<小話13>:ヨルの大混乱

ツイッターお喋りまとめ

〇金持ち父さん貧乏父さん〇

 

 

 

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【ヨルの大混乱】

 

ヨル『っはぁ、っはぁ。な。何だ、あいつの、あの足の速さはっ……なんで、アイツは怒った!?くそっ!意味がわからん…こい?真っ黒って何がだ!いつも以上に何を言ってるのかわからんっ!……はあっ、まだ。来たばかりじゃないか。お前が帰ったら……俺は、楽しくないぞ。スルー』

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エア『今日はお早いお帰りだな。ザン。明日、俺が帰るから兄弟水入らずの時間を過ごしたいのか?それとも…スルーに何か気になる事でも言われたか?』

ヨル『…』

エア『アイツが言った事をよく考えてみるんだな。その兄弟一頭の良い脳みそを使って』

ヨル『わかるか!?何が真っ黒だ!?』

エア『は』

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エア『アイツ、伝言もまともに出来ねぇのか』

ヨル『まさか…またお前か。エア』

エア『ちっげぇよ!お前スルーが絡むと沸点が異様に下がるのをなんとかしろ!?』

ヨル『うるさいっ!俺だってわからん!真っ黒って何だ!?何でスルーは急に帰った!?クソクソクソッ!何で俺は分からないんだっ!?』

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【スルー、インに相談する】

 

 

スルー『まったく!まったくもうだ!』

イン『お父さん、何怒ってるの?』

スルー『昨日の夜!俺のかなりやが真っ黒にされたんだ!俺はずっとヨルの為に我慢してたのに!真っ黒だ!真っ黒!』

イン『(夢の中の友達とケンカしたんだ)そういう時は、どうして怒ったのかきちんと説明しないとね』

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スルー『…それもオブの経験談か?』

イン『そうだよ。オブはあんなに頭が良くて何でも知ってるのに、オレが怒った時に何で怒ったのか、全くわかって無い時があるんだ。オレは説明してるつもりだったけど、それじゃわからないよ!ってよく言われる』

—–説明しろ!スルー!

スルー『ぐう、わかった』

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ヨル『眠れん……全く。眠れん。……いつもなら、まだこの時間はスルーと会って……なんで、帰った。何を、怒った。こい、まっくろ?一体何が言いたい?俺は、いつになったらスルーの言いたい事を理解できるんだ……この頭は飾りか?学窓での成績が一体何になる。何も役になど立たないじゃないか…』

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【ヨル、オブに相談する】

 

オブ『お父様?』

ヨル『……オブか。こんな遅くにどうした』

オブ『ちょっと、喉が乾いて。お父様はどうされたんですか?』

ヨル『少し、考え事を』

オブ『……そうですか(またか)』

ヨル『オブ、お前は』

オブ『はい』

ヨル『インを、怒らせた事はあるか?』

オブ『…ありますよ(また、イン?)』

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ヨル『インは、意味が分からない、此方では理解できない事で怒ることはないか?』

オブ『そんなの怒らせた時はしょっちゅうです。インが怒る時、おれは、大体その時は理解できません。最初はインの言葉から紐解こうとした事もありました。けれど……無理でした。なので、おれは考えるのを辞めました』

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ヨル『考えるのを止めてどうする?分からないだろう』

オブ『考えても分かりません。だって、そもそも思考の始点が違うみたいなんです。もう、手に負えない。だから、おれは早目に聞くようにしています。初手が遅れるのと後々面倒になるので』

ヨル『初手…尋ねて教えてくれない場合はどうする?』

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オブ『そんな事はあり得ません。インもおれと喧嘩する状態を望んでいるワケではないので。ただ、怒りが強い時は一旦間を置き。落ち着いた所で、おれが悲しそうな顔をして聞けば、大体教えてくれます。インはただ自分が何に怒っているのかおれに分かって欲しいんです。分かって受け止めて欲しいだけ』

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ヨル『……お前は』

オブ『なっ。なんでしょうか』

ヨル『いつの間に、そんな人心掌握術を……大したモノだ。大人になったな。オブ』

オブ『お父様、でも。きっとおれはイン以外なら、そもそもこんな面倒な事にはさせないと思うんです。インだから、こうなってしまう。他の奴ならもっと簡単なのに』

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ヨル『そう、かもしれないな』

オブ『そもそも、まずインの前だと自分の感情の操作が上手くいかないからこうなる。インはおれが頭が良いから、何でも分かる筈なんて言ってくるけど、勘弁してほしいです。インはいつだって、おれの思考の外で笑ってるんだから』

ヨル『まさに、その通りだ。間違いない』

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ヨル『(さすが親子。インは殆どスルーだと言っても過言ではない。そうか、俺の思考の外で笑っている。確かにその通りだ。でなければ、俺がここまで苦心する筈もない。始点が異なる。では、オブの言う通り本人に尋ねるより他あるまい。一日、時間を置き明日、もう一度尋ねる)…俺が、待てないのだが』

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※補足

はいじ「この次の日、次頁からの【金持ち父さん、貧乏父さん】へ続きます」