11時間差レター 第5話:平凡と雷おこし 「皆さん、今日も1日お疲れ様でした」 「お疲れ様でしたー」 俺は、いつものようにつつがなくミーティングを終えると、掃除の号令がかからない事に、わかってはいるものの驚喜乱舞した。 これは決して大げさなんかではなく、事実俺は少しだけ浮足立っ... 2021.02.23 11時間差レター
11時間差レター 第4話:不良と清掃 「っあー!ダリィ。マジ朝死ぬ」 俺は春先のまだ肌寒い朝の空気の中、小さな個人塾の前に立っていた。 驚く事に、吐いた息が空気中でうっすらと白く色づきやがった。おい、今何月だと思ってんだよ、勘弁しろ。 現在、午前6時55分。 奇跡だ。 ... 2021.02.23 11時間差レター
11時間差レター 第3話:平凡と感謝 「今日も1日ご苦労様でした」 そう言って塾長が頭を下げるのを、俺はどこかハッキリとしない頭を抱えてぼんやりと見ていた。頭がフラフラする。目もシパシパだ。 俺は塾長に向かって頭を下げるバイト仲間達に遅れながらも、ふらつく頭を勢いよく下げた... 2021.02.23 11時間差レター
11時間差レター 第2話:不良と幼馴染 深夜11時。 ある市街から少し離れた商店街、東側路地入って右側。 そこに一つの小さな一軒家がある。 世帯構成人数4名。内訳、クソ親父、クソババァ、クソギャル妹、そして俺。 実は一人既に家を出て別世帯を構成するクソ兄貴も居るのだが、ソ... 2021.02.23 11時間差レター
11時間差レター 第1話:平凡と掃除 夜9時。 ある市街の駅前、交差点、南側路地入って右側。 そこに一つの小さな個人塾がある。 生徒数36名。教師数8名。 集団塾ではなく、2~3名の生徒を一人の教師が見るという半個別指導スタイル。 各机は仕切りで区切られている... 2021.02.23 11時間差レター