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巣作りプレイで盛り上がった次の日。
俺達は、遅刻する事もなくしっかり朝から出社していた。
そう、仕事とプライベートはきちんと分けないと。
「あの、三久地先輩。ちょっといいですか?」
「はい、なんでしょうか。城さん」
隣から張りのある声でジルが俺を呼ぶ。
結局、昨日は眠りについたのは深夜三時を回ってからだった。少し眠いが、まぁ許容範囲。なにせ、今日は金曜日。明日は休みだ。
「ちょっとコレを見て貰っていいですか?」
「はい」
ジルから手渡されたレジュメに「昨日言ってた事業計画ですか?」と、目を落とす。するとその瞬間、目に飛び込んできた凄まじい字面に、思わず「ぶはっ」と吹き出した。
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プレイリスト
済:目隠し
済:巣作り(またやりたい)
□媚薬発情期プレイ
□フェラ・クンニ
□ローションプレイ
□コスチュームプレイ(何のコスチュームがいいですか?)
□拘束プレイ(どっちがいいですか)
□野外プレイ
□放尿プレイ
□社内プレイ
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「調べると色々出てくるものだ。今日はどれでいこうかと考えているんだが……」
「城さん」
「今日は、俺が鍵当番なんだ。だから、社内で……」
「城さん」
俺の言葉を無視して前のめりで提案してくるジルに、俺は手にしていた紙を持ち、そのままシュレッダーの元まで歩いた。そして、容赦なくソレを裁断口へとぶち込む。
後ろを振り向けば、そこには不満そうな碧眼が俺をジッと見下ろしていた。
「あぁ……」
「城さん、仕事をしましょう」
「今は昼休みだ」
「城さん、落ち着きなさい」
全く、そう言う問題じゃない。
俺は深い溜息を吐くと、眉間に強く指を押し当てた。コッチは昨日あんまり寝ていないせいで、疲れ果てているというのに。それはジルも同じだろう。
「っはぁ」
すると、そんな俺に先程まで不満気だった碧い瞳に、微かな「不安」が混じり始めた。そして、言う。
「……もしかして、別れたくなったか?」
「……ぐ」
あぁ、もう!
なんでこの人は俺に対しては、こんなに絶妙な塩梅で「引く」事が出来るのに、会議ではソレが出来ないのだろう。ソレが出来たら、あんなに他人から、不満や憎まれ口を叩かれずに済むのに!
「ジル……」
「ん?」
俺はジルの右手にソッと左手を這わすと、誰にも聞こえないような声でソッと呟いた。
「上から……順番に、全部やっていけばいいんじゃない?」
「っ!」
その瞬間、ジルの瞳に光が宿る。キラキラの瞳が、今日も運命でもなんでもない俺へと向けられる。
「……それは、いいね!」
「うん。だから、今は……」
「悪い。三久地先輩、ちょっと外に出てくる」
「え?」
言うや否や、ジルは俺の手からスルリと離れ、その場から駆け出した。金色の髪の毛が、フロアを横切り、そして見えなくなった。
「ジル何を……あ」
俺は先程シュレッダーにかけた「ジルのプレイリスト」の一番上の文字を思い出した。そう、確かそこには……
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□媚薬発情期プレイ
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「……媚薬か」
もちろん、俺が飲む前提なのだろう。俺がオメガの真似事をする前提で記載されたプレイに、ふとイタズラ心が宿った。
「今日もジルを満足させないと」
だったら、意表を突かねば。
俺は炎天下の中、小学生のように駆けだしたジルを思いながらデスクに戻った。今日は金曜日。明日は休みだ。多少の無理は、何も問題ない。
「夏だし……色々な経験をさせてあげようかな」
そう、俺はまるで子供を持つ親のような気持ちで、隣の空いたデスクに微笑んだ。
おわり
≪後書き≫
ジル、意識がハッキリしているセックスをそりゃあもう楽しむ。
三久地「仕方ないなぁ」と言いながら予想の遥か上のサービス提供をする。
ジル、ズブズブと三久地にハマる。
三久地のこういう所が、じんわりと会社でも重宝される原因かもしれない。
最後まで読んで頂きありがとうございました^^