「ようこそ、ソードクエスト百貨店へ!」
ここは、お客様が全て「勇者」である、不思議な百貨店だ。
そして、俺は今日からこのソードクエスト百貨店で働く事になった、超新人の「コンシェルジュ」である。
「あー、緊張するなぁ。でも、やっと夢が叶ったんだし。頑張ろ」
まぁ、実のところを言えば、俺が本当になりたいと憧れてきたのは「勇者」の方だ。でも、俺自身は勇者にはなれなかった。
いや、そもそも勇者というのは血筋によって受け継がれていくモノなので、なろうと思ってなれるモノではない。
というか「なりたい」と思ったヤツは、その時点でそもそも勇者じゃないのだ。勇者に憧れて、小学校から高校まで剣道とか習ってみたけど、まぁ、もちろん意味はなかった。
「……でも、男なら一度は憧れるよなぁ。勇者。格好良いなぁ」
そんなワケで、俺は少しでも憧れの存在に近付く為にこの仕事を選んだ。だからこそ、俺は今、此処に居る。
さぁ、今日から勇者のお客様の為に、しっかり働くぞ!
「いらっしゃいませ、勇者のお客様!何かお探しでしょうか?」
「勇者のお客様、天叢雲剣でしたら八階の東の最果てのコーナーにございます。ご案内いたしますね」
「あーー、勇者のお客様!店内でのシリーズを越えた決闘は他の勇者のお客様のご迷惑になります!シリーズファンの為にも、戦闘は闘技場でお願いいたします!」
右を見ても、左を見ても。勇者勇者勇者勇者!
「はぁっ、凄い!本当にみんなホンモノの勇者だ!」
さっきは、俺が一番憧れていたシリーズでも屈指の人気を誇るセブンの勇者の姿もチラッと見る事が出来た。あぁ、すごく格好良かった。
「……勇次にも見せてやりたかったなぁ。本当はサインとか貰って帰りたいけど」
いやしかし、それは絶対にご法度だ。
なにせ、勇者のお客様は、このソードクエスト百貨店へプライベートで来ているのだ。ここは「勇者のお客様」が唯一「勇者」の仮面を外せる場所。だからこそ、ここには「勇者」か「従業員」のどちらかしか入れない。
「……でも、VIBの専属になれば、そういうのもお願い出来るかもって先輩が言ってたような」
この、ソードクエスト百貨店には、世界の名だたる「勇者」のお客様がたくさん訪れる。その中でも、特に強い力を持つ勇者のお客様は「Very Important Brave (ベリー・インポータント・ブレイブ)」と呼ばれ、専属のコンシェルジュが付く。
先ほどのセブンの勇者もVIBの一人である。
「VIBの専属か、憧れるなぁ」
VIBの専属に選ばれる事は、ソードクエスト百貨店の全コンシェルジュの夢だ。
実際、VIBの専属に選ばれると、給料も十倍以上に跳ね上がり、様々な融通が利くようになるらしい。その中でも特に凄いのが、VIBの望んだ商品を探しに世界中を飛び回る為の「バイヤー休暇」だ。「専属」である限り無期限無制限で取得可能である。
VIBの専属コンシェルジュは、自身の仕える勇者の為なら、何をやっても百貨店が全てバックアップしてくれるのだ。
「ま、新人の俺が目指すのはちょっと気が早すぎるな」
ひとまずは、こうして夢だったソードクエスト百貨店のコンシェルジュになれただけでも、有難いと思わなければ。まずは一歩一歩、レベルアップしていく事を目標に頑張らねば。
「目指せ、一人前のコンシェルジュ!」と、夢と希望を胸に飛び込んだ出勤一日目。
まさか、この後、VIBの専属どころか、VIBの怒りを買い、完全な左遷コース追いやられるなんて――
「そこのキミ。俺の専属のコンシェルジュ……犬は、まだ帰っていないのか?」
「犬?このソードクエスト百貨店に、そのような名前のコンシェルジュは在籍しておりませんが……」
「あ゛?」
思ってもみなかった。
「……え?」
◇◆◇
「はぁ……なんでこんな事に」
その日から、俺の生活は一変した。
いや、とは言っても「その日」から始まったコンシェルジュ生活だ。後から振り返れば、一変したというよりは「ずっとそうだった」という事になるのかもしれない。
「……誰も来ない」
俺は誰も居ないソードクエスト百貨店の裏庭を、ただただひたすらに箒で掃いていた。シャカシャカという地面を掃く乾いた音だけが、俺の耳を突く。
——–そこのキミ。俺の専属のコンシェルジュ……犬は、まだ帰っていないのか?
