ちょっと小話:茂木君の敬語

 

【茂木の敬語】

もちろん、職場や大豆に対してだけ用いられている特殊装備。兄弟に対しては虚無&雑の極み。

今回は、そんな小話(すぐ終わる)

 

 

 

大豆(茂木くん、どこ行ったんだろ。今日、家に寄ってもいいかなー)テテ

 

茂木「……なに?仕事中なんだけど」

 

大豆(あ、茂木君。電話してる…)ソソ

 

茂木「は?帰るわけねーじゃん。俺が兄貴達に会いたくないの分かってんだろ。はい、無理。金だけ送るから、ソッチで勝手にやっといて。あ?正月?そんな先の事まで知らねーし」

 

大豆「……」ぽかん

 

茂木「つーか、多分帰らない。もういいだろ。もう昼休み終わるし、切るから……っはぁ。ダル」

 

大豆「……茂木君」そろ…

茂木「っ大豆先輩!(もしかして、さっきの聞かれたか)」

大豆「茂木君、さっきの電話は…」

茂木「(やっぱり聞かれてたか)妹です」

大豆「そうだったんだ」

 

茂木「親の還暦のお祝いをするから、帰って来ないかと言われました。まぁ、帰りませんけど」

大豆「……そっか。あの、茂木君ってね。普段はあんな風に喋るの?」おず

 

茂木「あ、いや。あれは……まぁ家族には」

大豆「…そうなんだ」俯

 

茂木(目を合わせてもらえない。もしかして怖がらせたか。……くそっ、あり得る。大豆先輩は他人が怒鳴られるのを側で聞いているだけでも、ストレスでヘルペスが出来るほどの豆腐メンタルだ。フォローをっっ!フォローをしなければっ!このままでは神から距離を置かれかねないっ)

 

大豆「……あ、あのね、茂木君」

茂木「はいっ、なんでしょう!(俺は貴方に対してだけは従順な下僕です!逆らいません!)」

大豆「普段は、ずっと敬語の攻めがね」

茂木「はい!(……ん?攻め?)」

 

大豆「ベッドの中で、余裕が無くなって敬語が取れて乱暴な喋る方になるのって、どう思う?」そろ…

茂木「……さ、最高だと思います(これは、もしや)」

大豆「そうだよね!俺もそう思う!」にこ!

茂木「最高に萌えますね!」

 

茂木の返事に大豆の表情は花が咲いたような笑顔で満たされたよ!ストレスフリー!

 

大豆「じゃあ、茂木君できる?普段、受けに対しては絶対に敬語なのに、ベッドの中だと余裕がなくなって乱暴な言葉になっちゃう攻め」

茂木「出来ますとも!」

 

大豆「わーい!じゃあ、今日茂木君の家に行ってもいい?」

茂木「もちろんですとも!(あははっ!最高だっっ!)」

 

茂木、午後の仕事のスピードがばりばり上がる。

大豆は午後も引き続き「普段は受けに対して敬語なのに、ベッドの中だと余裕がなくなって乱暴な話し方になる攻め」の妄想を膨らませて過ごしたせいで、仕事に集中できず。

 

 

◇◇◇

in茂木の実家

 

妹「あ、兄貴からだ。……あれ!?言った額よりめちゃくちゃ多めに送られてきた!なんで!?えーっと、なになに、余った分はお前が使っていいよ。……ひゃっほう!ラッキーー!!!」

 

 

茂木、この時ばかりは妹に大感謝。

敬語の取れた茂木と大豆のR18話も書きたいわ……!