キトリスとシモン再会後
In王宮
ヤコブ「ねー、師匠!たまには皆で遊びたいんだけど!」
キトリス「遊ぶ?」
シモン「はぁ?」
ヤコブ「そーだよー!教会に居た時は、夜とか皆で遊んだじゃん!ぐるぐるしたり、隠れんぼしたりさぁ!」
シモン「つっても、もう皆一緒に遊ぶような年じゃないだろ。それに、それぞれ忙しいだろうし。時間も合わないだろ」
マタイ「あら、私は遊びたいわ」ひょこ
ヨハネ「私もー」ひょこ
ヤコブ「ほらー!師匠が居なくなって全然皆で遊んだり出来なかったから久々に遊びたいんだよ!それに、夜なら皆集まるだろ!」
シモン「いや、夜は俺と師匠が(ヤるので)忙し……」
キトリス「いいな!俺も久々に皆と遊びたい!」にこー!
シモン「え?(夜は二人の時間じゃ)」
ヤコブ「やったー!じゃ、決まりー!」
マタイ「皆に知らせなくちゃね!」
ヨハネ「何して遊ぶ?」
ヤコブ「ねー、師匠。何してあそぶー?」
キトリス「そうだなぁ、皆でやって楽しめるのがいいもんあぁ」にこにこ
シモン(師匠、すごい楽しそう。遊ぶのは良いけど、二人の時間も絶対確保したい。最近仕事ばっかりで二人で過ごせてないし……早めに、切り上げられる遊び。俺の一存で打ち切れる遊び……何か、何か。ないか)悶々
ヤコブ「あ、あ、あれは!?あの、師匠が教えてくれた!あれ!」
キトリス「ん、なんだ?」
ヤコブ「あれ『おーさまの、めーれーは、ぜったーい』ってやつ!」
キトリス「あぁ、王様ゲームか」
ヤコブ「それ!」
シモン「(王様ゲーム、か。それなら)……ふうん」
マタイ「ふふ、変なの!もう王様はシモンなのにね」けらけら
ヨハネ「シモンがずっと王様になっちゃうわね!」ケラケラ
ヤコブ「あはは、シモンゲームだ!」
キトリス「ははっ、シモンゲームはいいな。シモンの言う事は絶対かー……ん?(そういえば)」
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回想(シモン18歳時代)
In教会時
キトリス『はい、みんな取ったなー?じゃ、王様だーれだ!』
ヤコブ『ちぇっ、オレじゃない』
マタイ『私もちがーう』
ヨハネ『ねー、誰が王様―?』
シモン『……俺』
ヤコブ『えーー!またー!?』
マタイ『シモンってクジ運すごいねー』
ヨハネ『この中で、一番たくさん王様になってるよねー?』
キトリス『だな。俺なんて一度も王様に当たらないのに(……確か、シモンの幸運値って俺の3倍くらいあるんだよな。さすがホンモノは違ぇな)』
シモン『じゃ、命令していいの?』
キトリス『ああ、もちろん。みんな、王様の命令はー?』
子供達『『『『『ぜったーい!』』』』』
シモン『……じゃあ』すっ
シモンはその場に立ち上がると、腕を組んで皆を見下ろしたよ!
シモン『一番は、この後グズグズ言わずに布団に入る事。二番は、寝床に本を持ち込まない事。三番と九番は布団の中でお互いを蹴り合わない事。五番と十番は寝る前に必ずおしっこに行っておく事。四番は出しっぱなしの道具を片付ける事。六番は十一番と鏡を取り合わない事。七番は歯磨きを雑にしない事。八番は寝る前に隠れてパンを食べない事』
つらつらつらつらーーー!
子供達『『『『え、え?』』』』
シモン『そして、最後。十二番は――』チラ
キトリス(あ、十二番……は、俺だ)
シモン『皆が寝たら懺悔室に来て、王様の言う事には全部従う事』にこ
キトリス『……っっっ!!!』じわ
ヤコブ『え、え?』
マタイ『ねー、シモン。もしかして皆の番号……』おず
ヨハネ『見えてるの?』おず
シモン『見えてるワケないだろ。勘だよ、勘』
ヤコブ『うっそだー!』
シモン『おい、王様にそんな事言っていいと思ってんのか?ヤコブ』スン
ヤコブ『……う』
シモン『王様の命令はー?』
子供達『『『『『……ぜったーい』』』』』
シモン『よし、もう十分遊んだだろ。寝ろ』ピシャ!
子供達『『『『『……はーい』』』』』
子供達は師匠お手製の王様ゲーム専用番号付きの木の棒をキトリスに返していったよ!
ヤコブ『あれー、ししょう。顔、赤いよー』
キトリス『……あ、赤くないよ』真っ赤
シモン『……っふ』
◇◆◇
キトリス(って事が、王様ゲームの時はいつもあったような……)
ヤコブ「俺、ごはんの後、師匠の部屋にしゅーごーって皆に伝えとく!」
マタイ「わーい!子供の頃みたい!」
ヨハネ「王様ゲーム王様ゲーム!」
ヤコブ「シモンゲームだってば!」
皆は笑顔で走って行ったよ!
シモン「ねぇ、師匠?」
キトリス「……な、なんだ?」ひく
シモン「王様の命令は、絶対なんだよね?」にこ
キトリス「あ、えっと。うん。まぁ、そうだけど。それは、ゲームの中だけの話で……」
シモン「うんうん、分かってる」にこにこ
キトリス「なぁ、シモン……」おず
シモン「あー、楽しみだな。久々の王様ゲーム……本気でいこ」
キトリス「っ!?王様ゲームの本気ってなに!??」
シモンは運が良い。マジで勘だけで当てに行く。
ただし、当てに言ってるのは「師匠の番号」だけで、その他はテキトー。
その日の夜。子供達との王様ゲームも、ベッドの中でのアレコレも全部まとめて楽しんだシモン王でした。