第1章:俺の声は何!?

第1章:俺の声は何!?

幕間8:クリアデータ7 02:45

----------【イーサ】このクリプラントで王族がネックレスを贈る意味、それは――----------「……え、えぇえぇっ?」上白垣 栞はイーサの台詞の後に出てきた、「第一章 了」の文字に、大いに目を瞬かせた。真っ白な画面の真ん中に、「...
第1章:俺の声は何!?

62:???は見た!

◆◇◆◇ その夜、一人の名君が、この世を去った。「……どうしてだ」 一人の年老いた男が、とある部屋の一室で俯いていた。最早、俯くというよりは憔悴しきっていた。「ヴィタリック……どうして、私を置いて逝った」 ベッドの上で、静かに横たわる相手。...
第1章:俺の声は何!?

61:先輩は見た!

◇◆◇◆ その日、美しい銀髪を携えた兵士の男は、普段はあまり訪れる事のない王宮の離れを歩いていた。 何故か。 それは、つい先程の事である。目当ての人間の部屋を訪れたら、その部屋がもぬけの殻だった為だ。「アイツ、今日の部屋守は昼からだった筈だ...
第1章:俺の声は何!?

60:メイドは見た!

◇◆◇◆ その日、そのメイドはいつものように食事を第一王子であるイーサの元へと運んでいた。その顔は、終始無表情だ。 個性を出さない事。それが、彼女の使命である。 ただ、いくら表情を表に出しておらずとも、頭の中で何も考えていない訳ではない。彼...
第1章:俺の声は何!?

59:仲本 聡志の遺書

イーサへ 遺書を書くように言われて、最初に思い浮かんだのがイーサ、お前だ。というか、お前以外誰も思い浮かばなかった。 だって、この世界で、こんなに俺と話してくれたのは(実際には喋ってはいないけど、まぁそう言う事じゃない。分かるよな?)イーサ...