In魔王城
ヘマ「コイシ君、魔王様にこれを貰ったから今日はコレに乗ってお散歩しようね」
コイシ「…」じっ
ヘマはコイシをベビーカーに乗せたよ!
コイシはお利口だから、ちゃーんとジッとしてるよ。
※ちなみにせがれは抱っこじゃないとダメなので、このベビーカーがコイシ行きとなりました。
ヘマ「今日はお外は寒いからね。ちゃんとあったかくしようね」
コイシ「……ぅにゅ」
ヘマはコイシにもこもこの服を着せて靴下をはかせてあげたよ!
シルエットがコロコロしちゃった!
ヒスイ「お、散歩に行くのか」スタスタ
コイシ「っ!」ぱっ!
ヘマ「そうだよ!魔王様からコイシ君の押し車を貰ったから、これでいつもよりちょっと遠くまでお散歩するの!ねー、コイシ君?コイシ君もこの押し車気に入ったよね?」
コイシ「ぅ、ぅ」うずうず
ヒスイ「良かったじゃねぇか。それなら、俺も一緒に行くかな」
コイシ「っ!」
ヘマ「イシ君も?いいの、今日は俺がコイシ君と遊ぶ日だよ?」
ヒスイ「別に、一人でやる事もねぇし。コイシの面倒は絶対に交代でみなきゃなんねぇワケじゃねぇだろ」
ヘマ「やった!コイシ君、イシ君も一緒にお散歩行くって!良かったねぇ……って、あれ?」
コイシ「ん、ん!」
コイシはさっきまで大人しかったのに、コロコロのカラ体でベビーカーを揺らしてるよ!
ヘマ「あ、あ。コイシ君危ないよ!」
コイシ「う、にゅ」ぽいっ!
ヘマ「あっ、コイシ君が靴下を投げちゃった!あれ、あんよが熱いの?でも、今日はお外は寒いから……」
コイシ「んっ、んっ」
ヒスイ「コイシ、あんよが熱いのか?……まぁ、いつもと変わんねぇようだが」ペタペタ
コイシ「んぅ、んぅ」
ヒスイ「なんだ、それに乗りたくねぇのか」
コイシ「んっ。んっ」
ヒスイ「まぁ、ガキだからジッとしときたくねぇんだろうな」
ヘマ「えぇ、コイシ君はお利口だからジッと出来るよ?」
ヒスイ「じゃあ、益々コイツが気に入らねぇんだろ。俺もこんな親の手から離れたらどっか転がっていきそうなモンは御免だからな。ほら、コイシ抱っこしてやる」
ヒスイ、意外と心配性!
コイシ「……ん」ぎゅっ
ヒスイ「コイシ、このままだと寒いだろうから俺の服ん中に入れ」
コイシ「……」にこ
ヘマ「……あ、もしかして。コイシ君」
ヒスイ「よし、じゃあ行くか」
コイシ「……」にこ
ヘマ(イシ君に抱っこして欲しかったんだね……)にこ
ヒスイ「お前、アレが嫌いだったんだな。俺も、自分がガキならアレは嫌いだわ。信用ならねぇ」
コイシ「……」じっ
コイシはジッとヒスイを見てるよ。ジッとね!
ヘマ「コイシ君、大きくなったら……どんな子になるんだろうなぁ。楽しみだなぁ」
—-十数年後
コイシ「父さん、膝が痛いって言ってたよね。どうぞ」すっ
ヒスイ「いやいやいや、何やってんだ!?」
コイシ「俺の背中に…」すっ
イシ「そんな歩けねぇ程痛いワケじゃねぇから!?年寄り扱いすんな!俺はまだ50代だっ!」
コイシ「俺は……父さんの介護がしたい。俺はそのために生まれてきた」
イシ「いやいやいやいやっ!?ちげぇから!頼むから、自由に生きてくれ!」
コイシ「じゃあ、ほら」すっ
イシ「いや、だーかーらぁっ!?」
ヘマ「良い子に育ったねぇ」にこ
コイシ、ヒスイの事が好き過ぎて、ともかくヒスイの介護をしたがる。
かなり自立し過ぎて一周回って親離れできない感じに見えちゃう。