親愛なる友へ 今日も僕は鞭に打たれています。

親愛なる友へ 今日も僕は鞭に打たれています。

(9)

◇◆◇ その後、ラティを取り巻く環境は、少しずつ変化していった。「ケイン、来てくれてありがとう。今日もどうぞよろしくお願いします」「はいはい。で、地図は?」「こっ、こっちに広げてあるよ!」 公には姿を現さないものの、スピルの王族の一人として...
親愛なる友へ 今日も僕は鞭に打たれています。

(8)

◇◆◇ 俺とラティは、そのまま庭園の中を歩いていた。「このバラは本当にキレイだね」「……」「でも、綺麗なのは見た目だけじゃないね。匂いもとっても素敵。派手だけど、どこか落ち着いたアンバーみたいな……優しい香りだ」「……」 何も言わない俺に、...
親愛なる友へ 今日も僕は鞭に打たれています。

(7)

「フル、スタ?」「兄さんっ!」 そこには、一人だけ従者を連れたフルスタ様が、ラティに向かって嬉しそうな表情で駆け寄ってくる姿があった。 柔らかな赤髪は陽光を受けて煌めき、澄んだ赤い瞳には芯のある聡明さが宿る。十七歳の若さに似合わぬ落ち着いた...
親愛なる友へ 今日も僕は鞭に打たれています。

(6)

◇◆◇「っい、っでぇぇぇっ!!!」「……ショート、お前は俺に殺されたいのか?」  気付けば、俺の拳はラティの肩に腕を回していたショートを容赦なく殴り飛ばしていた。「え、えっ!?な、な、なに!?ショート様っ!?」  直後、痛みに悶え苦しむショ...
親愛なる友へ 今日も僕は鞭に打たれています。

(5)

------今後、貴方は今後必ず、私達王族の力を……私を必要とする時が来る。そしてその時、私には「兄」が必要なのです。 嘘偽りなどない一切無い瞳でこちらを見つめてくるフルスタ様に、俺は息を呑んだ。------泰平の政治において、必要な「剣」...