<小話22>:お父さんシリーズ

シリーズお喋りまとめ

【金持ち父さん、貧乏父さん】&【前世組み】

 

 

——-前書き———

【お父さん】シリーズに関するおしゃべり。息子達もこちらに入ります。

———————–

 

 

 

 

【ヨルが居ない間】

種まき話に関する2人のお喋り(ヨル×スルーR18話)

 

ヨル「スルー、俺は明日から1週間程、首都の家に戻らねばならん」

スルー「えぇぇっ!どっ、どうしよう!俺はヨルに乳をよしよしされなければ寝れないのに…」

ヨル「っく…なら、一緒に来」

スルー「代わりに兎にしてもらうか!」

ヨル「ぐふっ!」

 

 

——–一言——-

はいじ「ヨルも【本編】のオブ同様、ちょこちょこ家には帰っているのでした。ヨルは、とてもむっつりした所のある大人なのです」

 

 

 

【お風呂の次の日】

—–スルーとヨルお風呂の次の日。

 

イン『あっ!ヨルさん!こんにちは!』

ヨル『ああ』

イン『ん?ん?この匂い(くんくん)』

ヨル『どうした。何か臭うか(最近、葉巻は吸っていないが…)』

イン『…うちの、お父さんと同じ匂いがする』

ヨル『っ!』

イン『どうして同じ匂いがするのかなぁ?』

 

 

ヨル『…さ、さぁな』

イン『お父さん、今日は寝坊だし。良い匂いだし、どうしてかな?』

(他意なし)

ヨル『っく。す、すまない』

イン『なんで?なんでヨルさんは、今あやまったの?』

(他意なし)

ヨル『…あの、悪い。もう、行かせて貰う』

 

イン『変なのー!ねぇ、オブ?』

オブ『え?本当に……何、今の』

 

 

——-一言——-

はいじ「まだ【種まき遊び】前にも関わらず“そういう目”でスルーを見ていた為に、インの真っ直ぐな瞳と質問に後ろめたさを覚えるヨル。思春期ヨル(31)は今日もモヤモヤしている。オブ、何か嫌な予感のみを察するが、一旦目を逸らす。親のアレコレ、子供にはキッツい」

 

 

 

【俺は未来から来たインだ!】

スルー『おーい!オブオブオーブ!』

オブ『げっ』

スルー『スルーが来たぞー!』

オブ『来なくていいですって!?いや、なんでそんなわざわざ顔を近付けてくるんだよ!?気持ち悪いっ!』

スルー『きもっ……ひどいぞ!?ひどい!オブは酷いやつだ!……俺はほぼインなのにっ!』

オブ『……は?』

 

 

スルー『インは俺の息子だからな!インは俺の種から出来てるんだ!』

オブ『った、種って…!下品だ!』

スルー『何が下品なんだ?本当の事だ。だからこそ、今のインは俺の子供の頃そっくりだ。という事は、だ』

オブ『なっ、なんだよ』

スルー『俺は、大人になった…インだ!』

オブ『ちっ、違う!』

 

 

スルー『俺は未来から来たインだ!そうだろ?だって、オブお前だって最初は俺をインだと勘違いして…』

オブ『黙れスルー!?』

 

スルー『…オブッ!オレね!大人になってもオブが一番だよ!』

オブ『くっ』

スルー『オブが一番好き!』

オブ『ぐふっ』

スルー『ずっと、これからも一緒だよ!』

オブ『(クソッ!違うのに違うのに違うのに!)』

 

 

ヨル『…何をやっているんだ、アイツは』

 

 

 

——–二言三言——–

はいじ『ちょっとだけ、腹の底をモヤつかせるヨル。多分、この晩あたりにこう言う』

 

ヨル『スルー、昼間のアレは一体なんだ。お前。オブに気があるのか。アレはまだ子供だ。こう言っては何だが、オブは、ほぼ俺だ』

 

はいじ『ヨル、通常は冷静なのに、スルーが絡むと何故か発言に後先がない』

 

 

 