あの日、俺が話しかけられた金髪の美丈夫。あれは、そりゃあもう大変な相手だった。
ただ、見た事のない「勇者のお客様」だったので、普通に、何の心構えもなく対応してしまった。
「まさか、あの人が初代VIBなんて……」
顔を見てもピンとこない筈だ。初代VIBは、神話の時代の勇者なのだから。しかも、運の悪い事に俺はそんな初代VIBの怒りを出勤初日から、盛大に買ってしまった。
——–そのような名前のコンシェルジュは在籍しておりません。
そう口にした時の、初代VIBの顔を、俺はきっと一生忘れないだろう。
直後、烈火の如く怒り出す初代VIBに、駆け付けた支配人と一緒に、俺はワケも分からないままひたすらに謝罪を繰り返した。
その結果、初代VIBの「ソイツの面を、二度と俺の前に晒すな」という一言で、俺のこの百貨店での夢と希望に溢れた未来は完全に閉ざされてしまったのである。
まぁ、クビが飛ばなかっただけマシかもしれない。仕事の意味でも、物理的にも。
「……マジで殺されるかと思った」
どうやら、後から聞いた話によると、その「犬」なるコンシェルジュは九十年前から「バイヤー休暇」を取ったまま、未だ帰らないらしい。そんな、「犬」の帰りを、初代VIBはずっと待ち続けている、と。
俺からすれば、最早どちらが「犬」か分かったモノではない。
「つーか、九十年前からバイヤー休暇って……どんな状況だよ。無期限無制限にも程があるだろ」
さすが、ソードクエスト百貨店。俺の予想を遥かに超える。
まぁ、九十年間ずっと待ち続けている相手を「そんなヤツ居ない」なんて言われてしまったら、確かに怒って当然かもしれない。
「でも……そんなの、俺知らねぇし」
シャカシャカシャカ。
そんなワケで、いつ訪れるともしれぬ初代VIBの為、俺は誰も来ない百貨店の裏庭でひたすら無意味な掃除をする毎日を送る事になったのである。
シャカシャカ。シャカシャカ。
かれこれ、一週間。ここでこの箒の音を聞き続けている。もう、寂しくて頭がおかしくなりそうだ。
シャカシャカシャカ。
カサカサ、カサカサ。
「ん?」
ふと、いつもの音じゃない音が聞こえた。微かな音の違いだが分かる。なにせ、俺はこの一週間、ずっと自分の掃く箒の音だけを聞き続けてきたのだから。
寂しさの中、人との交流に飢えていたのだから!
「あれ、キミは?」
「っ!」
そこには、薄汚れた一人の少年が立ち尽くしていた。どうやら、敷地を覆うように植えられた並木の隙間から忍び込んで来たらしい。髪の毛に、大量に植木の葉っぱがくっついている。
まさか、彼は――!
「っあ、あぁぁっ!」
「お、俺は、別にまだなにも盗ってっ」
ない。と少年が口にする前に、俺は持っていた箒を投げ出して駆け出していた。そりゃあもう、全速力で。
「ようこそ!ソードクエスト百貨店に!」
「っは、はぁ?」
「勇者のお客様!何かお探しでしょうか?」
膝を地面について相手の目線に合わせながら言う。このセリフを、俺は一週間ぶりにようやく口にする事が出来た。
あぁ、嬉しい。嬉し過ぎて泣きそうだ!
