おおかみ君といぬ君

おおかみ君といぬ君

3:おおかみ君といぬ君

〇 ドサッ!!「うわっ!!!」 ナビは突然背後で聞こえてきたドサリという音に、ヒャッとその場を飛びあがった。普段は垂れている尾も一瞬だけピンと浮き上がる。 振り返ればそこにはナビよりも一回り、いや二回りも大きな体のモノが倒れ込んでいた。その...
おおかみ君といぬ君

2:おおかみ君

〇 ゲーションは、右首に負った傷がジクジクと痛むのを耐えながらゆっくりゆっくりと歩いていた。「ちくしょう!絶対に勝てると思ったのに!」 傷が痛むのでゆっくりと歩いていたが、ゲーションは本当ならば今にも走り出したい気分だった。なにせ、とてつも...
おおかみ君といぬ君

1:いぬ君

ナビは今日も広い広い草原を駆け抜けていた。 無為に駆け抜けていた訳ではない。彼はたくさんの羊たちを追いかけていたのだ。「おーい、みんなー!かえろー!」「おやおや、ナビは今日も元気ねぇ」「おばさん!今日も草はおなかいっぱい食べれた?」「ええ。...