番外編10:師匠は、酔ったフリして甘えたい!(シモン×キトリス)

 

 

—-師匠、今晩も俺の部屋に来てね。

 

 

キトリス(なんだかなぁ。最近、毎晩シモンの部屋で夜を明かしちまってるけど。いいのかなぁ、こんなんで。シモンは一応勇者だし、王様だし…っつーか俺ってシモンの育ての親なのに、シモンとあんな事して…)じわっ

 

 

真っ赤な顔のキトリスが、シモンの部屋の前に到着したよ!

 

 

キトリス(つーか。俺、酒弱かったんだなぁ。シモンの部屋で酒飲むとすぐにワケわかんなくなるし)ぐるぐる

 

 

—-師匠、ほら膝の上に座って。

キトリス(しかも……めちゃくちゃ甘やかされるしっ!)真っ赤!

 

 

—-ほら、体をこっちに倒して。そう、上手。

キトリス(でも……甘やかして貰えるって)

 

 

キトリス(き、気持ち良いんだよなぁ…)じんわり

 

ガチャ

 

 

シモン「師匠?」

キトリス「っうわ!(やっべ、扉の向こうからでも気配読めんのか!さすが、レベル100の勇者)」

シモン「何やってるの?早く入って」にこ

 

シモンはスルリとキトリスの腰に手を回したよ!

 

キトリス「お、おう(何やってんだ……俺はシモンの師匠なのに)」

シモン「ほら、こっち」にこ

 

シモンはキトリスの腰をユルユルと撫でたよ!

 

 

キトリス(こんなの癖になったらヤバイ……今日はしっかり意識を保たないと!)ぐっ

シモン「……」じっ

 

 

——

—-

 

シモン「さぁ、師匠。乾杯しよ?」

キトリス「う、うん(何、受け取ってんだ!断れば良かったのに!)」あわあわ

シモン「はい、乾杯」にこ

キトリス「か、乾杯(ぐぅ、少しだけなら)」

 

 

キトリスはしばらく酒を飲んだよ!

 

 

シモン「師匠、どう美味しい?」

キトリス「うん(あれ……?)」ぱちぱち

シモン「師匠、今日はいつもよりお酒が進んでるね?コレ、美味しかった?」

キトリス「…う、うん(なんか、全然いつもみたいにフワフワしてこない?)」ぱちぱち

シモン「…なら良かった」

 

 

キトリス(もしかして俺、酒に慣れてきたせいで……強くなったのか?)ぱちぱち

シモン「師匠、ほら。いつもみたいにここに座って?」

 

シモンは自分の膝の上をポンポンしたよ!

 

キトリス「っ!(あっ、う。……いつものだ。でも、今日は酔ってないから、なんか)」じわ

シモン「師匠、早く」

 

 

キトリス「う、うん(恥ずかしい…)」じわ、じわ

シモン「はい、良く出来ました」にこ

キトリス「っぅ!」真っ赤!

 

 

シモンはキトリスの腰をするする撫でてるよ!正直気持ち良いし、甘やかされてキトリスは嬉しくなっちゃってるよ!

 

 

キトリス(どうしよう、どうしよう、酔ってねぇから……普通に、恥ずかしい)

 

 

シモン「…師匠。ほら、今日の俺の服どう?肌触りよくない?いつもみたいに触っていいよ」

キトリス「あ、あ、うん(いつもの酔っぱらってる俺って、どんなだっけ?どうやったらいつもみたいに、自然にシモンに甘えられる?)」ソワ…

 

シモン「あれ?コレ、そんなに気持ち良くなかった?」にこ

キトリス「あ、えっと(わかんねぇ!いつもの酔っぱらった俺って……どんなだ!?)」

 

シモン「いつもは頬っぺたでスリスリするよね?」さすさす

キトリス「す、する!(そうか、いつもはシモンに体ごと擦り付けてるんだ……あれ、気持ち良いんだよな)」す、すり

シモン「…どう?」

キトリス「きもちい(甘えるって、やっぱ気持ちいなぁ」すりすり

シモン「師匠、顔真っ赤だね」

 

 

シモン「もしかして、いつもより酔っちゃった?」

キトリス「うん、酔った(良かった、シモンのヤツ気付いてない。このまま酔ったふりして……甘えよう)」ぎゅっ

 

キトリスはシモンの体に抱き着いて頬ずりしたよ!

 

キトリス「きもちい(甘えるの……気持ちい)」

シモン「……っぐ」

キトリス「シモン……しもん…しもーん(きもちい、甘えるの……やっぱいい。夜だけは、もういいよな。もうシモンも大きくなったし……昼間は甘えないから)」グリグリ

 

シモン「……っはぁ、っく。……も。むりっ!」

 

シモンは堪らず、キトリスを押し倒したよ!

 

キトリス「うわっ!(もうか……まぁ、いいか)」

 

今日も仲良く二人は夜を一緒に過ごしたよ!

 

 

——

—-

朝だよ!!

 

 

キトリス「……くぁ」がば

 

シモン「ぅ、う……師匠?まだ寝よ」

キトリス「ちょっと……みずのむ」

シモン「ん、のんだら……すぐもどってきて」

キトリス「うん」ぼーっ

 

スタスタ

 

キトリス(喉乾いた……水、どこだっけ……ん?)

 

キトリスは机の上の昨日の酒を見つけたよ!

 

キトリス「おいしかったけど……さすがに朝から酒は……あれ?」

 

キトリスは机の上の酒瓶を手に取ったよ!

 

キトリス「これ……酒じゃねぇ。ジュースだ……っへ!?」ばっ!

 

キトリスはベッドで寝ているシモンを見たよ!シモンはスヤスヤ寝てるよ!

 

キトリス「っあ、っあ、っまさか……!」真っ赤

 

 

—-師匠っ、いつもより……ずっと可愛いっ!

 

キトリス「……う、うそだろ。まさか、シモンのヤツ。全部、知ってて……」わな、わな

 

—-師匠、俺にはいつでも甘えていいから。

 

キトリス「~~~っっっふぐぅ」真っ赤!

 

 

キトリスはシモンが起きてくるまで、その場で蹲っていたのでした。

 

 

キトリスは長男なので”甘える”事に物凄い抵抗感があるよ!そのせいで甘えるのが下手だよ!

 

シモンは、毎晩酒を飲ませたら体に悪いと思ってジュースにすり替えたみたい。

 

 

シモン「師匠、そんなに恥ずかしがらなくていいから。可愛かったよ?」スリ

キトリス「もう何も言わないで下さい……」真っ赤