<小話7>:アウトの鞍替え講座

ツイッターお喋りまとめ

〇現世編〇

 

 

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アボード「はぁっ」

アウト「おつかれさん」

アボード「まだ居たのか」

アウト「どうなったかと思ってさ」

アボード「まだ、わからん」

アウト「引き止められ方がエグかったもんなぁ。お前は多分…アレだ。アイサレソウウケって奴なんだよ。アバブに報告しとくからな」

アボード「はぁ?なんだそりゃ」

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アウト「あっ、そうだ!バイ!」

バイ「あ!アウトー!なんか今日は凄かったな!」

アウト「伝言ありがとな。お前が言い忘れてたら、俺死んでたよ」

バイ「(っあぶねー!ギリギリ思い出して良かったー!)……任せとけよ!」

アウト「あと、もう一つお願いしていいか?」

バイ「ん?」

アウト「ウィズには内緒にして!!」

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バイ「ウィズに内緒で抜け出してきたのか?」

アウト「当たり前だろ!飛び降りるって言ったら、酒場に閉じ込められたわ!」

バイ「まぁ、わからんでもないけど。アイツ、ホントに気持ち悪っ!なぁ、アウト。黙っててやるからさ、代わりに」

アウト「何だってする!」

バイ「今度は口に口付けして!」

 

トウ「何の話だ?」

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アウト「おっ、おぉ。こ、ここでバイに口付けをすれば、トウに切り殺されるし。口付けしなければ、後日、ウィズにこの事がバレて、それはそれで殺されるし…俺は、結局死ぬの?」

バイ「アウト!大丈夫だ!トウにはバレないようにしようぜ!」

トウ「…」

アウト「お前!マジでトウに監禁されるぞ!?」

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バイ「兄貴が泣くなんて思わなかったな」

アウト「アイツだって泣くよ。てか、アボードはお父さんとお母さん、大好きだからな」

バイ「っえ!?」

アウト「多分だけど、アボードの言ってた忘れられない女って、前世のお母さんだよ」

バイ「~!兄貴可愛い!俺が兄貴を産みたい!」

アウト「凄い感情!」

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トウ「仕方ない。バイが母親なら…1度呼び間違えられてるし、俺がアボードの父親になってやるか」

アウト「こっちもこっちで凄い事言い始めた!」

トウ「おっ、アボード!お父さんだぞ」

バイ「兄貴!お母さんよ!」

アボード「あ゛ぁ!?」

アウト「やばっ!」

アボード「テメェ余計な事言いやがったな!?」

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眼鏡の吟遊詩人?「いらない!なにも!捨ててしまおう!」

ウィズ「(吟遊詩人にしては、激しい語りだな)」

眼鏡の吟遊詩人?「キミが居ないと生きられない」

ウィズ「……」

眼鏡の吟遊詩人?「君が僕を支えてくれる。君が僕を自由にしてくれる。月の光がそうするように、君の背中に滑り落ちよう(そして私は、潰される)」

ウィズ「…っく」

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ウィズ「(あの曲は…まるで)」

 

アウト「二人で、一つに、なれちゃう事を、気持ちいいと思ううちにー。少しのズレも許せない、セコい人間になってたよ!」

ウィズ「っおい!何だ!その歌は!」

アウト「っへ!?居たのか!鼻歌を聞かれるなんて恥ずかし過ぎる!」

ウィズ「潜るな!何だその歌は!」

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※補足

はいじ「B’zの【LOVE PHANTOM】を聞いてると、オブとウィズへの愛へと暴走して相手が見えなくなってる事への戒めソングにしか聞こえなくなってきた今日この頃です」

 

 

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【アウトの鞍替え講座】

アウト「アボード、鞍替えの相談ならいつでも乗るよ」

アボード「…お前は、止めないんだな」

アウト「なんで?仕事だろ?嫌だなって思ったら辞めていいんだ。俺なんて今の仕事で鞍替え4回目だぞ」

アボード「お前って妙にアッサリしてるとこあるよな」

アウト「慣れだ、慣れ」

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バイ「っ!ダメダメ!アウト!何、兄貴の事惑わしてんの!?」

アウト「……お前もだぞ。バイ」

バイ「へ?」

アウト「騎士やってる奴って、学窓出でからずっと一本でやって来てる奴が多い。それが悪いとは言わない。望んで続けられるもんなら、それが一番良い。けどな?」

アボード「……」

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アウト「自分の心が壊れそうな時に、お前らみたいなのは、此処でやれなかったら“終わり”みたいに勘違いする。鞍替えなんて、皆、当たり前にやってる事を、お前らは周りの環境もあって“当たり前”にならないんだ。それって、俺から見てると凄く危なっかしいよ。無理なら辞める。選択肢は常に“ある”からな」

