番外編2:あられのおれ(決定版)

【前書き】

 

ゴウキが大ハッスルし過ぎて、色々とやらかす話。

ともかく二人がヤっちらかしています。

もちろんR18

 

ゴウキはあられが大好き。愛している。あられしか見えていない。ただ、思春期故の性欲と弾け飛んだ理性のせいで、当のあられすら見えなくなったりしています。

 

ゴウキ視点です。

 


 

 

 最近、ちょっと調子に乗ってたんだ。

 それは認める。事実だ。

 

 でも、だって、仕方ねぇだろ。

 なにせ、俺のあられが死ぬ程可愛いからさ。仕方なかったんだ。悪気はなかった。だから、頼む!あられ!

 

 許してくれ!

 

 

 

あられのおれ(決定版)

 

 

 

 今日も、俺のあられは可愛い。

 

「あられ、コレ着ねぇ?」

「えぇっ!でも、あの。それは……お、女の子のヤツじゃ」

「いいだろ?あられなら、絶対似合うから」

「にあわ、ないとおも、」

「似合うから。お前以上に、コレが似合うヤツなんかいねぇよ」

「……えっと。ゴウキ、俺がそれ、着たら……嬉しい?」

「あぁ。死ぬ程嬉しい」

「ほんと?」

「ほんと」

 

 あぁ、やっぱ俺のあられは最高だ。首を傾げる姿なんて、可愛すぎて最高峰。

 

「じゃあ、うん。ゴウキが嬉しいなら……着る。あの、変でも、笑わないでね」

 

 それに、あられは俺の言う事なら何でも聞いてくれる。しかも、嬉しそうに。

 くそ、可愛すぎてもう我慢できねぇ。

 

「ぜってー、変じゃねぇから」

 

 むしろ、俺が変態だから。

 

 そう。確かこの日は、あられにいやらしい女モノの下着を着てもらった。

 あぁ、マジであれは最高だった。

 

「っひっぅ、っぁん!ごう、きぃ。っふぅ」

「っは、あられ。お前。すげぇよ。ここ」

「っぁう!らめっ!しょこ、ぱんつの、ひもがっ」

 

 殆どレースの紐しかねぇような、いやらしい下着を着たあられが、俺の下で腰をくねらせている。紐の一部が、あられの勃起したちんこにひっかかって苦しそうだ。

 

「っん、ん。っはぅ、くるし」

 

 俺が下半身には触らないように言っているせいか、あられは苦しいソコを俺の体に擦り付ける為に、ヘコヘコと腰を動かしている。

 

「んっ、ふぅ、ごぅきぃ。これぇっ……ひっん。とってぇ」

「なんで?スゲェ似合ってるぜ、あられ」

「っぁん!」

 

 レースの一部を引っ張ってやれば、ちょうどカリの部分を締め付けてしまったせいか、あられは軽く射精した。

 

「っふぅ、ごうき。も……くるし」

「……最高」

 

 あぁぁぁっ!クソ!

 こんなん、ヤベェだ!買ってきた俺、マジで天才!買う時死ぬ程恥ずかしかったし、ゲイの癖に何買ってんだって、若干虚無になりかけたけど、あの時の判断は間違ってなかった。

 

 あられにかかれば、どんなモンも俺にとっての最適解になる。

 

「っはぁ、いい。やっぱあられ、スゲェ似合ってる」

「あっ、あっ!そんな、近くで、み、みないで」

「へぇ、なんで?」

「ごき、の息が……当たって。きもち、いいのが……んっ、っは、はじゅかし」

 

 おーい、待ってくれ。鼻血出そうなんだけど。

 

 あられのドロドロの下着に顔を近づけてやれば、俺の息にすら感じてしまっているようで、腰を揺らしながら、顔を真っ赤にしている。

 

 は?俺の息が当たってよがってる姿を見られるのが恥ずかしい、だと?

