番外編12:貴方がカルドさん?(カルド×ヨハン&デルカト)

—-10年後

(ヨハン、アラフォー)

 

 

客「クロワッサンを3つ」

パン屋「あいよ。…あぁ、ヨハンさん!こんにちは!」

 

ヨハン「…」にこ、ぺこ

 

パン屋「今日はえらくたくさん買ったねぇ!重いだろう!うちの人に持つのを手伝わせようか」

 

ヨハン「!」ふりふり!

 

パン屋「大丈夫って?でも…あ!」

 

デルカト「持つよ」

ヨハン「…!」ふりふり

 

後ろからヒョイとデルカトが出てきたよ!

デルカトもたくさん荷物を持ってるよ!

 

デルカト「大丈夫。持てるから」

ヨハン「っ」

 

客「…あれは」

パン屋「あらあら、ほんと。いつ見ても良い男だねぇ」

 

デルカト「パンを買うの?」

ヨハン「…」ふりふり

 

 

客「(…彼は口が利けないのか)っまさか!」

 

 

デルカト「おばさん、今日は失礼します。また買いにきます」ペコ

ヨハン「…」ぺこ

 

パン屋「そうかい?あっ、このパン持ってきな!ダーウィングさんはお得意様だからね!」

ヨハン「っ」ぺこぺこ

デルカト「…」

 

客(ダーウィングさん。やっぱりか!)

 

 

客「あのっ!」

 

デルカト「はい、何でしょうか」

ヨハン「…?」ひょい

 

客「貴方は、あの魔科学の権威のカルドさんでは?」

デルカト「………そうです」にこ

ヨハン「っ!?」ばっ

 

 

客「やっぱりですか!聞いていた通り見目麗しい方だ!こちらが奥様でいらっしゃいますか?」

デルカト「はい」にこ

ヨハン「っ!?」あわあわ

 

 

客「私、一昨日こちらに越してきまして。来週からカルドさんと同じ研究室に配属されたんです!カルドさんと働けるなんて、とても光栄です!」きらきら

デルカト「へぇ。そうだったんですね。僕も光栄です。妻共々、どうぞよろしくお願いします」にこ

ヨハン「…」ジッ

 

 

客「あぁ、素晴らしい。天は貴方に二物も三物も与えたようだ。美しい容姿、明晰な頭脳、そして素敵な奥様。まったく羨ましいものです」

デルカト「褒め過ぎですよ。妻が素晴らしい事は否定しませんが」にこ

ヨハン「…」ジッ

客「ふふ、聞いていた通りの愛妻家だ。遠目から見ていても分かりましたよ」

 

 

デルカト「へぇ。遠目から見ても?」

客「ええ、お二人の雰囲気ですぐに分かりました。それに、カルドさんの愛妻家は首都でも有名ですよ。王都での学会でも、講義の最中に『妻のスープが飲みたい』と、国王の御前にも関わらず途中で抜けられたなんていう噂が出回っているくらいでさすからね」にこにこ

 

 

ヨハン「っ!?」

 

客「まぁ、噂というものはいつも尾ひれが付くものです。しかし、お二人の仲の良さを見ていると納得してしまいました」

デルカト「お恥ずかしい……あ」

 

 

カルド「ヨハン!ヨハーーン!どこだ!」

 

 

デルカト「…父さん」

客「…へ?」

 

ヨハン「っ!」ひょこ!

カルド「ヨハンっ!」

 

 

カルドはヨハンを見た瞬間、往来にも関わらず飛びついて抱き締めてキスをしたよ!

 

客「は?」

デルカト「…あーあ」

 

カルド「ヨハン!なんで家に居ない!?いや、いい!それよりも聞いてくれ!あのボンクラ共と一緒に研究などしていては、魔科学は退化する一方だ!これは人類の損失だ!」カッ!

 

 

ヨハン「…」コクコク、あせあせ

 

デルカト「……父さん、帰ろう」

 

カルド「いやだ!デルカト、お前だけ帰れ!私はヨハンと離れ(ヨハンの元家。ほぼヤるのに使われている)に行く!お前は付いて来るな!」

デルカト「…夜までには帰ってきてね」

 

カルド「それは約束できない!行くぞ、ヨハン!」ぐいっ

 

 

ヨハン「っ!」ぺこぺこ

デルカト「母さん、荷物は任せて。頑張ってね」

 

客(母さん!?)

 

ヨハン「…」真っ赤

カルド「ヨハン、早く!」

 

テルカトは二人の背中を笑顔で見送ったよ!

 

パン屋「デルカトぼっちゃん。また新しく弟か妹ができるかもしれないね」にこ

デルカト「楽しみです」

客「え…」

 

 

デルカト「では、来週から”父”をよろしくお願いします。あの通り、天から三物を受け取った父ですが、色々と受け取れなかったモノもありますので。では、失礼します」ぺこ

 

客「は……?」

パン屋「立派だねぇ、あれで15歳なんだからね」

客「15!?」

 

デルカト(最近、よく父さんと間違われるなぁ)

 

 

デルカト、こんな男の子に成長しました。

 

デルカト「僕、そんなに父さんに似てるかな?そんなに老けてる?」

ヨハン「…」ぶんぶん

デカルト「まぁ、二人が若過ぎるんだよね」

 

 

粗食だと老けないそうです!

ヨハンとカルドは1日1食!

あと、カルドがヨハンのスープを求めて学会を抜け出したのは本当。