シリーズお喋りまとめ
【金持ち父さん、貧乏父さん】&【前世組み】
——-前書き———
【お父さん】シリーズに関するおしゃべり。今回はお父さん達だけ。
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【スルー、初めてのお風呂】
—–二人してお屋敷のお風呂場へ
スルー『あはは!霧がある!部屋の中なのに霧だ!』
ヨル『湯気だ。なぁスルー』
スルー『湯気かぁ!確かにこの湯気はあったかいな!』
ヨル『スルー』
スルー『なんだ!ヨル!俺はここで踊りたい気分だぞ!』
ヨル『…やめろ。頼むからタオルを使ってくれ』
スルー『いやだ!』
ヨル『い、嫌だと……?』
スルー『あんなに立派でふかふかの布を、俺に捲くのはもったいないから嫌だ!あはは!あれはなんだ!こっちのはなんだ!あはは』
ヨル『…スルー。転ぶぞ。あと、そんなに大きく動くな』
スルー『っ!あったかい!この水、全部あったかい!これは全部お湯か!すごっうああ!』
スルー『……すべってしまった』
ヨル『(豪快過ぎる……腹を見せて横たわって……まるで隠そうという意思が微塵もない……なんなんだ。スルーには、羞恥心はないのか)……だから、言っただろう』
スルー『……ヨル、ここは”まさつりょく”が少ない?』
ヨル『そうだな。ほら。スルー、いい加減体を起こせ』
スルー『…』
スルー『まさつりょくは、場所によって力がこんなに変わるのかぁ』
ヨル『スルー?』
スルー『なぁ、ヨル?ここは、”まさつりょく”より”こうしんりょく”が強いな』
ヨル『あ、あぁ。そうだ。なぁ、スルー。頼むから、そろそろ体を……』
スルー『だからか!さっきからヨルが”弱く”なってると思った!ふふ』
ヨル『(くそっ!)』
【スルー初めてのシャンプー】
スルー『ヨル、このトロトロはなんだ?』
ヨル『……いちいち、此方を向くな。それは髪の毛や体を洗う洗料だ』
スルー『良い匂いがする……(ぺろ)』
ヨル『おいっ!食べ物じゃないぞ!?何でもかんでも口にするな!?子供か!?』
スルー『……おいしくない』
ヨル『まったく……そうだろうとも』
スルー『……良い匂いのものは、たいてい美味しいのに』
ヨル『野生の世界ならば、な』
スルー『このトロトロを、俺はどうすればいい?』
ヨル『体や髪につけて、手でこするんだ(こんな説明は生まれて初めてするな……変な気分だ)』
スルー『こする、こう、こうか?うぇ、ぬるぬるだ』
ヨル『……』
スルー『っ!ヨル!見てくれ!トロトロのヌルヌルが変身してる!ふわふわだ!』
ヨル『っ!だから!?いちいち、こっちに体を向けてこなくていい!分かっている!見せるな!?』
スルー『あははっ!これは面白い!どんどんフワフワを増やしたら、俺は最後”けもる”みたいになるな!けもるになろう!』
スルー『あはは!髪の毛もけもる!体もけもる!』
ヨル『(一体、何なんだ”けもる”とは…)』
スルー『ヨルも、俺がけもるにしてやる!このトロトロをたくさん使って、ヨルの体にこすると、ヨルも狼から”けもる”だ!』
ヨル『……おいっ!勘弁してくれ!』
スルー『ぐ、摩擦力が強くなってしまった』
【それって臭いって事じゃ……】
イン『オブー!』
オブ『イン!』
イン『っ!』(くんくん)
オブ『えっ、なっ。急にどうしたの?えっ?おれ、臭い?!』
イン『良い匂いだよ!この匂い好き!』
オブ『あっ、ありがと(インって犬みたいだよな…可愛い)』
イン『なんでだろう。オブとお父さん、同じ匂いがする…』
オブ『えっ?』
——–一言——–
はいじ『同じ匂いって、臭いってことじゃ…かなり失礼な落ち込みをかます、おぶ』
【スルー、お前の事を聞かせてくれ】
——–お湯浴び後のヨル
ヨル『(スルーのあの体の傷…だいぶ古いようだったが、あれは一体誰がどういう目的でつけたものだ?あれほどの傷は、日常的な体罰でもない限り、つきようもない。それか…村人からのいじめか?変わり者と揶揄されてはいるが、別に現在のスルーが何かをされている様子はない…だとすると)親、か?」
【父親の役割】
スルー『なぁ、ヨル』
ヨル『なんだ』
スルー『オブは赤ちゃんの正しい作り方を知ってるのか?』
ヨル『な、何だ。急に』
スルー『オブに本を読んでもらってから、インが赤ちゃんは流れ星が連れてくると言い出したんだ!』
ヨル『…(あの本か)』
スルー『もしかして、オブも知らないんじゃないか?』
ヨル『知らない訳がないだろう』
スルー『なんでだ?ヨルが教えてやったのか?』
ヨル『いや、そういった事は全て家庭教師が教える事になっている。オブも11歳だ。教わっているだろう』
スルー『じゃあ、オブはインにウソを教えたのか?』
ヨル『ウソを教えたというより物語でそういった話が出てくる』
スルー『物語か…でも本当は流れ星で赤ちゃんは出来ないし。インは、このまま一生勘違いをして生きる事になるのかー』
ヨル『なるのかー…じゃないだろう。そこは父親である、お前が教える所じゃないのか』
スルー『どう教えていいか、わからん。むずかしい』
ヨル『お前が教わったように教えればいい』
スルー『俺にそう言うことを教えてくれる大人は居なかった』
ヨル『じゃあ、どうやって知った。友人からか?』
スルー『友達もいなかったしなぁ』
ヨル『…くっ、オポジットは違うのか?』
スルー『オポジットは、野蛮だからキライだ!友達じゃない!』
ヨル『…じゃあ、お前はどうやって知ったんだ』
スルー『森で動物の交接を見た。だから、人間も似たようなものだろうと思ってたな』
ヨル『まったく、お前はつくづく“野生”が師なのだな(…親は何をしていたんだ)』
スルー『あれは口では説明し辛い。それに。人間の女の人と動物のメスは多少違うから、交尾を見せに行ってもピンとこないだろうなぁ』
スルー『なんか、面倒になってきたから、流れ星でいいか!』
ヨル『いや、駄目だろう。父親が教えなければ、誰が教える』
スルー『ヨルは自分で教えてない癖に偉そうなことばかり言って!ヨルだったら、何て言って教えるんだ!』
ヨル『……俺なら、俺ならば』
スルー『(じっ)』
ヨル『……ぐっ』
スルー『何故ここで、そんな大きな“まさつりょく”を発揮する!?』
ヨル『むりだ』
スルー『だろ?交接を教えるって難しいんだ。して見せる訳にもいかないしな。間違って子供が出来ても、育てられる余裕はないし』
ヨル『してっ…(言葉に頓着が無さ過ぎる)子供が出来る心配がなければ、やってみせるのか……?』
スルー『ヴィアがいいよって言えばな。して見せた方が早いし。でも、多分断られるだろう』
ヨル『……だろうな』
スルー『まぁ、いいさ!そのうちオブが教えるだろ!』
ヨル『性教育を他人の息子に投げるな!?』
——–一言——–
はいじ『オブが実践をかねて、上手に教えてくれました』