In居酒屋

※野田さん:大豆達の事務所に居るパートの女の人だよ!

 

 

十勝「はい、じゃあ。本部への異動が決まった大豆と――」

 

大豆「はい」

 

十勝「……そして、課長。今までお世話になりました。コレ、皆からです。どうぞ」

 

課長「……僕も本部異動になるなんて」ズン

 

 

十勝は大豆と課長に花束を渡したよ!

 

 

大豆「すごい……!緑色の花束なんて初めてだ。ありがとう」にこ

十勝「大豆っぽいなって選んだんだ」

大豆「へぇ。俺は……緑色っぽいのかぁ」にこ

 

茂木「……」チラ

 

野田「課長、しっかりしてください。ほら、花束受け取ってください」

課長「……ありがとね」

野田「全然、ありがとうって顔してないですね」

課長「だって、本部だよ!?この年で東京本部は勘弁して欲しいよ!?」

 

 

大豆「そ、そんなに本部って忙しいんだ?」おず

十勝「まぁ、確かに……ここみたいにゆとりは無かったな」

大豆「十勝でも……!?俺、無理かも。この事務所でも忙しいって思ってたのに」

 

 

十勝「…………まぁ、大丈夫だって」

大豆「間がすごい」

課長「大豆クン、覚悟しときなよ?」

大豆「ひえっ」

 

 

課長「ほんとに、本部は忙しいから。それに、今完全に他人事を決め込んでいる――茂木君?」

茂木「……え」

課長「キミも例外じゃないからねー?」

茂木「どういう事ですか?」

 

 

課長「そう遠くないうちに、茂木君もコッチに飛ばされるかもって事。だいたい20代の若いうちに、一回は本部経験を積まされるのが、ウチのセオリーだから」

茂木「……」

 

大豆「じゃあ、茂木君。また本部で一緒になるかもね?」にこ

茂木「……そうですね」ソワ

十勝「……」チラ

 

 

課長「でも、その頃には、茂木君も結婚してるかもねぇ。うち、寮は単身者用しかないからちゃんと自分で部屋を探すんだよ」

茂木「……いや、まだそこまでは」

十勝「課長、まだ気が早いですよ」チラ

 

大豆「一人暮らしかぁ。俺……絶対にごはん作れない」

 

茂木(……だろうな)

 

課長「これを機に自炊を覚えなさい……と言いたい所だけど、本部は忙しいから自炊も中々出来ないかもね。大豆君も彼女とか作るのはどう?」

 

茂木(大豆先輩に彼女……?無理だろ)じっ

 

大豆「……彼女」しゅん

野田「課長、セクハラで訴えられますよ」

課長「え?コレってセクハラになるの?」

野田「なります」

 

 

大豆「……」しゅん

課長「ごめんごめん!そんなつもりじゃなくてね!」

大豆「……」しゅん

十勝「大豆!何か向こうで分からない事とかあったら、いつでも連絡して来いよ。美味い店とか教えるから」

 

大豆「ありがとう、十勝」にこ

 

茂木「(……あぁ、クソ。そろそろ帰るか)あの、すみません」

 

課長「ん?どうしたの?」

茂木「すみません。そろそろ俺、帰ります」スクリ

 

大豆「……」チラ

十勝(……もう帰るのか。今日で大豆は最後だぞ)

 

課長「もう帰るの?」

茂木「あの……家でちょっと、待たせてるんで」

課長「いいねぇ、家に運命の番が待ってくれてるなん……」

野田「課長?」にこ

 

 

課長「これもセクハラになりそうだから、言うの止めとくね。じゃあ、気を付けて」にこ

茂木「いえ、こちらこそ。お世話になりました。課長」ぺこ

課長「こちらこそ一年間ありがとね」

 

 

茂木は課長にお辞儀をした後、大豆に一瞥したよ!

 

 

茂木「……あの、大豆先輩も一年間お世話になりました」

大豆「こちらこそ、一年間。茂木君のお陰で楽しかったよ」にこ

茂木「じゃあ、失礼します」

 

 

茂木は早々に店から出て行ったよ!

 

 

大豆「……ぁ」

十勝(茂木さん、結局一回も大豆と目を合わさなかったな……)

 

課長「お酒注文する人――!」

野田「課長、明日も仕事ですからね?」

課長「分かってますよ……あぁぁぁ、もう。引き継ぎ書作らないと。飲も」

 

大豆「……」

 

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その後、しばらくして飲み会は全員お開きになったよ!

 

 

大豆「はー、久々にこんなに食べたなぁ」

十勝「だな?」

 

 

大豆は十勝と駅まで歩いて帰ってるよ!