「な、な、何言ってんだ!お、俺は客じゃねぇ!腹が減ったから何か食うモンがないか探しに来ただけだ……って、ひぃっ!」
「そうですか!勇者のお客様はお腹が空いていらっしゃるんですね!?何がお好きですか!?」
戸惑ったように叫びながら一歩後ろに下がる小さな勇者のお客様に、俺は本能的にその手を掴んだ。俺の勇者(客)を逃がしてなるものか!という飢えたコンシェルジュの本能だった。
「おいっ、俺は客じゃねぇって言ってんだろ!?金なんて無いんだからな!」
「なにをおっしゃいます!勇者のお客様からお金など頂けません!この百貨店のモノは、全部勇者のお客様のモノですよ!」
そう、このソードクエスト百貨店は「勇者のお客様」からお代は頂かない事になっている。
そりゃあそうだ。勇者はどの世界でも、どの時代でも。何の見返りもなしに世界の命運を背負いに戦っているのだから。そんな相手から、どうしてお金など貰えよう。
「ほ、ほんとかよ」
「本当です!」
「……でも、俺は勇者じゃねぇし。そんな、立派なことは、なにも」
俺は俯きながらボソボソと呟く小さな勇者のお客様に手首をソッと撫でた。とても細い腕だ。一体、どんな生活をしていたらこんな細い体になるのだろう。もしかすると、この少年は俺が思っているより幼いワケではないのかもしれない。
「勇者ですよ」
「え?」
そう、このソードクエスト百貨店には「勇者」か「従業員」しか入れない。いくら忍び込もうとしても、結界が侵入を拒む。だから、この敷地内に入って来れた。それがもう、この少年が「勇者」である証なのだ。
「あなたはホンモノの勇者です」
「っ!」
俺の言葉に、金色の瞳が大きく見開かれた。
そのあどけない瞳に、俺は思わず少年のくすんだ黄色の髪に手を伸ばした。これは癖だ。相手が勇者のお客様だと分かっていても、こういう自分より小さい相手に、俺を前にするとつい「兄貴面」をしてしまう。
「俺はキトリス。お前の名前は?」
「……」
おいおい、勇者のお客様を前に俺は一体なんて口の利き方をしてるんだ。でも、なぜだろうか。この子には、コッチの方が良い気がした。
「ふぅん、言いたくないか。それなら、お前の事はこれからも〝勇者のお客様〟って呼ぶしかないな」
「シモンだよ!変な呼び方すんな!」
「へぇ、シモンか。良い名前だな」
意外と扱いやすい。やっぱり、弟と同じくらいの年齢だと思ったが、同じ扱いで大丈夫そうだ。
「お腹空いてるんだろ?何が食べたい?あ、甘いものは好きか?」
「……」
小さな勇者のお客様は答えない。その間も、俺は相手の手を離さなかったし、軋んだ髪を指ですきながら撫で続けた。この子の金色の瞳を見るに、もしかしたらこの黄土色の髪の毛も、本当は金髪なのかもしれない。うん。勇者だし、きっとそうだ。
「遠慮しなくていい。シモンの望むモノは全部、俺が用意してやる」
「……なんで」
「ん?」
それまでずっと黙って俺の事を見ていた小さな勇者のお客様が、ボソリと呟くように言った。
「なんで、俺にそんなそんな事言うんだよ。俺は、中に居る連中みたいに、なにも、立派な事はしてないし……多分、これからもなにもしない。だから、俺に媚を売っても何も返せない」
どうやら、この子なりに一応貸し借りのようなモノを鑑みての事らしい。盗みに入ろうとした割には、なかなか律儀な事を考える勇者のお客様だ。
「なんだ、そんな事か」
「そんな事って……!」
「いや、だって別に俺はシモンに媚を売って出世したいワケじゃないし」
そもそも、もう俺は完全に出世コースから外れてるし。
それに、元々出世欲がめちゃくちゃあるタイプでもなかったから、その辺の事で俺が落ち込む事は殆どなかった。
「じゃ、じゃあ……お前の目的はなんだよ!意味わかんねぇよ!」
「いや、意味わかんない事はないだろ。だって、俺は――」
小さな勇者のお客様の問いに、俺はソードクエスト百貨店の社訓を思い出した。
【勇者様は、神様である】
故に、コンシェルジュの辞書に「不可能」の文字はあってはならない。何があっても神様のご要望に応えてみせるように。
そんな社訓に、正直俺以外の新人はドン引きしてた。このご時世に何時代錯誤な事を言ってんだよ、って。
でも、俺はそうは思わなかった。
なんだか仰々しい言い方をしてはいるものの、それってつまり、こう言いたいのだ。
【勇者様の、お世話をしなさい】
「俺、誰かの世話を焼くのが好きなんだよ」
「はぁ?」
弟の我儘を聞いてやるのが好きだった。泣いてたかと思ったら、俺の行動一つで笑顔になるその姿が可愛くて堪らなかった。
つまり、コンシェルジュってそういう仕事って事だろ?
