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「ンぁ、ン、んっちゅ。っぷはっ、っはぅ、ま、った。まってンンっ」

「ん?」

 

 庄司はホテルの広いバスルームの中で、ともかく口を塞がれていた。無駄に広いガラス張りの壁に、庄司は宮古の大きな体によって抑え込まれている。もちろん、抵抗など出来ない。

 

ただ、未だに心のどこかで「宮古は未成年なのに」という意識が、庄司を行為への没入から足を引っ張る。宮古もそれを分かっているのだろう。

 つまらない事ばかり言う庄司の口は、もう塞いでおくことにしたのだ。

 

 くちゅ、ちゅっ、っふ。ちゅくちゅくっぷ。んんっ。ちゅっ……はぁっ。

 

 濡れた互いの体がピタリとくっつく。どちらとも言えぬ熱い息が漏れた。

 庄司は薄く目を開けた先に居る、真っ赤な髪の毛をしとどに濡らした恋人の姿に、思わず口の中で蠢いていた宮古の舌に、自身の舌を絡ませた。

 

 少しずつ、理性とか社会通念とか倫理とか、そういう“大人として”守らねばならないモノが、快楽によって絡め取られていく。

 

「ん、ん、っはぅ……んんっ」

「っは、庄司。キモチーだろ?」

 

 そんな庄司の気持ちの機微に、普段は一切他人の感情になど心を寄せない筈の宮古が素早く反応した。

雄の本能で分かる。もうすぐ庄司がオチる、と。

 

それに追い打ちをかけるように、宮古はねっとりと庄司の口の中を舐め上げ、舌に軽く歯を立てた。ピリとした刺激が、庄司の背中を快楽となって走る。

 

「ん、きもちぃ」

「そうか」

 

 その証拠に、先程まで宮古との間に壁を作るように置かれていた庄司の腕が、いつの間にか宮古の背中へと回されていた。薄く開かれた目も、トロンと熱を帯びている。そして、弛んだ唇から上ずった甘い声で「みやこ」と、名前を呼ばれる。

 

「っは、かわいーな」

「っ!」

 

 庄司の熱を帯びたその目に、宮古は気を良くすると、遠の昔に勃起し切っていた自身のペニスをぬるんと庄司の腹へと当てた。ついでに、緩く勃ちかけている庄司のペニスにこすりつけるように腰を動かした。

 

「ぁっ、あぅっひ。みやこ、あつ、おっき。それっ、だめっ」

「なんで?気持ち良さそうだけど?庄司」

「~~っ、だ、だめ。よすぎてっ!あっ、あっ!っ、んひゃぅっ!」

「はぁっ」

 

 宮古の大きな手が庄司と自身のペニスを掴み、同時にこすり上げる。熱い。宮古はもうそれだけでイきそうだった。宮古は、どちらともなく溢れ出す先走りを掌に纏わせると、ゆったりとした動きでずりずりと皮をと上下に擦り続けた。

 

「っひ、あっあっあッん!みやこ、みやこ、みやこぉ。これ、すき。きもちぃっ!」

「っは、おれも」

 

 背中に回された庄司の腕に力が増す。そんな庄司の体の熱さが、宮古の熱と欲を一気に高めていく。

 

「っはぁ、しょうじっ。しょうじ、しょうじっ」

 

 宮古は庄司に分からせたかった。自分がどれだけ庄司を求め、どれだけ我慢して、どれだけ犯してやりたかったかを。

 

——-何でも食わせてやるよ!

 

 そう明るく笑った庄司の顔が、今や自身の与える快楽に、完全に溺れてしまっている。今や宮古の背中に腕を回すどころではない。庄司は今や、必死に閉じようとしていた股を大きく開いていた。

まるで、宮古を迎え入れるように。早く来てくれとでも言うように。

 

「みやこぉ」

 

庄司のうっすら上気した頬と、潤んだ瞳が宮古を捉える。その目は、もう完全にメスだった。

 

 落ちた。

 

 宮古はそれをハッキリと感じ取ると、二つの昂ぶりを握る手に力を込めた。激しく手を動かしながら、宮古は頭の中が真っ赤に焼け付いて行くのを感じた。

残った理性の欠片が、加減をしろ!と叫ぶ。今、ここで理性の手綱を緩めたら、多分、もう引き返せない。

 

「っはぁっく!」

「っぁぁぁんっ!」

 

 庄司の普段は絶対に聞く事の出来ない、その甘い矯正に、宮古はイったそばから、再び熱が宿るのを抑えられなかった。

 

目を開けると、そこにはだらしなく開かれた股の間で、二人の精液をまといいやらしくヒクつく局部がある。

 

穴だ。これは俺の穴。

宮古の脳内は完全にその単語でいっぱいになっていた。

 タラリと垂れた乳白色の精液は萎えた庄司のペニスを伝い、ヒクつくアナルへと流れていく。その姿が、堪らなくいやらしい。

 

「……エロ過ぎだろ」

「っひぅ、なんでぇ?」

 

 庄司は、自身の萎えたペニスにピタリとくっついている宮古のモノが既に勃起している事に腰をヒクつかせた。

血管がハッキリと浮かび上がらせる程に硬度を増しているソレは、先程よりも明らかに固く、そして大きかった。

 

「っは、っはぁ、はぁ……なんで、だと?あんなんで萎えるわけねーだろっ!こっちが、どれだけ我慢してたと思ってんだ!」

「っぁ゛ぁっ!」

 

 くちゃぬちゃ、ずりずりっ。

 苛立ったように庄司のペニスと共に激しく扱いてくる宮古の目は、もう完全に理性をブチ切る寸前だった。先程出した互いの精液のこすれ合う音が、ぬちゃぬちゃといやらしく庄司の耳を犯す。

 

「あ゛ぁぁっ!クソっ!今からテメェのケツ犯してやるっ!未成年だクソだって待たせやがって!クソが!」

「っはぁぁんっ!」

 

 普段、宮古が庄司に向けてくる事のない程の怒声が、庄司に向けられる。若い、持て余された熱が、捌け口を求めて慟哭している。

 

「っはぁぁぁっ!畜生!苛つく!クソクソクソクソッ!っく!」

「っん!ぁぅっは!」

 

 宮古は再び自身の掌の中で、緩く勃った状態の庄司のペニスにこすりつけながらイった。二度もイったのに、それでも宮古の昂ぶりが止まない。

 

「っみ……みやこ?だい、じょぶか?」

 

 肩で息をする宮古に対し、庄司が心配そうにソッとその頬に手を寄せた。

 

「っ!」

 

 その瞬間、俯いていた宮古の頭がガバリと庄司の方へと向けられる。

ただ、頬を触られただけ。それだけなのに、その触れ合いにすら、宮古の欲はすぐに頭をもたげ始めていた。

 

自分でも呆れかえってしまう。ただ、どうしようもない。