番外編15:セイフ(26)の5歳み

 

inダンジョン内

 

セイフ「テル」

テル「んー?」

 

テル、回収した弓の手入れ中。

 

セイフ「テルはなんで、あげん戦闘中も周りにの事に気ば配れると」

テル「どうしたー、急に?」

 

セイフ「テルは自分も攻撃しよるとに、よう周りば見てキビキビ動けるけん。何でかなっち思って。今日、ずっとテルば見よった」

テル「いや、待て。戦闘中は俺じゃなくて敵を見ろ。危ないだろ」

 

セイフ「…ごめん」しょぼ

テル「あ、そんな本気で怒ったワケじゃねぇから。今後気をつけてねってだけで(こういう風に素直に謝られると未だにビビる。これがリチャードだったら−−)」

 

 

−−−おい、リチャード。戦闘中は目の前の敵だけじゃなく、ちゃんと他のメンバーの動きも見ないと……

−−−うっせぇな!?なんで、後衛のお前が俺に指図すんだよ!うぜ!

 

 

テル(リチャードは口答えばっかりだったからなぁ)

 

セイフ「テル、怒ったと?」おず

テル「怒ってない怒ってない!こんなんでいちいち怒んねーよ(なんだ、この巨体から醸し出される5歳みは)」

セイフ「本当に?」おず

テル「ほんとほんと!(このデカイ鎧が可愛く見える日が来るとは…)」

 

テル「だいたい、セイフが前衛で敵を引き付けてくれてるからこそ、視界が広く取れるんだ。だから、俺が回りをよく見てられるのは、他でもないセイフのお陰だよ」ぽんぽん

セイフ「……」にこ

テル「さて、そろそろ行くか(鎧なのに表情が手に取るように分かってしまう……)」

セイフ「……」こく

 

テル(素直さか。この素直さが5歳みの正体なのか?……可愛い過ぎるな)

 

テルは無意識にセイフの頭をよしよししたよ!

 

セイフ「……」にこ

 

~帰り~

 

テル「……」すたすた

セイフ「……」すたすた

 

すたすた

 

テル「……ぁー」ふら

セイフ「テル、テル」

テル「ぁー?」

セイフ「ん」

 

セイフは眠そうなテルの前で背中を向けて膝をついたよ。

おんぶのポーズ。

 

テル「……んぅ」

 

テルは殆ど眠りこけながらセイフの背中に体を預けたよ!

 

セイフ「っしょ」

テル「……」

セイフ「……」すたすた

 

テル「……せいふ、そろそろ。うち、かえろう」

セイフ「ん」にこ

 

多分自分で歩いてるつもりなのか、テルはおんぶされると足がゆらゆら動く癖があるよ!

 

セイフ「……テル、ややこんごつして可愛かねぇ」

 

この夫夫、心の中でお互い5歳くらいに思っている!!