【やっぱりビリビリだ!】

—-荒れ地の街道からの帰り 村の入口

 

ヴィア『スルーッ!』

スルー『ん、ヴィア?』

ヴィア『あの、ごめんなさいね!先に謝っておくわ!はいっ!じゃあね!』

スルー『…』

 

ヨル『なんだ?アレは』

オポジット『あぁ、アレはな…』

 

スルー『ああああ!もう!やっぱりか!やっぱりだ!やると思った!』

 

 

ヨル『畜生!また俺の服がビリビリだっ!もう、まともなヤツはコレ一着しかなかったのにっ!これじゃあボロギレだっ!』

 

ヨル『っ!』

オポジット『ヴィアは毎度毎度、あぁやって、洗濯の時にスルーの服を破くんだよ』

ヨル『だからアイツの服だけ異様にボロボロなのか(作業着も支給にするか…)』

 

 

 

——–一言——-

はいじ「ヨル、スルー個人への贈り物にすると、受け取らない為、何でもかんでも【支給品】扱いにし始める。篭とか、服とか、道具とか。作業に必要な物のどさくさに紛れて、個人宛のものを混ぜこむ作戦」

 

 

 

【頑張るわ!】

スルー『ヨル。俺の奥さんのヴィアだ』

ヴィア『まぁ!スルー!この人、凄くかっこいいわ!』

ヨル『……っ、スルー?』

スルー『俺は昨日ヴィア服をビリビリにされて、今日は子供たちの分まで服を繕わないといけないから、代わりにヴィアが補正の手伝いをする!』

ヨル『は?』

ヴィア『頑張るわ!』

 

 

ヨル『おい、スルー。女性だぞ。なにを』

 

オポジット『おぉ!ヴィアならスルーより役に立つぞ!』

村人『むしろ、一番役に立つかもな』

村人『もしかしたら、終わらせられるんじゃないか?』

 

スルー『じゃあヴィア。ちゃんと、ヨ…ザンの言うことを聞くんだぞ!』

ヴィア『まかせて!体を動かすのは得意よ!』

 

 

——-ふたこと、みこと——

ヨル「………え、ぇ」

 

はいじ「この後、ヴィアいっぱい働きます。ヨルは何回も荷物を持つのを代わってもらうという……」

 

 

 

【ひらっ、ひらっ】

スルー『ヨルッ!ヨルッ!』

ヨル『どうした、そんなに飛び跳ねて』

スルー『今日はずっと大人しく服を縫ってたから、凄く動きたいんだっ!ヨル踊ろう!』

ヨル『…その服は一体なんだ』

スルー『布が足りなかったから、切って繋げてヒラヒラにした!暑いし丁度良かった!』

ヨル『っ!やめろっ!』

 

 

——-一言——-

はいじ「どんな状態の服なのか、私にもよく分かりません」

 

 

 

【ザンって凄く格好良いし、強そうだね!】

イン『ヨルさんは、ザンさんって名前だったんだね』

ヨル『あぁ、そうだ』

イン『オブが教えてくれないから、ものすごく変な名前なのかなって思ってたけど、そうじゃなかった!』

ヨル『そうか』

イン『ザンって、スルーとかインより強そう!なんでだろう?』

ヨル『…濁点、か?』

イン『だくてん?』

 

 

ヨル『(文字が分からないからか)こう…音が濁る事で…』

イン『あっ!”てんてん”のこと?』

ヨル『てんてん。っあぁ、そうだ。よく知っているな』

イン『オブに教えてもらったんだよ!オブって名前にもついてる”てんてん”でしょ?だからかー!オブも格好良いもん!』

ヨル『本人に言ってやってくれ』

 

 

イン『じゃあ、オレも”てんてん”が付けば強そうな名前になるのかな?』

ヨル『イン、君の名前には”てんてん”は付けられない』

イン『付けられないんだ…オレは強くなれないんだね』

ヨル『そういう訳じゃないが…』

イン『じゃあ、お父さんは?』

ヨル『付けられる。ズルー……』

イン『ズルー……』

 

 

ヨル・イン『……ズルー』

 