「昔からそうなんだ。弟も居るし。でも、最近反抗期でさ、全然世話を焼かせてくれないんだよ。だからさ!」
「な、なんだよ」
俺は小さな勇者のお客様の手首をギュッと握りしめると、その体をグッと自分の方に近付けた。
「今日から俺はシモンの専属コンシェルジュになろうと思う!」
「はぁぁ!?」
「はい、決めた!今日から俺はお前の専属です!何かある時は絶対に俺に言ってください!」
「う、うわ。は、はなしぇぇ」
「いや、泣きそうになったって離さないよ?」
だって、この裏庭に左遷されて何が一番ストレスだったかって、誰の世話も焼けない事だったのだから。そこに、こんな小さくて弟そっくりの勇者のお客様が迷い込んでくるなんて、これはもう完全に「運命」としか言いようがない。
俺は、誰かの世話が焼きたいんだ!
「さぁ、まずは美味しい飯を俺が用意してやる!パンは好き?ここのパン屋のパンは、凄い美味いんだよ!」
「あ、ああぁ~!」
「いや、でもパンは焼きたてが一番うまいからなぁ……そうだ!ここに廃棄された竈があるから、そこでパンを焼いてやろう!」
パンも世話も、多いに焼いてやる!
俺は小さな勇者のお客様を小脇に抱えると、オーナーにバレないようにコッソリとパンを拝借してお客様に食べさせてやった。
「な、美味いだろ?」
「……むぐむぐ」
「どんどん食べて、どんどん大きくなれ!」
「……うるせぇ」
俺の隣でムスリとしながら小リスのようにパンを頬張るシモンの隣で、ポンポンと頭を撫でた。全然笑わないし、愛想が良いとは決して言えないが、そういうところも弟みたいで可愛い。
「シモン、明日もあそこから入って来いよ」
「……なんで」
「髪切ってやるから」
「別にいい」
「ダメだ。お前ちょっと髪が長過ぎる。そんなんじゃ、目ぇ悪くなるぞ」
そう、長すぎる髪をソッと手の甲で避けた際に、チラリと見えたシモンの耳は、驚くほど真っ赤に染まっていた。
それを見て、俺はとっさに思ってしまった。
「シモン、俺がお前を立派な勇者にしてやるからな」
ただの百貨店のイチ新人コンシェルジュが何を言い出すのか。
そう思ったが、パンを食べるシモンが、何故かその時だけは反抗しなかったので、俺はシモンの肩を抱いてその頭を何度も何度も撫で続けた。
「ふふ。シモンは俺だけのお客様だ」
「……変なヤツ」
いやしかし、まさかこの後、戯れで始めた剣の特訓で――
「すっげー!なにさっきの!なんであんな風に動けるんだよ!?」
「えっとぉ、朝練とか……したから?」
「じゃあ、明日は夜明けに来る!」
「店が開くの十時からだから俺居ないよー?」
こんなに懐かれるなんて思いもしなかった。
この後、キトリスとシモンは毎日百貨店の裏庭で逢引き(修行)を重ね、本編同様シモンがキトリスコンシェルジュにべったりしてく模様。
他のコンシェルジュに接客されるのは嫌なので、シモンは絶対に表からお店には入りません。どんなに体が大きくなっても、イケメンになっても、植木の隙間から入ってきます(絵面よ)
おまけ:その後の展開ダイジェスト!
