番外編14:ポリネシアン・セックス/(愛撫・我慢・挿れっぱなし)①

 

前書き

 

こちらは、R18の修行の一環で書いたR18番外編になります。

 

5000文字縛りR18特訓②

だった筈なのですが、気付けば1万字超えてました。

 

セイフ×テル

ポリネシアン・セックス/愛撫/我慢/挿れっぱなし

 

宣誓!今回は、激しい挿入、抽出運動、過度な喘ぎ声、射精を目的としたエロを封印し、より官能的に描く練習をする事をここに誓います!

という宣誓の元に書いたのですが……なにやら、宣誓に違えてしまった気がしてなりません。とりあえず、今回のR18も頭を空っぽにして読んで頂けると幸いです!

 

では、どうぞ!

 

 


 

 

 

1:口下手な夫からの申し出

 

 

 その日は、なんて事ない休日の朝のだった。

 俺はいつも通り朝食にフレンチトーストでも焼こうとした時、ある事に気付いた。

 

「卵がない」

 

 そう、肝心の卵が無かった。卵が無ければフレンチトーストは作れない。というか、俺はけっこう色々なモノに卵を用いるので、無いと困るのだが。

 

「仕方ない、ちょっと買ってくるか」

 

 そう、エプロンを外そうとした時だった。

 

「てる、おはよう。どげん、したとー」

 

 寝起きのセイフが、その大きな体躯をよたよたと支えながら俺の隣にやってきたのは。

 

「あぁ、セイフ。おはよ。ちょっと卵が無くて」

「たまご……おれ、買ってくるたい」

「いや、いいよ。俺が買ってくるから。セイフはまだ寝てて――」

 

 そう、隣に立つセイフに言おうとした時、いつのまにかセイフの大きな手が俺の腰に優しく触れていた。

 

「よか。昨日、また無理させたけん。テルが寝とって」

「え?」

 

 無理?なんの話だ?と思った時にはセイフは入口にある鎧を着込み始めていた。鎧なのをいい事に部屋着のまま出るつもりらしい。

 

「いってきまぁす」

「あ、あぁ。いってらっしゃい」

 

 カチャカチャと音を立てて部屋から出たセイフの後ろ姿を見送りながら、俺は先ほどセイフに触れられた腰に手をやった。触れられた部分が、妙に熱い気がする。

 

「……はぁっ。セイフとセックスしたいなぁ」

 

 思わず漏れた本音。

 少し触れられただけでそんな事を思う俺もまた、体は二十歳の健全な成人男性なのであった。

 

 

◇◆◇

 

 

 昨夜、いつも通りダンジョン帰りに寝落ちしてしまった俺は、気が付けばベッドの上に居た。隣を見ればぐっすりと眠る綺麗なセイフの姿。

 どうやら、また俺はセイフにおんぶされて家まで帰ってきたらしい。

 

「……またかよ」

 

 後悔しても遅い。

 まったく、俺が寝汚いせいで思うような夫夫生活を送れていない。ここが現代ならきっと、「セックスレス いつから」と、ネットで検索したり、匿名性の強い相談箱に「夜眠すぎて夫と夫夫生活が営めません。どしたら良いでしょうか」なんて悩みをぶちまけていたかもしれない。

 

「ごめんなぁ、セイフ。まだ若いのに」

 

 実際のところ、肉体的には俺の方が若いのだが、前世のしなびた時代を経ているせいで、どうしてもそんな風に思ってしまう。俺もやっと二十歳を越えたが、セイフだってまだ二十六だった筈だ。二十代半ばといったら、一番性欲の強い時じゃないだろうか。

 

「セイフ、今日の夜は……絶対に寝ないから」

 

 セイフの出て行った部屋で、決意を新たに呟く。

 しかし、それも毎日の事だ。日の光に照らされるセイフの寝顔に、何度そう誓っただろう。でも、俺の「眠気」は、そんな朝の強い決意をことごとく潰していく。

 

「今日こそ、今日こそ絶対に寝ない。珈琲を、夕方に飲んで……それか、昼間に少し寝る……いや、それも前やったけどダメだったし」

 

 卵を買いに出たセイフを家で待ちながら、夜寝ない方法をあれこれとめぐらす。どうしたものか、と頭を捻らせた時だ。家の扉が勢いよく開いた。

 

「っへ?」

 

 そこには、つい今しがた家を出たばかりの鎧姿のセイフが、肩で息をしながら立っていた。

 

「っはぁ、っはぁっはぁ……テル!」

「どうした、セイフ。何か忘れ物か?」

 

 カチャカチャカチャと俺に向かって駆け寄ってくる大きな鎧に、俺は思わず目を瞬かせる。そして、気付けば俺の両肩はセイフの大きな手によって力いっぱい握り締められていた。

 

「テル!いまから、セックスばしよ!」

「……はい?」

 

 この時の「はい?」は、了承と疑問と驚き。その全てを兼ね備えた、俺の感情を余すところなく表現する「はい?」であった。