 

——–ふたこと、みこと——–

はいじ「インは最後にこう言って去りました」

 

イン『……”てんてん”は関係なかったね!』

 

はいじ「この後、しばらくヨルは一人で口を抑え、肩を震わせ蹲っておりました」

 

 

【オブは格好良いけど、お父さんは……】

イン『オブー!』

オブ『イン!』

イン『オブ!オレ、分かったよ!オブは“てんてん”があるから格好いいんじゃなくて、オブだから格好良かったんだね!』

オブ『えっ、な、なに(意味がわかんないんだけど)』

イン『オブは凄く格好いいよ!』

オブ『っ!あ、ありがとう(訳分かんないけど…嬉しい)』

 

 

イン『お父さんは何しても格好悪かったもん!』

オブ『あ、そうだね』

 

——–一言——-

はいじ『訳がわからずとも、そこは即答するオブであった』

 

 

 

【大人のオブに会いたい!】

イン『ザンさーん!』

ヨル『イン』

イン『あのっ!一つだけ、お願いをしていいですか?』

ヨル『何だろうな。俺に出来る事か』

イン『それが、ザンさんにしか出来ない事なんです』

ヨル『ほう、なんだ?』

 

 

イン『あの、大人のオブをしてください!』

ヨル『…………』

イン『…………』

ヨル『えっと…すまないが、よく、わからない。もう少し詳しく頼めるか』

 

 

イン『えっと、大人の、オブを、ザンさんに、して、もらい、たいんです』

ヨル『(区切られた…だけだな。情報がまるで増えていない)…どうしたものか』

イン『(じっ)』

ヨル『そうだな…俺は一体、何をすれば、大人のオブになれるんだ』

イン『えと、ザンさんは、オブのお父さんだから、もう見た目は大人のオブなんです』

 

 

ヨル『ほう』

イン『だから、あとは普段オブがオレに言ってくれるような事を言えば、ザンさんは大人のオブなんです。オレも大人のオブに会いたくって!』

ヨル『…も?』

イン『こないだ、お父さんがオブに大人のオレを真似して会わせてあげたらしいんです。オレってお父さんに凄く似てるらしいから。だから、きっと俺は大人になったら、お父さんみたいな大人になるんだろうって、いっつも言われます』

 

 

ヨル『なるほど。そういう事か』

イン『だから、今から俺が言う事をオブっぽく言ってください』

ヨル『オブっぽく…』

イン『せーの』

 

——-

—–

 

オブ『(イン、どこだろ)ん?』

 

ヨル『イン、今日も素敵だね』

ヨル『インの笑顔は太陽にも負けないよ』

ヨル『イン、あぁ。可愛いよ。イン(普段、オブはこんな事を言っているのか)』

イン『(ぱぁぁ)』

 

オブ『は!?』

 

 

———一言———

はいじ『お礼に、ヨルは子供のスルーをやってもらう約束をしました』

 

 

 

【会えた!会えた!】

イン『っはぁぁ、会えた。大人のオブに会えたぁっ』

ヨル『(そんなに嬉しかったのか)待っていれば、そのうち会えるんじゃないのか』

イン『ふふ、オレね。今、会いたかったんだぁ』

ヨル『(好き…を、こんなに全身で表せるのは、この親子の素晴しさだな)そうか。なら、良かった』

イン『今度、お礼にオレがお父さんをしてあげます!』

 

 

ヨル『幼い……スルー(それは、きっと物凄く)』

イン『俺に何て言って欲しいか、考えておいてください!』

ヨル『あぁ、わかった』

イン『じゃあ、オレ。仕事にもどります。ザンさん、さようなら!』

ヨル『あぁ』

 

たったった

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ヨル『聞いていたのだろう。オブ。インは、大人のお前に会いたかったんだそうだ』

オブ『……』

ヨル『……っふ。あまり、帰りが遅くならないようにな』

 

オブ『……インっ!』

 

 

はいじ「オブ、この後たくさんインを抱きしめに走ります。まだ、性衝動と理解できていない頃です」