十勝は大豆をチラチラ観察してる!

 

 

大豆「どうしたの、十勝?」

十勝「……あー、なぁ。大豆」

大豆「ん?」

十勝「一つ聞いていいか?最後だし」

大豆「なに?」

 

 

十勝「お前、茂木さんと付き合ってたんじゃないのか?」

大豆「えっ!?えっ!つ、付き合ってないよ!なんでそう思うの!?」パチパチ

十勝「だってお前ら……(ヤってる所を見たとは、さすがに言えないか)」ぐっ

大豆「……仲良かったから?」ジッ

 

 

十勝「まぁ、そんなとこ(実際にベッタリだったのは確かだからな……どちらかと言えば、茂木さんの方が)」

大豆「茂木君と俺は付き合ってないよ。そもそも、俺ベータだし。趣味の合う、一番の友達だったとは思うけど……」ぼんやり

 

 

十勝「茂木さんの事、お前はどう思ってる?今更だけど……急に態度変えられて、辛くなかったか?」

大豆「……別に。俺、はじめてじゃ、ないから」

十勝「え?」

大豆「俺、こういうのよくあるんだぁ」ぼんやり

 

 

十勝「よく……?茂木さんとだけじゃなくてって事か?」

大豆「うん、小学生の頃からよくある」

十勝「どんな?」

 

 

大豆「よくある事だよ。自分が相手の一番の仲良しだと思ってたけど、実際は俺なんて相手にとってはたくさん居る中の一人でしかなかったってヤツ。気付いたら、仲良しの子は別の友達と遊んでて、なんか輪に入りずらくなって……そんなのばっかり」

 

十勝「……」じっ

 

大豆「中学でも高校でもそういうのがあって、だから……俺は一人で出来る趣味に没頭するようになったよ。皆、俺の事は“一番”にはしてくれないし。もう寂しい想いするの嫌だったし」ぼんやり

 

十勝「……」

 

大豆「だから、初めてじゃない。いつもの事なんだ。だから、寂しいけど仕方ないよ。運命の番は……お互いが一番同士だから」俯く

十勝「ごめん、イヤな事聞いたな」

大豆「ううん。むしろ、最後に口に出したらスッキリしたよ。ありがとう。だから、俺。一人は慣れてるんだ。だから、一人暮らしも、すぐに慣れると思う」

十勝「そっか(一人に慣れて……ないだろ)」

 

 

大豆は立ち止まったよ。

 

 

大豆「ふふ。実は俺ね。十勝に彼女が出来た時も、少し彼女に嫉妬したんだよ。俺の友達取ったって。彼女が出来たら、あんまり一緒にごはんとか行ってくれなくなったし」にこ

十勝「っ!」

大豆「コレは、“今”だから言えるけどね」にこ

十勝「(あぁ、俺も茂木さんの事は……言えないワケだな)……なぁ、大豆」

 

 

大豆「ん?」

十勝「何かあったら、すぐに俺に連絡しろよ。俺が絶対に何とかしてやるから」

大豆「ありがと」

十勝「あと、もう一つ」

大豆「ん?」

十勝「その、花束……買ってきたの。茂木さんだから」

 

 

大豆「へぇ。そうだったんだ」ジッ

十勝「大豆は……緑っぽいからって」

大豆「……十勝。俺もうバスが来るから」

十勝「おう、引き留めて悪かった」

 

 

大豆「ううん。じゃあ。またねー!十勝」

十勝「あぁ、またな。大豆」

 

 

こうして二人は駅で別れたよ!

大豆はバス停でバスを待ってる。

まだ、バスは来ないよ。

 

 

大豆「……茂木君が選んでくれたんだね」

 

大豆は花束の写真を撮ると、SNSにアップしたよ!

 

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異動になったので、皆が買ってきてくれました!

花束を貰うのも、緑色の花束も、全部初めてで嬉しかったです!

 

今まで、助けてくれてありがとうございました。

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大豆「……やっぱり、いいねは付けてくれないね」

 

 

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異動になったので、皆が買ってきてくれました!

花束を貰うのも、緑色の花束も、全部初めてで嬉しかったです!

 

今まで、応援してくれたり、助けてくれてありがとうございました。

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茂木「大豆先輩」

 

茂木はしばらく画面を見てたけど、そのままスマホをベッドの上に置いたよ。

 

茂木「……はぁ」

 

 

 

更新を忘れてたワケじゃないよ!ネタが思いつかなかっただけ!

あと2回~3回でおわらせたい(毎回言ってる!)