 

 最高、マジで俺のあられは最高峰。世界一。

 

「っかわい過ぎ。あられ、舐めていいか?」

「っな!ダメ!」

「なんで?」

「……また、ひとりで、イっちゃうから」

「いいじゃん……なぁ?」

「っはっぁん!」

 

 舐めちゃダメ、なんて言いながら無意識に腰を揺らすあられは、頭がイカれそうな程可愛かった。もちろん、ダメなんて言葉は無視して、殆ど紐みたいな下着を布ごしに、これでもかって程舐めてやったさ。

 

 そっからのあられは、もう最高過ぎて思い出せねぇ。

 

 なんでって?今は授業中だからだよ。半分勃ちかけてんだ。これ以上は危険だ。

 最近の俺は、学校の授業すらまともに受けれてない。少し自重しねぇと。

 

        ○

 

 あぁ。そういや、あの日も最高だったな。

 あの時は、いつもの公園の便所でヤったんだ。

 

 俺ん家にも親が居るし、その日はあられの家にも親父さんが居るってんで、どうしようかと思ったんだ。

 

「ゴウキ、今日はもう……帰る?」

「……あられは、どうしたい?」

 

 いつものベンチで、どう考えても「帰りたくない」って顔でそんな風に言われてみろよ。

 それだけで、俺のちんこは完勃ちした。仕方ねぇだろ。

 

 だって俺、思春期だぜ。出しても出しても出したりねぇワケよ。

 

「あられ、スゲェ乳首立ってる」

 

 服の上から、俺はあられの乳首に触る。つーか、触る前から乳首立ってるって何だよ。危ねぇな。

 透けて他のヤツに見られたら最悪だから、今度絆創膏でも付けさせとくか。想像しただけでエロくて最高だな、おい。

 

「んっ、ごき。あの」

「ん?」

「ちょ、くせつ。さわって」

 

 外でヤんのは初めてだった。汚ねぇ便所の個室で、あられが壁に手をついて、振り返り様にそんな事を言う。

 俺はと言えば、勃起しちんこをあられのケツに押し付けながら、あられの言葉を無視して制服のシャツのうえから、ソッとあられの乳首に触れてやる。

 

 なぁ、あられ。こんなんじゃ足りねぇだろ?

 

「どうしよっかなぁ」

「っん、ゴウキ。おねがい」

 

 あられが、濡れた瞳で俺を見上げながら、俺にキスをした。ただ、振り返り様にキスし続けるのは体勢的に難しいのだろう。吸っては離れ、舐めては離れる。必死だ。

 

「んっ、ちゅっ、ごぅき。おね、がい。っふん」

 

 あー、無理。今の俺じゃ焦らすとか難易度高過ぎ。

 

「ごうき、ごうき、っふぇ」

「っはぁ。いいぜ。よくできました」

 

 俺は片手であられの顎を支えながら、そのまま深く口付けをした。あられ、マジで小せぇ。ほんとに高一かよ。可愛い。

 俺が年齢の割にデカいのもあるが、俺の手であられの顔の半分以上が隠れてしまう。

 

「んっふ、ちゅっ、っはぁん」

 

 あられの鼻にかかるような甘ったるい声を聞きながら、俺はもう片方の手で、あられのシャツの中に手を這わせた。

 ツンと立ち上がる小さいソレは、もう触って欲しくてたまんねぇってくらいに健気に主張している。

 

 その突起を摘んだり、ピンと指で弾いてやれば、壁と俺の体に挟まれるあられの体が、ピクピクと痙攣する。

 あぁ、直接舐めて歯を立てて可愛がってやりてぇ。

 

「っは、かわい」

「っぁん。っひう、んんんんっ」

 

 キスの合間に漏れるあられの喘ぎ声が、ダイレクとに下半身にクる。そろそろ我慢出来なくなってきた。乳首を直接かわいがんのは、また今度だ。

 

 いや、今度って何だ。後で、だよ。一発イったら、すぐに可愛がってやる。場所が便所だからって、容赦しねぇ。

 ヤッてヤってヤりまくってやる。

 

「っぁんん!ごうっきぃっ!こりぇ、しゅごいぃっ!」

「っは、ぁ!あぁ、すげぇなっ!あられの奥まで突けるっ」

 

 そうそう。

 その日は初めて尽くしだった。外でヤルだけじゃなく。駅弁までやった。最高過ぎた。

 

「ごうきっ、っはぁん!ごうきぃっ!」

「っは、っは。っく。あられ、あられっ」

 

 立ちバックでガンガン突いてやっていたら、三回射精したあたりから、あられが立っていられなくなって、繋がったまま向かい合わせで俺があられの体を抱き上げた。

 

 これ、原武さんの動画でもあったな、なんてタイトルだったっけ?

