——–また明日、一人でお店に来てください。
あられ(うー、ドキドキする。一人ですばーばっくすなんて……捕まらなきゃいいけど)おずおず
あられは不儀さんの言う通り、一人でスタバに来たよ!
でも、勇気が出なくて店の前でウロウロしてる!
あられ(このレシート、誰にも見せたらダメって言われたからゴウキにも言ってないけど……やっぱり、付いてきて貰えば良かった。不儀さんが居なかったらどうしよう)うろうろ
不儀「おっ(あれは、昨日の……)」
あられ「やっぱり帰ろうかな。でも、不儀さんと約束したし……」オロオロ
不儀「いらっしゃい」ひょい
あられ「っっふ!不儀さん!」
不儀「待ってたよ。来てくれてありがとう」にこ
あられ「わ、わ!良かった、不儀さん。こんにちは……って、あれ?不儀さん、今日はエプロンはしてないんですか?」
不儀「あぁ、うん。今日はシフトの日じゃないからね」
あられ「え、あれ?そうなんですか?(じゃあ、なんで今日って)」
不儀「さて、注文しようね。昨日と同じモノでいい?」
あられ「は、はい!あの、昨日のレシートを……」
不儀「それはまだとっておいて、昨日のお友達に注文してもらうといい」
あられ「え、え?(でも、コレは誰にも見せたらダメって……)」
不儀「じゃあ、ここで待ってて」にこ
あられ「は、はい(あ、あれーーー?)」
◇◆◇
in近くの公園
あられ「あの、不儀さん。お店の中で飲まないんですか?」
不儀「フラペチーノは外で飲むのもまた格別だからね?(店でアッチの仕事の話は出来ないからな)」
あられ「確かに!外で飲んだ方がおいしいかも!」
不儀「ね?(この子、こんなに素直過ぎて大丈夫か。今時の中学生ってもっと擦れてるかと思ったが)」
あられ「おいしー!」にこ!
不儀(……待てよ。小学生、じゃないよな?)
あられ「ふふ」にこ
不儀「そういえば、君の名前は?(でも、さすがに小学生はさすがにゲイビを見たりしないだろうし、一応制服も学ランだし……というか、普通は中学生もアウトなんだが)」
あられ「俺、佐藤あられって言います」
不儀「あられちゃんか……ちなみに、何歳?」
あられ「高一!十六歳です!」
不儀「じゅっ……へぇ、若く、みえるねぇ(嘘だろ?どう上に見積もっても中一にしか見えない)」
あられ「不儀さんは何歳ですか?」
不儀「あー、えっと。それはちょっと内緒って事で」
あられ「え?内緒?なんで……?」
あられ、自分は答えたのに秘密にされてショックそう!
不儀「……あーー、三十二です(会社にも本当の年齢言ってないのに)」
あられ「不儀さんも若く見えますね!俺の父ちゃんは四十歳です!」
不儀「そっかー(お父さんと比べられてしまった……)」
あられ「あの、不儀さん。俺、不儀さんの動画たくさん見ました!一番新しい、八時間耐久ガン堀刑事も凄く好きでした!」ぱぁっ!
不儀「あー、その事なんだけどね(マジで最新のヤツ見てる。これはちょっと本気で口留めをしないと。っていうか、年齢的にアウトなのはこの子の方だし……これはイケる)」
あられ「あの!あの!俺、色々な男優さんを見てきたんですけど、不儀さんが一番好きです!」ぱあ!
不儀「……へぇ、ちなみにどの辺が(口留めは話が終わってからでもいいか)」にこり
あられ「不儀さんが、いっちばん!ハラムさんのお尻をキレイに見せてくれます!」
不儀「ほう(まさか、このタイミングで受け側(ハラム)の名前が出てくるとは思わなかった。てっきり、俺の体や動きを褒めてくるとばかり思ったが)」
あられ「あと、不儀さんと一緒にシてるハラムさんが一番楽しそうだし」
不儀「楽しそう、か。どうしてそう思うの?」
あられ「えっと、ハラムさんが他の人とシてるのを見てる時は、イく時にちょっと顔を画面から隠したりして見えないようにするから、もしかすると、カメラに見せられない顔してるのかなって思って。……俺、最初は仇事さんも好きだったけど、ハラムさんがよく顔とか隠しちゃうから、今はあんまり」つらつら
不儀(……この子、よく見てるな。しかも、ハラムの事もよく分かってる)
——–あぁ、今日の八時間耐久。お前とで良かったわ。仇事だと俺の負担になる体位ばっかシてくるから体に堪えるんだよ。
あられ「でも、不儀さんなら、ハラムさんがたくさん気持ち良さそうな顔を見せてくれるし!カメラの位置も考えて体位を変えてくれてるから、ハラムさんのお尻がキレイに見えるし!それにそれに!ハラムさんが一番ココ!って時に不儀さんがイってくれるから凄いスッキリします!だから、俺は不儀さんが一番好きです!」にこ!
不儀(この子、ほんとによく見てる。しかも、ただ見てるだけじゃない)
あられ「不儀さんは、俺のオシです!あの、なのでっ!なのでっ」
不儀「ん?(ちゃんと、俺の〝仕事〟を見てる)」
あられ「握手してください!」
不儀「握手だけでいいの?他に俺にして欲しい事はない?(ゲイビ見てるってことはこの子は、コッチ側って事でいいんだよな?)」にこ
あられ「え、じゃ。あの……」テレ
不儀「なんでも言って。あられちゃんなら大歓迎だよ(十代でも、キスくらいならセーフか?いや、手扱きもOKか?)」
不儀、倫理観ヤバイ!
あられ「あのっ!俺、ハラムさんのサインが欲しいです!」てれ
不儀「そうきたか(しかも、俺のサインですらないという)」
あられ「あ、あっ!やっぱり……ダメですか?」しょぼ
不儀「ううん、いいよ。俺から彼に頼んでおこう」
あられ「わーー!ありがとうございます!不儀さん!」
不儀(コレは俺推しと言うより、完全にハラム推しだな……でも、まぁいい)
あられ(ふふ、ゴウキへのプレゼントにしよ!)にこ
不儀「じゃあ、サインは近いうちに貰っておくから、また店においでよ。今度はそのレシートを持って」
あられ「はーい!」
不儀「お金なくても来ていいからね。俺がおごってあげるから」
あられ「え?」きょと
不儀「じゃあね、あられちゃん。また……次の動画で」にこり
あられ「っっ!はーい!」
不儀さんは颯爽と去って行ったよ!
不儀「あられちゃんかぁ。あの子、良い子だな。なにせ――」
不儀「タチの仕事はネコを最高に〝良く〟に見せる事だって、よく分かってる」にこ
セクシー男優の仕事は専門性の塊!!
あられ、不儀さんに気に入られる!!
あられ「ゴウキ!来月の誕生日プレゼント楽しみにしててね!」にこ
ゴウキ「ん、わかった(もしかして、なんかエロい事してくれんのかな。あーーー、クッソ楽しみだわ!)」にこ
まさか、ハラムさんのサインが来るとは欠片も思ってないゴウキ!
十代の脳内はエッチな事で頭がいっぱい!