまいました)」にこ
飯島(ん?なんか宮森さん、朝から機嫌良さそうだな)スタスタ
同僚「はよ」
飯島「ああ、おはよ」
タロー(っていうか、待って。イケメンZ世代君……彼って、何て名前だったっけ)
飯島「今日は早く帰りてーなぁ」
同僚「だな。最近、帰り際にシステムダウンすんの、マジで止めて欲しいわ」
タロー(あの同僚君。な、名前。呼んでくれないかな)スス…
同僚「……(宮森さん、なんか、めっちゃ俺の事見てないか?き、気のせいか?)」
飯島「……(宮森さん…もしかして漫画持って来てくれたんじゃ)」
タロー(なんか喋らなくなってしまった……。どうしよう。……でもまぁ、名前分からなくても。ねぇとか、あのとか、そういうので何とか…)
飯島「宮森さん」スッ
タロー「っっっ!???」ガバッ
飯島「(めっちゃビビられた)あ、おはようございます」
タロー「っあ、あ、あ、ざいます…」
同僚(めっちゃビビられとる)
飯島「あの、もしかして。漫画持って来てくれたんですか」
タロー「っっっ!覚えててくれた!(イケメンなのに、本当に覚えててくれたんだ!)」
飯島「いや、そりゃそうでしょ。だって、俺が頼んだのに。忘れないですよ」
タロー「っそ、そ、そうだよね!あの、じゃあ……こ、これ!」バッ
タローは飯島に好きピの五巻を手渡したよ!
飯島「ありがとうございます。出来るだけ早めに読んで返すんで」
タロー「いいよ!いつでも!返すのは!その、焦らず……ゆっくり読んで!」
飯島「どうも……ってか」
タロー「ん?」
飯島「髪の毛、短くしたんですね、宮森さん。似合ってますよ」
タロー「ほ、本当!?(わ、わ、わ!アオイさんに切ってもらったからだ!)」
飯島「特に前髪が短くなったのが良いと思います」
タロー「そ、そうかな!(最初は短すぎかなって思ってたけど……やっぱりアオイさんは正しかったんだ!)」
飯島「あの……もし、宮森さんにこだわりが無ければ、なんですけど」
タロー「?」
飯島「コンタクトにしたらどうですか?」
タロー「っっ!で、でも、俺!高校生の頃から、ずっと眼鏡で……!」あせあせ!
飯島「いや、普通に似合うと思いますよ。宮森さん、目、二重だし。眼鏡の印象が顔に対して強く出てるんで、最初は違和感があると思うんですけど。……そうだな、宮森さんの場合、顔のパーツも一つ一つ存在感あるんで、眼鏡みたいな装飾品が無い方が、全体のバランス的にも合うんじゃないかと……」
タロー「…………(す、すごい。イケメンはお洒落に対して即座にエビデンス込みでプレゼンが出来るんだ)」感心
飯島「(あー、さすがにアオイさんと違って俺じゃ無理か)いや、別に眼鏡が似合って無いワケじゃないんで」
タロー「…………(眼鏡を……取る?)」
飯島「コンタクトとの相性もあるだろうし、気にしないでください」
タロー「うん(コンタクトか……)」
飯島「じゃ、コレ借りて行きますね」
タロー「うん(ダメだったら眼鏡にすぐ戻せるし……いいかも)」
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深夜
飯島「で、また残業になるワケか…」
同僚「朝、あんな話したせいでフラグ立ってたんだろうなぁぁっ。あー、失敗したー。宮森さんは、今日も紙一重で先に帰ってるし…」
飯島「宮森さん、仕事のスピード早過ぎなんだよな。疲れたー。何か甘いモン食いてー」
同僚「龍〇散のど飴ならあっけど…」
飯島「…あーー。もう、何でもいいからくれ」げっそり
同僚「相当キてんな。ちょい取ってくるわ」
飯島「頼むー」
飯島はぼんやりスマホをイジり始めたよ!
飯島(……コタロー日記。さっき更新されてる)
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3月4日
イケメンZ世代君に^^!
皆さん!今日、俺は職場の10歳年下のイケメンZ世代君に、【好きピ】の5巻を貸しました!
わーい!布教完了ー!
沼ってくれると嬉しいなー。
そうそう。
ほんとは、葵ちゃんのキーホルダーを、漫画と一緒に渡そうと思ったんですけど、最初からグイグイいって、作品が嫌われたら嫌なので、代わりに……
【好きピ】のウエハースを入れておきましたー^^!
これだったら、食べられるし中に入ってるのはシールなので、いらなかったら捨てやすいと思うんですよ!
(す、捨てないでほしいけど…(;´∀`))
でも、これは丁度良い布教活動だったと思うんです。俺、ちゃんと弁えられるオタクなので!伊達に三十年近くオタクやってないよ!
あ、あと!
もしかしたら、近いうちにメガネを装備から外すかもしれません!(な、なんだってー!)
今日、イケメンZ世代君が
「コタローさん、眼鏡を外したらどうですか?」
って言ってくれた(しかも、詳細なエビデンス付きで!)ので、ちょっと眼科に行って処方箋を出して貰おうと思います!
ただ、すぐに職場にメガネ無しですぐ行くのは恥ずかしいので、最初は脱毛サロンから眼鏡ナシデビューを図ります!
きっと、アオイさんは酷い事は言わないでいてくれると思うので……アオイさんは何て言ってくれるかなぁ。
二十年ぶりくらいにメガネを外す事になるので今からガクブルです。
皆さん、コタローおじさんの新しい挑戦を応援していてください!
いくぞー!(眼科へ^^★)
(コメント0件)
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飯島「はは」
飯島は漫画の袋からウエハースを取り出したよ!
ウエハースには付箋が付いていたよ!
飯島「ぁ」
—-美味しいのでどうぞ^^
飯島「っはーーー。もう、ほんっと、ツボだわぁ」
(コメント1件)
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イケメンしゃちくん
コタローさんの新しい挑戦、応援してます!
でも、普通に職場にメガネ無しで行っても、大丈夫だと思いますよ?是非、デビュー戦は職場で!
きっとイケメンZ世代君も褒めてくれますよ!
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同僚「はー?何お前だけお菓子食ってんだよ。俺にもくれよ」
飯島「いやだ……ん?」
(コメント2件)
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ヴィオ
俺もコタローさんの新しい挑戦、応援してます!
是非、アオイさんにコタローさんのデビュー戦を見せてあげてください!きっと凄く褒めてくれるんじゃないかなって思います!
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飯島「……このヴィオって、もしかして」
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inタロー自宅
タロー「ふう、今日もブログ更新出来たぞー」
—-コンタクトにしたらどうですか?
タロー「コンタクトかーーー(確かに眼鏡が無い方が、キスしやすかったなぁ…)」ぼんやり
間
タロー「っう、うわぁぁっ!俺、今、何を考えてっ!あーーー!」真っ赤!
思春期かな?
アオイがコメントをした時の様子は、皆様に託します。多分、想像通りです^^