 あぁ、ダメだ。頭イカれて何も思い出せねぇ。

 

「ごう、き。おれ、おもく、ない?」

「どこが?軽過ぎなくらい」

「へへ。ごうき、おっきいもんね」

 

 首を傾げながら、俺の唇にペロペロと舌を這わせてそんな事を言ってくるあられに、思考回路は焼け切れた。

 

「デカい?俺の、ナニが?」

 

 キモ過ぎだろ、俺。どこのオッサンだよ。

 でも、そんな俺のキメェ問いにも、あらえは百点の答えを返してくる。

 

「手とか、足とか、」

 

 あられが俺の体にぎゅっと抱き付きながら耳元でポロポロと溢れるように言う。合間に、耳朶を食んでくれる、おまけ付き。

 こないだ見せた原武さんの動画で見たヤツを早速取り入れてくるの、マジで最高過ぎる。

 

「鼻とか、目とか、体とか」

「なぁっ、おい、他には?」

 

 マジでキメェ俺!

 あられに焦らされ腰をグッと奥に押し付けながら、鼻息荒く尋ねる。キモいキモいキモい。でもそのお陰で、最高のあられに出会えた。

 

「んっ」

 

 どうしようもない俺のちんこを、キュンとナカで締め付けながら耳元で囁く。

 

「ゴウキのちんこ、おっきくて大好き」

 

 ハーーーーーー!

 そっからはもう初めての外でのセックスと、駅弁セックスに俺の腰は止まらなかった。

 あられは自由を奪われんのが好きだから、便所の壁と俺の体で挟み込んで、死ぬ程ガン堀りしてやる。

 

 もう最後は喘ぐ事も出来ずに、完全に体を預けてくたりとするあられに、俺はひたすら緩く腰を振った。

 

 あぁぁぁっ、あられのナカから出たくねぇ。

 

「っはぁ、スゲェ。気持ちいわ」

「っん」

 

 もう中出しし過ぎて、あられのケツからがずっと俺の精液が垂れ流されていたのは、もう今となっては死んでも忘れられない光景だ。

 

        ○

 

 と、そんなワケで、俺は完全に調子に乗っていた。あられは俺が何をシても喜ぶし、受け入れてくれるから。いつの間にか、勘違いしてたんだ。

 

 あられは俺が好きだから、ナニをしてもいいって。あられは俺のだからって。

 

 まぁ、つまり甘えていたワケだ。

 

 だから、あんな事になるなんて思わなかった。あんな風に、あられが泣くなんて、俺を拒絶するなんて、

 

 全然思わなかったんだ。

 

ーーーーーーー

ーーーーー

ーー

 

「あられ、今日は俺ん家な。親、帰り遅いから」

「わかった!俺、ゴウキの家好き!」

 

 まぁ、そりゃあそうだ。

 あられん家よりは色々なモンがあるしな。ベッドもそこそこデケェし、何より暖房がある。あったぇもんな。

 ま、どうせヤってりゃ、汗だくになるんだけど。

 

 そんな事を俺が思っていると、やっぱりあられは俺の予想を越えて可愛い事を言う。

 

「ゴウキの匂いいっぱいするから!」

「ぐふっ」

 

 あぁ、あられ。やっぱお前スゲェよ。何を言っても、俺を喜ばせやがる。お前が俺のスマホを拾ってくれて、本当に良かった。

 

「あられ、早く行こうぜ」

「ん!」

 

 ここが通学路じゃなきゃ、肩を抱いて歩いてた。俺は暴走しそうになる衝動を、必死に拳を作って抑え込み、深呼吸をした。

 

「あられ」

「なに?」

「かわいい」

 

 頭くらいなら撫でていいだろ。たまらず頭を撫でてやれば、嬉しそうに目を細めるあられの姿。

 

「ふふ。ゴウキは格好良いね」

「ふーーーー」

 

 もう完全にバカップルだ。いや、違う。あられは、ただ純粋なだけだ。そう、俺が、俺だけが

 

「……あー、幸せだわ」

「俺もー!」

 

 ”あられバカ”なんだ。

 

        ○

 

 そこから俺は、いつものようにあられを抱いた。まぁ、最近は色々と趣向を凝らす事も多かったので、至って普通にベッドの上で、正常位でガン掘りしてやった。

 

「っはぁん!ごうきっ!ごうきぃっ!あ、あっ、あぁぁん!」

「あられっ、あられっ!っはぁ、きもちっ!マジで最高!」

 

