207.5:サトシの性教育講座~テキストに頼るな~

 第4章 207.5:サトシの性教育講座~テキストに頼るな~

 R18部分です。(18歳未満の方は下記リンクより207へ飛んでください)

 

 イーサとサトシがしっかりセックスをしています。ただエロ度はさほど高くはありません。

 童貞(早漏)×童貞(遅漏)な二人のハジメテ劇場です。セックスというより、遊んでる感覚なのかな?

 

 此方の話を読まなくても、本編には一切影響はないのでご安心ください。

 本編→207:一度のノックは、

 

 

 


 

 

 

 本当は挿れる側が良かったんだけどな。

 幾度目になるか分からない思考が脳裏をかすめた。しかし、ナカを擦られる度に感じる熱い快楽に、その思考は消し飛ぶのだ。

 

 クチュ、クチュ……。

 

「っはぁ、っはぁぅ」

 

 荒い呼吸音の合間に、普段なら絶対に出ないようないやらしい音が、俺のナカから響いている。濡れたイーサのモノと、俺の濡れた場所が擦れ合う音。

 そう、多分コレはセックスの音だ。多分っていうのは、俺もイーサも全部“初めて”だから。イマイチ確信が持てないだけ。

 

「っひ、ぃいっ」

「んんんっ」

 

 当てはめる経験がないから、そのままの状態を言うと。そうだな。

 俺とイーサは裸で互いの体を抱き締め合っていた。

 

「っぁぅ」

「っふ」

 

 いつの間にか、俺もイーサも身に付いていたモノは綺麗さっぱりどこかへ飛んで行ってしまっていた。ただ、真っ白いシーツのスルリとした肌触りが、時折俺の肌を撫でる。あぁ、キモチイイ。

 

「っはぁ、いーさぁ」

「さとし、さとし、さとしぃ」

 

 火傷しそうな程熱を帯びた剛直にゆっくりと体を貫かれる。ただ、その動きは酷くゆっくりだ。イーサはうわ言のように俺の名前を呼びながら最終的に唇を噛み締めている。あぁ、このままじゃ血が出るんじゃないのか。

 

「っはぁ。っふ」

「んっ、んんん」

 

 俺はイーサの顔を両手で挟むと、無理やり口付けをした。

 ついでに、柄にもなく俺を労わって緩い腰の動きに留めているイーサに、下から腰を振ってやる事にした。可愛い事するなぁ、イーサ。我慢なんてしなくていいのに。

 

 そう、ナカでビクビクと震える熱い塊に向かって腰を振ってみる。あぁ、最高にキモチイイ。

 

「っぁん!」

「っさとし!」

「きもちぃから、いーさ。がまん、すんなよっ」

「あっ、あっ。っうぁ!」

 

 イーサが低く掠れた声で喘ぐ。

 ヤバイ、俺。頭がイカれたかも。こんな男の低い喘ぎ声すら可愛いと感じてしまう。あぁ、気持ちい。もっと、イーサを気持ちよくしてやらないと。可愛がってやらないと。それが“惚れさせた”俺の役目なのだから。

 

「っひぁっ、んっ、っふ。いーさぁ、きもちぃか?どこ、がイイ?おしえろよっ」

「さと、さとしっ!っは、う。ま、まて!まって!っぁう!」

 

 台詞だけ聞くと、まるで俺がイーサのナカを攻めているみたいだ。しかし、違う。俺のナカにイーサが居るのだ。

 

「もっと、シめたほうが、いいか?それとも、もっとはげしく、うごく?」

「っふぅうっ」

 

 どうやら、俺は既にイーサの飴玉のせいで体が作られていたらしく、初めてにも関わらず然程慣らさずとも、スルリとイーサを受け入れる事が出来た。

 

 ぐちゅぐちゅと動く度にいやらしい音が聞こえてくる。

 男なのに、こんな風にナカが濡れているのも……多分イーサのせい。いや、むしろそうであって欲しい。そうじゃなければ、先程からグチュグチュと腰を振る度に溢れ出す体液は一体何だ。正体不明だ。怖いから。もう、イーサのせいで濡れたって事にする。それでいい。

 

「サトシッ!ちょっ、まって。うごくな!いま、うごいたらっっぁ」

「っなんで、きもちぃのに。どうしてだよ、やだ。する、もっとっ、もっとシたい!」

 

 欲望に従い腰を激しく振る。完全に快楽を覚えた童貞のソレだ。いや、まぁ確かにそうなんだけど。

 そうやって、自分のイイ所にイーサの固いモノを擦り付けるのだ。あぁ、気持ち良い。キモチイイ。キモチイイ!

