in職場
所長「今年の新入社員はどうだ?」
課長「あぁ。凄くバリバリやってくれて助かってますよー」
大豆(…今年配属になった所長。なんか、見た目が怖いんだよな)じっ
茂木(あの所長…嫁婿辺りに手を出してそうだな。そういえば、義父×息子も良いな)ジッ
所長「そうか。なら、今年の営業三課の成績には期待できそうだね」
課長「ハハ〜」
所長「うちの事務所で一番“伸びしろ”があるのは、この課だからね。頼むよ?」
課長「肝に銘じますー(暗に他の課より成績が悪い事に対する嫌みを……はぁっ、勘弁してよ)」
所長「キミ、この課の事よろしく頼むよ」ポン
大豆「えっ?」びくっ!
課長・茂木「「あ」」
所長「新入社員であるキミのフレッシュさが、この課の閉塞感を打破してくれると信じているからね」にこ
大豆「あ、あ。は、はい!」
所長「まぁ、そう固くならなくていい。キミ」
茂木「俺の事でしょうか」
所長「そうだ。先輩なんだから、キミが彼に色々教えてあげるんだよ。新人指導も立派な先輩の仕事だ」
茂木「……はい。承知しました」
所長「それじゃ、沖縄にだけは負けないように。あそこもプロジェクトが始まって、今伸びが凄い。ビリだけには……ならないように」
課長「承知しました〜(圧が凄すぎる…)」
所長は営業3課のフロアから颯爽と去って行ったよ!
課長「はぁ、あの所長ほんと鬼だよ。大丈夫だった?大豆君。茂木君」
大豆「は、はい」
茂木「大丈夫です」
課長「大豆君、完全に新入社員に間違われてたね」
大豆「あ、はい。毎年誰かには必ず間違われます」てれ
茂木(永遠のリクルート感……さすが神。神には年齢などない)
課長「うーん、確かにちょっと童顔っぽい顔だちはしてるんだろうけど。なんで、こんなに何年経ってもリクルート感が拭えないんだろうねぇ?」
大豆「きっと、その。俺が、仕事ができないから……」
茂木(そもそも、神に人間の仕事などさせる事自体が間違っているんだ)
課長「まぁ、自信のなさそうな感じがそう見せるのもあるかもだけど……まずは、スーツが原因じゃないかな」
大豆「スーツ?」
課長「うん、その……なんていうかリクルート感があるんだよね。真っ白いシャツと真っ黒いスーツが」
茂木(白と黒。全て相手に染まってしまいそうな純真無垢さと、誰にも染まらぬ孤高さ。大豆先輩にピッタリだ。これぞ、まさに神の正装に相応しい)じっ
大豆「そうなんだ。確かに茂木君のシャツは白じゃないし、スーツも紺色で…なんか、格好良い」
課長「むしろ、新入社員にしてはこなれ過ぎだよ」
茂木「……兄のお下がりなので」
課長「あぁ、そういう事か」
茂木「そのうち自分で買いますよ(兄のお下がりなんて早く捨てた過ぎる)」
大豆「じゃ、じゃあ!お、俺もスーツ買いに行ってみようかな」おず
茂木「っ!」ばっ
課長「あぁ、いいんじゃないかな。大豆君はそろそろスーツで遊んでもいい頃あいだよ」
大豆「でも、お母さんは黒にしときなさいって言うからな」
課長「……お母さんと買いに行ってるんだ」
大豆「こ、今度は一人で……一人で買いに…(お店の人近寄ってくるだろうし、無理かも…)」しゅん
茂木「俺と行きませんか!大豆先輩!」ばっ
大豆「茂木君と?」
茂木「ええ、大豆先輩の新しいスーツ、俺にも選ばせてくださいっ!」
課長「あぁ、お母さんよりは良いんじゃない?」
大豆「わ、わかった。茂木君、どうぞよろしくお願いします」ぺこ
茂木「まかせてください!(神の正装もたまにはドレスチェンジするのも良いだろう。そして、その服はこの俺が選ぶ!)」
茂木、華麗なる前言撤回!
大豆、入社数年経ってもリクルートスーツ!
毎年、絶対に他の課の人から「新人扱い」を受ける大豆に、茂木の癖が火を吹く!
ちなみに、茂木は常にベテラン感が凄いです。シャツとかたまにストライプとか着てくるよ!生意気だね!