 あられの足を俺の肩にかけて、下半身をあられの体に叩き付ける。あまりの勢いに、普段はなかなか届かない奥の奥まで、ちんこの先端が当たる感覚がする。

 

「ぁっ、あ、んぁっ!ひゅ、ふぅ」

「すげぇっ、なんか奥。ここ、コリコリしてる。あられ、わかるかっ?なぁっ!」

「っ、っう、っ」

 

 あられは感じ過ぎて、その大きいな目をこれでもかと言う程見開くと、喘ぎ声すらままならない悲鳴を上げる。

 やっべぇ、色々ヤってきたけど、正常位でガン堀りするのが最高にクるわ。

 

 やっぱ原点が一番だよな、と、俺があられにキスをしようとした時だ。

 

「ただいまー!ゴウキー、帰ってるー?」

「っ!」

 

 部屋の外から、親の……クソババァの声がした。その瞬間、あられのケツがこれまで以上に締まった。

 

「っく、」

「ぁ、ぅ。ごう、き」

 

 体の下で、あられがユラリと瞳を揺らす。

 俺も予期せぬ親の帰宅に、ゴクリと唾を飲んだ。もし、こんなトコロが、あの女に見られたら……そう、思うと俺のちんこは、

 

「ぅ、ど、しよ。ご、ごうき。お、おかあ、さんに、み、みられ、る」

「っ」

 

 最高に元気になった。

 それが分かったのだろう。あられは、外から聞こえるバタバタという足音と、俺の硬くなったちんこに、完全に混乱していた。あぁ、慌てるあられ、最高に可愛い。

 

「ゴウキー!誰か来てるのー?」

「友達!」

「そう、夜ご飯はー?」

 

 急に帰ってきて、面倒くせぇ事ばっかり聞いてくるクソババァに、俺は腹を立てて……はいなかった。むしろ、それどころではなかったのだ。

 

「んっ、っふぅ」

 

 あられのケツが、スゲェ締まる。

 

「……い、いらね!もう、食ったから!」

「そうー?なら良かった」

 

 足音が少し遠ざかる。が、あられは未だにビビっているのか、食いちぎらん勢いで俺のちんこを締め付けてくる。

 

「ぁ、られっ」

「ご、うき……服を、着なきゃ」

「……なんで?」

「だって、ゴウキの、お、おかぁさんが」

 

 あのババァは絶対に俺の部屋に入って来たりしない。昔それで、スゲェ喧嘩になったから。だから、俺は心のどこかで安心してられる。

 

 けど、それを知らないあられはどうだ。

 

「あられ、体勢変えるぞ」

「っへ!な、なんでっ!お、おかあさん、が、いるよ!」

「あられが、声我慢すりゃいいだけだろ」

「っひゃん!」

 

 俺はあられの体を無理やり起こすと、扉に向かって足を開かせた。「っひ」と、あられの短い悲鳴が聞こえる。けど、そんな悲鳴はお構いなしに、俺はと言えば背面座位の形で、後ろからグリグリと奥を抉る。

 

 こんなの、もし扉を開けられたらひとたまりもない。

 

「っ、ごうき。やだ、これ、ダメ。やだぁっ!」

「あらえ、声。……聞こえるぞ」

「ん、っ、ふ。ご、き。やめ。こえっ、でちゃっ」

「我慢しねぇと、母さんに、お前の恥ずかしいトコ、全部見られるぞ」

 

 そう、耳元で言ってやれば、あられのケツが更に締まる。ついでに、あられの耳も首筋も真っ赤になっているのが、後ろからも分かる。あぁ、最高!

 

「あられ、体中真っ赤じゃん。恥ずかしいの?」

「んぐぅっ」

 

 後ろからガンガン突きながら耳元で尋ねてやれば、あられのくぐもった声が部屋に響いた。どうやら、口元を両手で塞いで、ともかく声を出さないように必死なようだ。

 

「っっはぁ、あられ。スゲェ締まってる。母さんに見られるの想像して、感じてんだ?」

「っふ、っっん。っん!っふ、んんん!っぁん!」

「あられ、声。……いいのか?バレたら、もう俺とは会えなくなるぞ」

「っぅぐ」

 

 俺の言葉に、あられの体が跳ねた。声が聞けねぇのは物足りねぇけど、それでもこのケツの締まりと、必死なあられにはおつりがくる。

 