 

「っぁん!ひもちぃっ」

「さ、としっ!」

 

 そうやって、バカみたいに腰を振りつつ耳を塞ぎたくなるような喘ぎ声を上げた時だ。

 

「っく、ふっぅぅぅっ!」

「っへ!?」

 

 その瞬間、俺の中を熱いモノが弾けた。

 

「っはぅぅ」

「……あ、れ。イったのか?イーサ」

「……だって、さとしが」

 

 欲望に塗れた瞳が、潤みながら俺を見下ろしてくる。少し不満そうだ。

 あぁ、そうか。どうやら、イーサは俺を気遣って緩い動きをしていたワケではなかったらしい。イきそうなのを我慢する為に、あの緩い腰つきだったのか。

 

 なんだ、キュンとして損した。

 

「さとし、もっとゆっくりがいい」

「なんで?」

「じゃないと、いーさ。すぐでる」

 

 下唇を上に向けて、拗ねるように言うイーサの姿のなんて場にそぐわない事だろう。顔だけ見れば幼い五歳児みたいな顔なのに、その体は互いの汗と、俺の先走りでしっとりと濡れそぼっている。引きこもりだった癖にえらく筋肉の付いた体つきなのも、またエロイ。

 

「いいよ。何回もだせばいい」

「……いいのか?」

「いいよ。だって、お前、もう勃ってる」

「でも、本では雄は何度もイくのは恥ずかしいことだと書いてあった。すぐに射精すると、相手はガッカリする、とも」

「……そんなモン忘れろ」

 

 イーサの頬を撫でながら、俺は自分でもハッキリ分かる程に眉を顰めていた。くそ、童貞のイーサにクソみたいな教本を見せやがって。マティックのクソ!クソ!

 

「イーサ!お前が今抱いてるのは誰だ!?」

「……さとし」

「そうだろ!?教本に、俺の事が書いてあるのか!?」

「書いて、ない」

「そう!イーサ、お前が見るべきなのは、頭ん中にあるクソみたいな教本じゃなくて……俺だろ!?」

 

 そう、イーサは今まで俺のナカに入った状態で、そんな教本に書いてある事を思い出していたのだ。そんなの腹が立つじゃないか!

 

「イーサ。俺だけを見ろ、俺だけを感じろ、俺だけの声を聴け」

「……さ、とし」

「俺は、もっとお前と気持ち良くなりたいんだよ!」

 

 イーサに抱き着きながら言うと、それまで戸惑いがちだったイーサの声がハッキリと欲情に濡れた。

 

「サトシ、いいんだな?イーサはサトシだけを見て、好きにして、いいんだな?」

「いい、いい。もっと気持ち良い事がした……っぁぁん!」

 

 俺が言い終わるか終わらないかのうちに、イーサはそれまで正常位で抱きしめ合っていた俺の体を、抱え自分の膝の上に乗せた。そして、そのまま体をピタリとくっつけギュウッと抱き締めてくる。

 

 あ、これって。

 よくイーサがあもを抱き締めてる体勢だ。これ、苦しくて気持ちい。あぁ、いつもあもはこんな気持ちでイーサに抱きしめられていたのか。

 

 ずるいな、あも。

 

「っん、っはっぁう!いーさぁっ、きもちぃ。ソコ、もっと。こすって」

「うんっ、うん。わかっ……っはぁ、っは、っぁふ!っく!」

 

 また、イーサがイった。本当に早い。ただ、凄いのは何度イっても全然萎えない事だ。それに対し、俺のはずっと勃ってて先走りは大量に流れているのに、全然イかない。イーサの固い腹筋に擦られて、ちょっとイきそうではある。

 

「っはぁ、っはぁ。いーさ。まだ、シたい」

「いーさも、もっと」

 

 盛りのついた獣みたいになった俺達は、互いに見つめ合い、抱き合い、ともかく腰を振り続けた。そして、一つ発見。どうやら俺は相当な遅漏だったようで、明け方までセックスしまくったのに、イったのはたった二回だった。

 

「いーさぁ、おまえ。すごいな」

「さとしも、すごかった」

 

 ベッドで横になりながら、色気もクソもない感想を述べ合う。まぁ、仕方ない。なにせ、俺とイーサにとって「セックス」も、二人で出来る楽しい遊びの一つに過ぎなかったのだから。

 

「いーさ」

「ん?」

「もう一回できる?」

「できる!」

 

 

 そうやって俺にイーサが抱き着いてきた時、高かった太陽は既に大分と傾いて真っ赤に染まっていた。

 

 

 


 

続きは、第4章:208:リーガラントの首都となります。