11時間差レター

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第23話:平凡と確信2

それは、俺の手紙です!そう叫んだ瞬間、電話口で少しだけ息を呑むような声がしたのを、俺は確かに聞いた。あなたは……“あなた”ですか?俺は手紙に向かって必死に手を延ばしながら、そう思わず漏らしそうになった。しかし、その言葉は口に出る前に、瀬高先...
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第22話:平凡と確信

「洋君、つかまえたー」そう、俺の耳元……多分ケータイにも聞こえるように言った先輩の顔は、背筋がゾクリとする程楽しそうな表情を浮かべていた。俺の右腕を……ガッシリと掴んで。俺は手紙を奪還すべく、先輩へ突っ込んで行き、そしてアッサリと捕まってし...
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第21話:不良と連携プレイ

「あいつの持ってる俺の手紙を……取り返してくれ!」俺は必死に電話口でそう叫んだ。相手が一体どこのどいつなのか、あの腐れ幼なじみと一体どんな関係なのか。俺にはサッパリわからなかったが、相手の声があまりにも必死だったので、俺は思わず叫んでしまっ...
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第20話:平凡と連携プレイ

やって来ましたよ、久しぶりのバイト先。俺は先輩に無理やり引きずられながら訪れた懐かしい建物に、ひたすら冷や汗を流しまくった。現在、夜の9時15分。もうすぐ今日の最後の授業のコマが終わる時間だ。俺はガラス越しに見える、懐かしい講師の面々や、生...
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第19話:不良と驚愕

ない。ない、ない、ない、ない。ないないないないないないないない。ない!俺は一人狭い自分の部屋の中でゴミ箱をひっくり返しながら、自分の体から血の気が引いていくのを感じた。ない、ないのだ。昨日俺が“アイツ”に書いた手紙が。確かに書いた俺の手紙が...