シモン15歳
シモン「師匠、今までの客の中で俺が一番強いって事だよね?」
キトリス「俺の客はシモンだけだよ」
◇◆◇
シモン18歳
キトリス「ほら、新しい装備品を取ってくるから採寸させろー」
シモン「ん」
キトリス「おお、腕も太くなってきたなぁ。もっと大きい剣がいいか?」サスサス
シモン「師匠がそういうなら(勃ちそう……)」
キトリス「じゃ、取ってるくからちょっと待ってなー!」
シモンはお店の中には入らない。何故ならキトリス以外に(以下略)
シモン(そういえば、師匠ってなんでずっと一人で外に居るんだろ。まぁ、その方がずっと二人で居られるし……いいか)
キトリス「シモンの新しい装備品、どんなのがいいかなぁ。どうせ、アイツは何でもいいっていうし、この辺とか似合うんじゃないかなー」にこにこ
初代「おい、そこのコンシェルジュ。俺の犬は……ってお前」
キトリス「ひぃぃぃっ!」
初代「……お前、二度と俺の前に姿を現すなって言ったよなぁ?」
キトリス「いーーーやーー!」
◇◆◇
シモン「師匠、戻ってくるの遅いな……」ぽつん
こんなあらましで百貨店をクビになったキトリスを追い求めてシモンが初代VIBと闘技場で戦う事になったりするとかしないとか。
最終的に決着が付くかどうか!というタイミングで専属コンシェルジュの「犬」が帰ってきた事で、闘いの結果はお預け。なんやかんや、シモンがVIBになった事でキトリスの復職も叶いめでたしめでた――
初代「おい、お前。俺の居ないところで犬を客に土下座させるな。いいな。もし犬が他の客に土下座させられたら……分かってんだろうな?」
キトリス「っは、はいぃぃ!(なんで俺がぁっ!?)」
支配人「キトリス君、今日から犬君の指導をお願いするね。キミ、面倒見が良いし。君なら上手に教えられると思うんだ」
キトリス「え、あの。俺の方がキャリア的には100年浅いんですけど……」
支配人「こういうのはさ、キャリアよりも実績だから」にこ
キトリス「俺の実績、殆ど裏庭の掃除しか……」
支配人「ごめんね。初代VIBからのお達しで」おず
キトリス「……あい」
キトリス「あの、犬さん。何か分からない事があったら、何でも俺に聞いてくださいね(俺も全然わからんけど)」にこ
犬「あ、あ、あの……ど、どう、どうぞ。よ、よろしく、お願いしま……」土下座
キトリス「えぇぇぇっ!?なんで土下座すんのーー!?俺が初代VIBに殺されるから止めてぇ!!?」
シモン「師匠、良かった。また会えたっ!(褒めて、師匠)」にこ!
キトリス「シモンのお陰だよ!ありが――」
客「どうなってんだよ!さっきは用意出来るって言ったじゃねぇか!?」
犬「申し訳ございませんっ!申し訳ございませ―――」土下
キトリス「どうされましたかお客様――!!!(土下座だけは阻止しないとっ!)」ダッ
シモン「っっ師匠!?」
キトリス「犬さん、土下座しなくて大丈夫ですからね!勇者のお客様、あまり騒がれては他の勇者のお客様のご迷惑になりますので!」
犬「あ、あ、あ、ありが。き、きと……きとり」あわあわ
キトリス「犬さん、下がっててください。あとは俺が」
シモン(なんで、師匠が俺以外のヤツの世話を――!!!)ショック
犬「あ、あ、あ……」オロオロ
シモン「なに、アイツ」イラッ
めでたしめでたし!!!!
初代様→(嫌い)キトリス
シモン→(嫌い)犬
初代(嫌い)→←(嫌い)シモン
犬→(助けてくれるけど陽キャオーラ怖い)キトリス
キトリス→(年上の後輩みたいでやりづらい)犬
結論、キトリスが一番大変。
ちなみに、支配人の名前はテル。
癖の強いVIBとコンシェルジュの両方に手を焼いている社畜。