第1章:酔いの余韻に酔いしれて

第1章:酔いの余韻に酔いしれて

幕間:世界の全て

--------- ------ ---- 足音が聞こえる。 軽快で、元気な足音。 それが聞こえてくると、僕の心はフワッと軽くなる。けれど、そのフワッとした気分は次の瞬間、だいたい小さく萎む 事はなかった。 聞こえてきた足音は2つあり、遠く...
第1章:酔いの余韻に酔いしれて

52:酔いの余韻に酔いしれて

「イン……だと?」 「そうだ!さっき話しただろ!?もしかしたらインかもしれない奴と会ったって!アイツだよ!オブ!」  オブ。 今トウはウィズの事を見て確かに言った。オブ、オブというのはアレか?フロム同様、インと仲が良かったと言う、あの、あの...
第1章:酔いの余韻に酔いしれて

51:おかえり

〇  無事にトウに会う任務を終えた俺は、急いでウィズの酒場まで走っていた。 否、俺には可愛い可愛いファーが一緒に居る為、走るなんて乱暴な動作は出来ない。気持ちは急ぎつつ、その足はゆっくりと店を目指す。 「急げ、急げ、ゆっくり急げ」  外はも...
第1章:酔いの余韻に酔いしれて

50:無

「俺は、マナの体内保有値が無だ」 「……っ」  俺の言葉にトウがまたしても息を呑むのが分かった。そう、前世の記憶の有無という曖昧で不確かな事実を、どうやって確認し火あぶりなどという非人道的な行いを歴史上で行う事ができたのか。 「俺には一切の...
第1章:酔いの余韻に酔いしれて

49:期待と裏切り

〇 「へぇ!じゃあ、お前が酒場で口から出まかせで話した前世の話と、トウの前世の話っつーのがほぼ同じだったって事か?おもしれー!」 「名前も、地名も、思い出話も!全部同じなんだ!こんな事偶然で起こらないだろ!?」  一通り状況をアボードに説明...