≪本編後≫
福の神「すーすー」
鬼「ふう、やっと寝てくれた。こんなに大きいのに本当に可愛いなぁ」よしよし
福の神はすやすや寝てるよ!
見た目は完全に成体だけど、押し入れが狭いから丸くなってる!
鬼「あ、そうだ。福ちゃんが寝ているうちに台所のカビを退治しよう」すく
鬼は寝ている福の神を確認すると、ひょいと押し入れから出て行ったよ!
福の神「すーすー」チラ
in居間
鬼「あ、おばあさんったら。またこたつの中で寝てる。風邪ひいちゃうのに……」
≪今日のこんにちは赤ちゃんのコーナーです。今日は都内に住む、柏原さんのお宅にやってきました~≫
鬼「こんにちは赤ちゃん?」チラ
≪あまねちゃんは3カ月。大好きなお父さんとお母さん。そして、心配性のお兄ちゃんであるミニチュアダックスフンドのマルボーロ君と一緒にお昼寝するのが大好き≫
鬼「赤ちゃんだ……かわいい」じっ
鬼はお婆さんを運ぶのを忘れて、テレビに近付いてジッと人間の赤ちゃんを見つめたよ!にこにこ笑ってる!
鬼「福ちゃんも、俺が帰ったばっかりの時はこんな風だったなぁ……可愛かったなぁ」
≪あまねちゃん、早く大きくなってね!≫
鬼「……ゆっくりでいいよ、ゆっくりで。それにたまには赤ちゃんに戻ってもいいんだよ」ぼそぼそ
お婆さん「うぅん」
鬼「あ、お婆さんが起きる前にお布団に運ばないと!」ぴょん!
鬼は慌ててお婆さんを抱えると、お布団の部屋に連れて行ったよ!
鬼「よいしょ、よいしょ」
実は鬼は小柄だけど凄い力もちなんだ!
inお座敷
鬼「ふう、お婆さんもお布団に連れて行けたし、カビも退治できたし、すっきりしたー。福ちゃん、起きてないといいけど」とてとて
鬼は静かに押し入れの扉を開いたよ!
鬼「ただいま、福ちゃ……え?」
福の神「ぁぁうえ」じっ
鬼「あれ?福ちゃん、また赤ちゃんになったの?寂しかったから?でも、ご機嫌は悪くないし」
福の神「……」にこ
鬼「かっ、かわいい!」
鬼は微笑む生後3カ月くらいの福の神赤ちゃんを腕に抱えると、ぎゅっと抱き締めたよ!
鬼「(福の神様、今日は赤ちゃんの気分なんだろうな)かわいいなぁ、かわいいなぁ」ゆらゆら
福の神「ぁぁうえ、ぁぁうえ」にこ
鬼「はうっ!!この世で一等可愛い!!!」ぎゅっ
福の神「……ふ」
あざと神。福の神の福ちゃんは、そのあまねく神の力を母の機微を読み取り一番愛される為に使うのであった。母が望む、一番可愛がられる姿を取る。
だって福の神様は生まれてまだ1年も経ってないのだから!
【おまけ】
出雲で先輩の神様達にイビられ指を咥えて帰ってきた(物理)ら、鬼が居なくなってて悲しくて泣いてる福の神。狭くて暗い押し入れの中で見て呉れの良い組立人形(フィギュア)と膝を抱え、ずっとシクシク泣いてたようです。