「っはぁ、っは」

「っ、ん、っふ」

 

 こういうのも、たまには悪くない。

 俺がゆっくりと腰を振りながら、あられの乳首とちんこに触れようとした時だ。

 

「ゴウキ!ちょっといいー?」

「っ!?」

 

 廊下から声がかけられた。

 あぁ、ナイス。クソババァ。今日だけは思うよ。アンタの息子で良かったって。

 

「なにっ」

「~~っっっ!」

 

 締まる。スゲェ締まる。あられの肩がピクピクしてる。あぁ、うなじ。噛みてぇ。でも、返事しねぇと。あぁ、でも噛みたい。

 

「三者面談の日、ちょっと変更したいから!明日先生に言っておいてくれるー?やっぱり、火曜日の午後がいいって」

「へいへい」

「難しかったら、金曜の、」

 

 そうやって、クソどうでも良い事を扉の向こうから話しかけてくる母親を他所に、俺はあられを可愛がり続けた。

 もう、ケツの締まりが最高で、俺も何度か声が詰まりそうになる。

 あられ、あられ、あられ。あられのナカ、最高に気持ちが良い!

 

「じゃあ、よろしくね。ゴウキ。お母さん、ちょっとまた出るから」

「っ、わかった」

「あ。お菓子下に置いてるからねー!じゃ、お友達もゆっくりしていってねー」

 

 なんて、俺たちがナニしてるかなんて知りもしない母親の安穏としたセリフに、俺は思わず笑った。ホントは、あられに返事もさせてみたかったけど、さすがにソレは無理そうだ。それ程までに、あられの体はヒクヒクと快楽に身を震わせている。

 

「かわい、あられ」

 

 パタパタと足音が遠のいて行く。そのうち、言葉通り玄関の締まる音がして、再び完全に家の中には、俺とあられだけになった。

 あぁ、今日もあられと良い”初めて”が出来た。俺がそんな事を思いながら、あられの耳元に口を寄せる。

 

「あられ、すげぇ締まってたけど。そんなに、母さんが居るのに感じた?」

「……」

 

 面白がるように、話しかける。しかし、あられからの返事はない。

 

「あられ?どうした?」

 

 そうやって、俺があられの顔を覗き込むと、その瞬間、息が止まるかと思った。

 

「……っ、う、っぅ」

 

 あられが泣いていた。しかも、泣いているだけじゃない、あられの唇には血が滲んでいる。

 

「っは、ちょっ!あられ、どうした!」

「……っう、ぐふぅ」

 

 あまりにもあられの泣き方が尋常じゃないモンだから、俺はあられのケツに突っ込んでいたモンを抜いて自分の方へと体を向かせた。その間も、あられは体をヒクヒクと揺らして泣いている。もう、息も絶え絶えと言った様子だ。

 

「あられ、おい。なに、泣いてんだよ……?」

 

 あられのこんな泣き方。初めて見る。最初に公園で泣いた時ですら、こんな風ではなかった。

 なんだよ、あられ。お前も、感じてたんじゃないのか。だから、あんなに体を真っ赤にして、体もヒクヒクさせて――、

 

「……もしかして、あられ。ずっと泣いてたのか?」

「っあう、うっ、ううっ、うぇぇっ!」

 

 俺が問いかければ、あられはもう我慢出来ないと言った様子で声を上げて泣き始めた。よく見れば、あられの手も歯型の痕で凄い事になっている。ちんこなんてずっと前から萎えていたに違いない。

 

「っう、っふううううっ!」

「あられ、おい。泣くな……なんで、そんな。おい」

 

 正直、こんなにセックスで泣くなんて思ってもみなかった俺は、ビビリ過ぎてどうしていいか分からなかった。いつも、何をしても、あられは気持ち良さそうだった。何やっても「ゴウキ、大好き」って笑って言ってくれていた。

 

 あられの悲痛な泣き声に、嫌な汗が流れる。

 

「っっっひっく。うっ。うぇっ」

 

 今日、俺は何を間違った?

