≪前書き≫
先日【「運命」と番わなくても、死なない】という、初のオメガバースのお話を書いた記念に、オメガバースパロお喋りをしていきたいと思います。
※このお喋りは「番外編12」の続きではありません。
オメガバースパロになりますので、苦手な方はお気をつけください。
注意タグ
オメガバース/α×Ω/妊娠表現アリ
大丈夫な方はどうぞ。
シモン17歳/キトリス23歳
キトリス、うっかり夜のダンジョン探索中にヒートに襲われたよ!
もちろん、若さ真っ只中のシモンが我慢できる筈もなく、そのままダンジョンで番っちゃった!
In懺悔室
キトリス(あ゛――、シモンと番っちまったーー。マジでシモンには悪い事した……俺がヒートのタイミングを見誤ったばっかりに。マジでごめんなぁぁぁっ!)
キトリス、初めて懺悔室を本来の意味通り「懺悔」に使ってるよ!見事に頭を抱えてるみたいだね!
キトリス(シモンの奴、変に真面目な所あるからな。俺の事気にして、ちゃんとした番作れなくなったらどうしよ)
キトリス(にしても、だ)
キトリスは、自分の包帯の巻かれた項に触れてみたよ!
ダンジョンの中でヤッてる最中、死ぬ程興奮したシモンにガリガリ噛まれ過ぎて出血しちゃったんだよ!
キトリス(……マジで噛み殺されるかと思ったわ。今のシモンのレベル80越えてるし。下手こくとありない話じゃないよな。抑制剤買うなんてもったいないって思ってたけど……そうも言ってらんねぇし、お使いクエストでも受注してくるかなーー)
やっと懺悔室から出たキトリスは、何か臨時のお仕事がないか街に出て行ったよ!
◇◆◇
In冒険者ギルド
キトリス「あのー、なんか報酬の良いクエストとか来てない?」
受付嬢「あら、キトリス。丁度良かった。今、貴方にピッタリのクエストが入ったのよ…って、あら?その首大丈夫?怪我?」
キトリス「……ああ、大したことないよ。それより、そのクエストどんなの?」
受付嬢「北のアルニラ氷山にある【氷の露華】を取って来て欲しいって、旅行中の貴族からの依頼なの。貴方なら簡単よね?」
キトリス「アルニラ氷山か(モンスターは大した事ないけど……ここから遠いんだよなぁ。つってもそんな事言ってらんねぇし)」
受付嬢「報酬良いわよ~、なんと金貨15枚!」
キトリス「(生活費3か月分は賄えるじゃんか!)ほんとに!?っしゃ!じゃあ、や…」
シモン「……ダメ」スッ
キトリス「っ!シモン!(いつの間に!?)」バッ
シモン「師匠、何勝手に教会から出てるの?しかも、そんな長期クエスト受けようとして」ムス
キトリス「あ、いや。ちょっと……(抑制剤買う金がねぇとは、女の子も居るこんな所じゃ言えないよな)」チラ
受付嬢「ん?(シモン、ほんと。良い男になったわぁ)」うっとり
シモン「……ほら、帰るよ」
キトリス「いや、大丈夫だよ。アルニラ氷山つっても、三日あれば戻れるだろうし。その間、子供達の面倒は代わりにお前が」
シモン「何で?生活費なら足りてるでしょ」
キトリス「だ、だから……あの」チラ
キトリスは受付嬢の女の子に聞こえないようにソッとシモンに耳打ちしたよ!
キトリス「…抑制剤を、買う金が無いから」コソ
シモン「は?」
キトリス「こないださ、ちゃんと薬飲んでりゃ防げた事だったのに、俺がケチったせいで……ごめんな。だから」コソ
シモン「……帰るよ」ぐいっ
シモンはキトリスの項に手を添えたよ!
そしてスリスリしてる!めちゃくちゃスリスリしてる!
シモン「抑制剤なんか、もう買わなくて良いよ」
キトリス「っい、いや。それだと…」
受付嬢「ねぇ、どうするの?もしかしてシモンが受けるの?このクエスト」
キトリス「あ、えっと」
シモン「師匠も俺もそのクエストは受けないよ」
受付嬢「えー。シモンなら楽勝でしょー?割良いよー」
シモン「確かに、楽勝だけど」
受付嬢「楽勝だけど?」コテ
シモン「大切な番が妊娠してるかもしれないのに、そんな遠くに行ってられないよ。ねぇ、師匠?」
キトリス「っっっっは!?(に、に、妊娠!?)」
受付嬢「……え?(まさか、この二人)」
シモン「そんなワケだから。そのクエスト、別のヤツに流しといて」
キトリス「なっ、なっ!し、シモン!?」
シモン「ほら、帰るよ。ちゃんと安静にしておかないと」にこ
シモンはキトリスの腰を抱いてギルドを出たよ!
