番外編4:俺の兄さんはクソ兄貴!(ケイン&ショート)

 

 

ケイン14歳/ショート(弟)12歳

訓練直後

 

ショート「あー、腹減ったー」

ケイン「おい、ショート。ちょっとこっちに来い」

ショート「んぁ?なに、兄貴」

ケイン「いいから、来い」

 

ケインは弟のショートを連れて木陰まで隠れたよ!

 

ショート「なー。オレ、もう腹減って……」

ケイン「ショート、俺を殴れ」

ショート「は」

 

ケイン「俺を思いっきり殴ってくれ」

ショート「こわっ!」後ずさり!

ケイン「おい、何逃げてんだ!」

 

 

ショート「いや、だって普通にこえーもん!なになに?長男の重圧に耐えきれなくなっておかしくなった?……良かったー。俺、次男で」

ケイン「ワケわかんない事言ってんじゃねぇよ。時間がない。何でもいいから、さっさと俺の頬を思いっきり殴れ。口の中が切れるくらいにな!」

 

 

ショート「はぁ?時間が無いって……この後はもう晩飯食って寝るだけだろ?」

ケイン「俺はラティ殿下に呼ばれてんだよ!」

ショート「そのどこに殴られる必要があるのかワケ分かんねぇし!」

 

 

ケイン「つべこべ言わずに、いいから、殴れ!じゃなけりゃ、俺がテメェを殴るが……いいか?」

ショート「はぁ!?ムリムリムリ!どういう理屈だよ!(こないだ兄貴に殴られて奥歯折れたし!)」

ケイン「じゃあ、ほら。やれよ」

 

 

ケインはショートの前で憮然と腕を組んでみせたよ!

 

 

ショート「……分かったよ。本当にケガしても、恨みっこなしだからな(でも、こんな事がない限り兄貴を殴れる事なんて滅多にないし……この際だからガッチガチに殴ってやろ)」

ケイン「ああ。気にせずやれ」

 

 

ショートは普段の兄への積年の不満を込めて拳を振り被ったよ!

 

 

ケイン「っく」

ショート「いってえぇぇ!」

ケイン「なんで殴ったお前の方が痛がってんだよ……にしても弱ぇな。口の中まで全然切れてねぇじゃねぇか。この雑魚が」

 

 

ショート「はぁ!?兄貴お顎と歯が強すぎるんだよ!ほら、見ろよ!拳から血が出てるっ!」

ケイン「……知るかよ、おら。もう一発やれ」

ショート「もう嫌だ!皮が抉れてんじゃん!無理!」

ケイン「右手がダメなら左手で殴れんだろうが!」

 

 

ショート「じゃあ、顔面蹴らせてよ!」

ケイン「ンな事してみろ。お前の足、へし折るからな」

ショート「はぁ!?横暴過ぎだろ!俺、もう行くから!」

 

 

ケイン「っは、そんなんだから。二歳も年下のフルスタ様に勉強を習う羽目になるんだよ。カス!」

ショート「はぁ!?クッソ、黙って聞いてりゃ好き勝手言いやがって!長男だからって偉そうにすんな!」

 

ケイン「あ?お前が雑魚だから、全部の期待が俺にかかって来てんだからな!?せめて俺の事ケガさせられるくらいには強くなれや!」

ショート「このクソ兄貴が!」

ケイン「この雑魚が!」

 

 

こうして、兄弟喧嘩が幕を開けたよ!

途中、気付いた仲間が止めに来た頃には、ショートはボロボロだったよ!

 

仲間「お前ら、何で喧嘩になったんだよ!?」

ショート「っひく、っひく。あにきが、あにきがぁっ」号泣

ケイン「うん、コレでいい。切れてる」にや

 

仲間「何なんだよ、お前ら……」

 

 

その後--

 

 

ラティ「っ!ケイン、どうしたの!?その怪我」ひえっ!

ケイン「……大した事ない。訓練で怪我しただけだ」

ラティ「そんな事ない!こっちに来て!」

ケイン「ふふっ」

ラティ「笑ってないで、早く!」

 

 

弟のショート、とんだ大迷惑!

ただ、ゴリゴリに強い兄ケインに対し、毎日殴り合いの兄弟喧嘩をしていた結果、ちゃんとショートは国で二番目に強い騎士になりました。

 

 

数年後

ケイン「おい、ショート。今日も一発頼む。風呂に入った時にだけ見えるように脇腹を頼む」

ショート「はいはい(キモ)」