 

「ごっ、ごわがった……」

「なにが?母さんにバレるのがか?」

 

 やっと、俺の問いに対し意味のある言葉を吐き出したあられに、肩を掴んで詰め寄った。もう、毛布の一部はあられの涙によって、これでもかという程濡れている。

 

「ご、ごき……ごうぎどっ!もう、あえ゛なぐなるっで、おもっだら……ごわがった」

「っ!」

 

——-いいのか?バレたら、もう俺とは会えなくなるぞ。

 

 そうだ。俺がそう言ったんだ。

 あられが恥ずかしがるが可愛くて、面白くて。それどころか、あられのケツが締まるのが気持ち良いなんて思っちまって。

 

 何やってんだ、俺。

 

「……あられ、ごめん」

「~~~っ」

 

 俺の謝罪が聞こえているのかいないのかは分からない。あれは体を丸めて、声にならない声で泣いていた。

 あられは、他人に自分の痴態を見られる事が恥ずかしかったワケでも、バレる事に感じていたワケでもない。

 

 あられは、ずっと怖がっていたんだ。

 

「ごうぎど、あえなぐなるの、やだぁっ。いやだぁぁっ」

「……ごめん」

 

 俺と、会えなくなる事を。

 

「ごめん、あられ。ほんとに、ごめん」

「っうっぇ、ごきはっ、おれいがいも、いっぱい、いるがら……おれとはっ、あえなぐなっでも、べつに、いいん、だ。だがら、ぁんなごど、じだんだっ」

「違うっ!そんな事ない!俺だって、あられしか居ねぇよ!」

「うぞだ!おれなんが、どうでもいいだ!もう、おれ、いやだっ」

 

 あられが怒っている。物凄く、怒っている。

 こんなあられ、“初めて”だ。

 

「い、嫌ってなんだよ?」

 

 戸惑いながらあられに問いかけると、それまで腕の中に隠していた顔を、あられはゆっくりと上げた。

 

「もう、おれ。ごうきと、えっち、しない」

 

 涙と鼻水でいっぱいのあられは、多分酷い顔をしている。でも、やっぱり俺にとっては可愛くて。

 

 は?今、あられは何て言った?

 

「あられ。今、なんて?」

「もう、ごんなのいやだ!ごうぎと、あえなぐなるの、いやだがらっ!おれ、もう、じないっ!ごうきと、えっちしない!しない!」

 

 は?いや、待って。待ってください。

 あられは俺とセックスをしているのを誰かに見られたら、もう俺とは会えなくなると思っている。だから、俺とはセックスしない。

 

 俺と、離れたくないから。

 

 理由は最高に可愛い。さすが、俺のあられだ。 だって、それって俺が好きだからだろ?でも、待って、待ってくれ!

 

「ごめん!ごめんなさい!あられ!もうこんな事しねぇから!だからっ!」

「いやだ!いやだ!いやだ!もうシない!ぜったい!シない!」

 

 あーーーーー!完全に怒ってる!こんな”初めて”いらねぇよ!

 

「すみませんでした!謝ります!誓います!もう絶対にこんなふざけた真似しません!だからっ、あられ……頼む!」

 

 もう土下座だ土下座!あられが許してくれんなら、何だってやる!恥も外聞も、沽券も、クソもありゃしねぇ!そんな食えねぇもん持ってたってしょうがねぇ!

 

「いやだ!」

「うっ、あ……いやだいやだいやだ!何でもする!何でも、俺!何でもするから!スマホ欲しいなら、今から買ってくる!だからっ」

 

 俺、何やってんだ。裸で、チンコ丸出しで。ベッドの上で土下座しながら、追いすがって。でも、それを恥ずかしいなんて思ってる余裕も何もなくて。

 

「……もう、かえる」

「っぁ゛ーーーー!」

 

 その日、俺は思い知った。

 俺のあられ、俺のあられ、俺のあられ。何を寝ぼけた事言ってんだ。バカじゃねぇの。

 

「あられ、あられ、あられあられあられあられーーーーーっ!!」

 

 俺が、あられのモンだった。

 

 その後、ともかく数日間に渡る俺の謝罪の嵐により、あられは折れてくれた。もう、あんなアホみたいな勘違いは絶対しねぇ。

 

 

おわり

 


【後書き】

読了お疲れ様でした。

 

ゴウキ、性欲に目がくらみすぎて、あられすら見えなくなっておりました。あられは言葉通り、ゴウキと離れ離れになりたくないので「セックスをしない」と言っただけで、怒っていてもゴウキの事は大好きです。

 

普段、従順な子がキレるのを書くのは……楽しいですね。