そんな二人を受付嬢の子はポカンとした顔で見送った後、しばらくしてハッとしたよ!
受付嬢「まじで?」
◇◆◇
キトリス「ちょっ!ちょっ、シモン!?さっきのは……!」あせあせ
シモン「だって、本当の事でしょう?俺と師匠はこないだ番ったし、それに…」
シモンは往来でキトリスの腰を抱いて、お腹を撫でたよ!シモンは目立つからね!
みーんなガン見!
シモン「あんなにヤったんだから……出来ててもおかしくないよね?」にっこーーー!
キトリス「いや、そんな…待ってくれ!たった一回だ!」
シモン「一回でも出来る時は出来る」
キトリス「そ、そうだけど!いや、もしそうだとしても……お前が責任を感じる必要はっっっ!」
シモン「は?俺は師匠の番になれて嬉しいんだ!それとも何!?もしかして師匠は、俺と番じゃ嫌なの!?」カッ!
ザワ…ザワ…
キトリス(み、みんな見てるーー!)真っ赤!
キトリス「いや、そうじゃなくてっ!あれは抑制剤をケチった俺のせいだから、ほんっと!俺の事なんか気にせず、お前は好きな子と…!」
シモン「俺は師匠の唯一無二でしょう!?そう言ったよね!?」
キトリス「い、言ったけど……(そう言う意味じゃ)」
シモン「だったらもうこの話終わり!それと、これから勝手に変なクエスト受けないで!こういうのはアルファである俺の仕事なんだよ!」ふんぬ!
キトリス「あ、いや。そんな……(お、俺がシモンの番?だって、シモンは……ホンモノの勇者なのに)」じわ
シモン「師匠は教会で俺が帰ってくるの待っててよ!ぜっっったいに妊娠してるから!」
シモンがあんまり真剣な顔でそんな事を言うもんだから、キトリスもなんだか自信が無くなってきたよ!
キトリス「え、え?ま、マジで?俺、妊娠してるの?」
シモン「してる!絶対してる!俺、本気出したもん!」得意気!
キトリス「ほ、本気…(勇者の本気は……確かにヤバイかも)」
シモン「ふふ。しばらくしたら、お医者さんに見てもらおうね。俺と師匠の赤ちゃん」サスサス
シモンはキトリスのお腹を優しく撫でたよ!
若干ヤンデレ臭いね!
キトリス「あ、え?あ、ああ(マジで?)」オロオロ
シモン「大丈夫だよ、師匠。俺が傍に居るから」ピタ
キトリス「あ、ああ(え?俺、勇者の子供産むの……?)」
公衆の面前で番った事と、妊娠した可能性がある事が街の皆に知れ渡ったよ!
そして、キトリスは結局妊娠してなかったよ!
キトリス(よ、よ、よ、良かったぁぁぁぁぁっ!)ホッ
シモン(クソ。次こそは……!)
その後もシモンは本気を出して頑張ったよ!
そして、毎回「妊娠してるかも!」と大騒ぎしまくるよ!
シモン「今度こそ出来てる!だって俺、本気出したもん!だって一回も外に出してないし!ね!?先生!」
医者「ヤった直後に来られてもねぇ」
キトリス「…すみません(も、恥ずかしい)」真っ赤!
≪その後のダイジェスト!≫
その後、【本編】通り王様から呼び出しを食らって死にかけたキトリスは、タイミングの悪い事に、逃走中に妊娠が発覚!(じごく!)
なんかもう、HPギリギリの中つわりに苦しみながら、なんとか一人で産んで育てている所に、王宮の使者が迎えに来て、赤子と一緒に再会を果たす
という……感じです!(赤子1歳半くらい)
赤子「ふにゃあ!」
シモン「っ!?ちょっ…待って…え?師匠。そ、ソレ……だ、だ、だ、誰の子?」真っ青!
キトリス「……」
毎回自信満々だった癖に、本物前にしたら急に自信無くなっちゃってるシモン!良かったね!師匠は――
キトリス「……俺、お前としかヤった事ねぇよ」ムス
シモン「っっっっ!!!!」
めでたし!
ピッコマの少女漫画の如し展開。