親愛なる友へ 今日も僕は鞭に打たれています。

親愛なる友へ 今日も僕は鞭に打たれています。

(13)次男と長男

◇◆◇「なぁ、フルスタ」「なんだい、ショート?」 これは、ケインがラティと「二人きりになりたい」と口にした直後のことだ。フルスタとショートは、日が暮れた宮中の離れを並んで歩いていた。 普段、この二人が肩を並べて歩くことなど滅多にない事だ。「...
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(12)

◇◆◇「んっ、なんで……ケイン、っふ、っぅ」 ラティの艶を帯びた喘ぎ声が、静かな部屋に絶え間なく聞こえる。 その声を聴く度に、体の芯が疼くのを感じながら、俺はただひたすら、ラティの裸体に残った傷に舌を這わせ続けた。「ケインっ……なんで、ぼく...
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(11)

「あのね、宮中でケインへの不満を、色々な人にそれとなく触れ回って欲しいんだ」「ふーん。兄貴への不満を、ね。例えばどんな?」「ど、どんな?あ、えっと。その……出来れば、火杯で殴られたとか、そういう直接的な話じゃなくてね?もっとこう、えっと」 ...
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(10)

「ん。やっぱりフルスタは本当に賢いね。あんな些細な数字の違和感だけで、よくおかしいって気付いたよ」「あ、いえ。その……」「さすが、大国スピルの王族だ」 それだけ言うと、ラティは心底誇らしげな様子でフルスタ様の頭を撫でた。「……たまたま。少し...
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(9)

◇◆◇ その後、ラティを取り巻く環境は、少しずつ変化していった。「ケイン、来てくれてありがとう。今日もどうぞよろしくお願いします」「はいはい。で、地図は?」「こっ、こっちに広げてあるよ!」 公には姿を現さないものの、スピルの王族の一人として...