番外編9:あられのおかね(ゴウキ×あられ)

 

 

——あられ!父ちゃん今月頑張ったから、ほら!お小遣いだ!もう高校生だからな!ちょっと奮発した!

 

あられ「あわ、あわわわっ。父ちゃんから、三千円も貰ってしまった。こんな大金初めてだ…」ソワ

 

ゴウキ(あられ、もう来てるのか)そろ

 

あられ「どうしよう…財布もないし。落としたら…」

 

ゴウキ「あられ?」

あられ「ゴウキ!」

ゴウキ「何だ、その金?(あられが金持ってるなんて珍しいな)」

あられ「えっと、父ちゃんがくれた」

ゴウキ「は?あられの父ちゃん?」

あられ「うん、今月は頑張って稼いだし、もう高校生だから奮発して3000円もくれた」

ゴウキ「へぇ、良かったじゃん」

 

ゴウキ「なんか欲しいモン買えば?ま、スマホは無理だろうけど」

あられ「…わからない」

ゴウキ「あ?」

あられ「欲しいモノ、分からない。3000円なんて大金持ったことないから持っとくのも怖い」

ゴウキ(…大金)

あられ「財布もないし、失くしたりしたらどうしよう」

ゴウキ(マジでビビッてんな)

 

あられ「…ゴウキ、あの」おず

ゴウキ「ん?どうした?」

あられ「これ、あげる」

ゴウキ「はっ!?何でそうなるんだよ!」

あられ「だって、持っとくのも怖いし、欲しいモノ思いつかないし、」

ゴウキ「いやいやいや!それにしたって俺にヤんのは違ぇだろ!」

 

あられ「ゴウキが欲しいモノ買って嬉しかったら、俺も嬉しいから」

ゴウキ「っ!(あ゛ーーっ!畜生!可愛い!コレ、当たり前みたいな顔で言ってくるからなーー!あられのヤツ!)」

あられ「はい」

ゴウキ「あ、おう(思わず受け取っちまった)」

あられ「ふぅ、ほっとした」

ゴウキ「…3000円か」

 

あられ「ゴウキの欲しいのに使って」にこ!

ゴウキ「俺の、欲しいモンか(ここは俺が預ってて貯めといてやるのが一番良いんだろうケド)」チラ

あられ「俺!ゴウキにちょっとでもお返し出来て良かった!」パァ

ゴウキ(っ可愛い!これは二人で楽しめるモンに使うか!じゃあ、)

あられ「ふふ」にこにこ

 

ゴウキ「…二人で、楽しめる」

 

<回想>

ゴウキ『あー、このローターすげ。あられに使いてぇな。3000円かぁ、どうすっかなー』

 

ゴウキ「あ゛ーーーっ!!」

あられ「っ!?」ビクッ

ゴウキ(俺は…俺はクズだ!どうしようもねぇっ!あられから貰った金でナニ買おうとしてんだ!)

あられ「ゴウキ?」

 

ゴウキ「…はぁ、はぁ。これは、俺が取っといてやる。欲しいモン見つかった言えよ」

あられ「…」ぱちぱち

ゴウキ(あー、思い留まれて良かった。とんだクソ人間に成り下がるトコだったぜ)

あられ「ゴウキ、欲しいのあるんだよね?俺、分かるよ」

ゴウキ「…いや、今は特に…ねぇよ」

あられ「嘘だ」

 

あられ「俺、ゴウキの事なら分かるよ。ゴウキは欲しいのがあるんだ」

ゴウキ「…ぐっ」

あられ「使ってよ、ゴウキ」

ゴウキ「いや。でも(あられの父ちゃんがくれた金で、ローターを買うのは)」

あられ「俺に、ゴウキの喜ぶところが見せてよ!何に使ったなんて言わなくていいから」

ゴウキ「フーー」

 

あられ「ゴウキ?」

ゴウキ「…わかった。あられがそこまで言うなら。コレ…有難く使わして貰うな?(そして、俺はクズになる!)」

あられ「うん!」

ゴウキ「…なぁ、あられ。マジで俺、稼げるようになるからさ、」

あられ「うん」

ゴウキ「それまでに、欲しいモン言えるようになっとけよな」

 

あられ「うん!わかった!大人になるまでに欲しいモノ、考えとく!」

ゴウキ「おう(…ひとまず、最高にヨガらせてやるか)」

 

 

あられ宅のなけなしのお金で買うローター。(ひどいはなしだ)

ゴウキは最近ヤる事ばっかり考えて、授業も全然聞いてないけれど、不思議な事に成績はトップクラスです。