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バイ「でも、俺これしかやれねー」

アボード「…俺も」

アウト「やってみてないだけで何でもやれるよ!お前らなら!何でマナの無い能無しの俺が4回も鞍替えできて、お前らに出来ないんだ!ま!そんな不安なら、俺が酒場を開いたら、お前らを雇ってやるよ!そんくらいの気持ちで、嫌なら騎士も辞めてこい」

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バイ「アウトの酒場!作るの!?」

アボード「お前、昔から夢だったもんな」

アウト「金も貯まってきたし!イケる!鞍活はやるだけならタダだし、辞める訳じゃないからリスクもない!俺がこうして今の仕事しながら、酒場開設の為に金を貯めてるのも、言えば鞍活!なぁ!楽しくなってきただろ?」

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バイ「楽しそー!確かに俺、なんでもやれそう!かっこいいし!マナあるし!」

アボード「ま、確かに。お前で出来るなら、そら出来るわな」

アウト「そーそ!辛かったら別の道もある!なんかあったら俺の酒場で皆で働こう!」

 

騎士「誰か、お兄さんを止めろ!」

騎士「バイも引っこ抜かれるぞ!」

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後日談

その後、アウトは酒場を経営しながら、併せて鞍替えの相談も承る鞍替えギルドとの複合運営をし大儲けする事になる。

その店主の不思議な魅力で、多くの迷える子羊を救い、救ったついでに皆、酒場の常連になったのでした。

 

という。別の世界線の酒場BL。

 

実際にはアウトは、騎士団を出禁になりましたとさ

 

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【アウト、弟の為にモノ申す】

騎士「貴方がアボードの親族ですか?」

アウト「あぁハイ。兄です」

騎士「できれば、鞍替えを安易にアボードに推さないで貰えるだろうか」

アウト「何故ですか?俺は別に騎士団を辞めるようになんて言いませんよ。ただ、選択肢が見えなくなってる弟にその存在は示させてもらいます。何か問題でも?」

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騎士「アボードは人望も、度胸も、統率力もある。そして何より強い。アイツは騎士団でこそ輝ける人間だ。それを鞍替えなど…貴方はアイツを駄目にする気か?」

アウト「……貴方がどなたかは存じ上げませんが、ちょっとここで一つハッキリとさせておきましょうか」

騎士「ほう。何だ、言ってみろ」

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アウト「騎士を続けるかどうかはアボードが決める事。それに対して俺がとやかく言う事ではない。ただ、貴方の言うアボードの能力は決して此処でしか生かせないものじゃない。アボードは此処で騎士として能力を発揮して幸せになれるでしょう。けれど、それは決して此処に限定するものではない筈です」

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アウト「貴方は騎士団の人だから”騎士団“の事を考えてアボードが必要だと言う。けれど、俺はアボードの”家族“です。だから、俺は騎士団ではなくアボードの事を考えて発言するまで。俺は間違った事は言っていない。だから選択肢はこれからも示し続けますよ。貴方の言葉は聞かなかった事にします。では」

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バイ「えー!なに!?アウト!団長と何話してたの!?しかも、めっっちゃアウト押してたじゃん!あの人があんなに押されてんの初めて見たんだけど!」

トウ「確かにびっくりしたぞ」

アウト「団長?あの人そんなに偉い人だったの?いや、だってあの人騎士団の都合でしかモノ言わないから腹立ってさ!」

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バイ「俺に怒ってくれた時もそうだったけど、アウトってたまに物凄く怖くなる時あるよな。いーなー。兄貴。こんなに全力で守ってくれる家族が居て」

トウ「バイ。お前の事は俺が全力で守ろう!」

バイ「違う!普段弱い癖に急に大切な者の為に自分の身を省みず立ち向かうのがいいんだ!アウトがいい!」

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アウト「だいたい、騎士団って閉鎖的過ぎてちょっとおかしいぞ!まだ、若いアボードに、組織全体の荷を背負わせ過ぎだ!俺はアボードの価値観を此処のみで形成させはしない!」

アボード「ったく。何、騒いでんだ」

バイ「兄貴!アウトが、団長にすげーキレてたんすよ!」

アボード「はぁっ!?」

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アボード「おっ、お前!団長に、あの人に何言ったんだ!?あの人、父さんの親友だぞ!」

アウト「そんなの関係ねぇよ!?お前、絶対一回他の世界経験した方がいい!ここ、価値観凝り固まりすぎ!帰って久々に家族会議だ!」

アボード「はぁ!?マジで!あの人、ほんとスゲェ人なんだ!ちょっ!おい!」

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※補足

はいじ「アウト、自分の曲げられないモノに触れてこられると、相手が誰であろうと引かない。絶対に、引かない。そして、同じような事を【本編】終了後、教会の上層部にもやってのけるのでした!!」