——あられ!父ちゃん今月頑張ったから、ほら!お小遣いだ!もう高校生だからな!ちょっと奮発した!
あられ「あわ、あわわわっ。父ちゃんから、三千円も貰ってしまった。こんな大金初めてだ…」ソワ
ゴウキ(あられ、もう来てるのか)そろ
あられ「どうしよう…財布もないし。落としたら…」
ゴウキ「あられ?」
あられ「ゴウキ!」
ゴウキ「何だ、その金?(あられが金持ってるなんて珍しいな)」
あられ「えっと、父ちゃんがくれた」
ゴウキ「は?あられの父ちゃん?」
あられ「うん、今月は頑張って稼いだし、もう高校生だから奮発して3000円もくれた」
ゴウキ「へぇ、良かったじゃん」
ゴウキ「なんか欲しいモン買えば?ま、スマホは無理だろうけど」
あられ「…わからない」
ゴウキ「あ?」
あられ「欲しいモノ、分からない。3000円なんて大金持ったことないから持っとくのも怖い」
ゴウキ(…大金)
あられ「財布もないし、失くしたりしたらどうしよう」
ゴウキ(マジでビビッてんな)
あられ「…ゴウキ、あの」おず
ゴウキ「ん?どうした?」
あられ「これ、あげる」
ゴウキ「はっ!?何でそうなるんだよ!」
あられ「だって、持っとくのも怖いし、欲しいモノ思いつかないし、」
ゴウキ「いやいやいや!それにしたって俺にヤんのは違ぇだろ!」
あられ「ゴウキが欲しいモノ買って嬉しかったら、俺も嬉しいから」
ゴウキ「っ!(あ゛ーーっ!畜生!可愛い!コレ、当たり前みたいな顔で言ってくるからなーー!あられのヤツ!)」
あられ「はい」
ゴウキ「あ、おう(思わず受け取っちまった)」
あられ「ふぅ、ほっとした」
ゴウキ「…3000円か」
あられ「ゴウキの欲しいのに使って」にこ!
ゴウキ「俺の、欲しいモンか(ここは俺が預ってて貯めといてやるのが一番良いんだろうケド)」チラ
あられ「俺!ゴウキにちょっとでもお返し出来て良かった!」パァ
ゴウキ(っ可愛い!これは二人で楽しめるモンに使うか!じゃあ、)
あられ「ふふ」にこにこ
ゴウキ「…二人で、楽しめる」
<回想>
ゴウキ『あー、このローターすげ。あられに使いてぇな。3000円かぁ、どうすっかなー』
ゴウキ「あ゛ーーーっ!!」
あられ「っ!?」ビクッ
ゴウキ(俺は…俺はクズだ!どうしようもねぇっ!あられから貰った金でナニ買おうとしてんだ!)
あられ「ゴウキ?」
ゴウキ「…はぁ、はぁ。これは、俺が取っといてやる。欲しいモン見つかった言えよ」
あられ「…」ぱちぱち
ゴウキ(あー、思い留まれて良かった。とんだクソ人間に成り下がるトコだったぜ)
あられ「ゴウキ、欲しいのあるんだよね?俺、分かるよ」
ゴウキ「…いや、今は特に…ねぇよ」
あられ「嘘だ」
あられ「俺、ゴウキの事なら分かるよ。ゴウキは欲しいのがあるんだ」
ゴウキ「…ぐっ」
あられ「使ってよ、ゴウキ」
ゴウキ「いや。でも(あられの父ちゃんがくれた金で、ローターを買うのは)」
あられ「俺に、ゴウキの喜ぶところが見せてよ!何に使ったなんて言わなくていいから」
ゴウキ「フーー」
あられ「ゴウキ?」
ゴウキ「…わかった。あられがそこまで言うなら。コレ…有難く使わして貰うな?(そして、俺はクズになる!)」
あられ「うん!」
ゴウキ「…なぁ、あられ。マジで俺、稼げるようになるからさ、」
あられ「うん」
ゴウキ「それまでに、欲しいモン言えるようになっとけよな」
あられ「うん!わかった!大人になるまでに欲しいモノ、考えとく!」
ゴウキ「おう(…ひとまず、最高にヨガらせてやるか)」
あられ宅のなけなしのお金で買うローター。(ひどいはなしだ)
ゴウキは最近ヤる事ばっかり考えて、授業も全然聞いてないけれど、不思議な事に成績はトップクラスです。