俺の声を聴け!

第1章:俺の声は何!?

7:おはなしのじかん!

≪これは、ぼくが、まっくらなくやらみの中から、この世界にひっぱりあげられた時のおはなしだ≫  俺は、念のため扉から数歩下がっておくことにした。また、扉ごと吹っ飛ばされては敵わないからだ。中からは何も聞こえない。 ≪ぼくが、いつからここにいた...
第1章:俺の声は何!?

6:我慢の限界

〇  あの日、俺がイーサ王子の部屋から吹っ飛ばされて気を失った後。俺は起きた傍から、ガッツリと見事なお叱りを受けた。 ええ、ええ。そりゃあ凄い勢いでブチ切れられましたとも!  不敬罪だの、懲罰房だ、果ては斬首刑などという、余りにもヤバそうな...
第1章:俺の声は何!?

5:夢の中のお前

あ、これ夢だ。  そう、夢の中で分かる事が、稀にある。  この時も、俺にはコレが夢だとすぐに分かった。なにせ、俺の目の前には金弥が居たのだ。しかも、一緒に声優になろうと言い出した、八歳の頃の金弥が。 --------サートシ!なぁ!ビットの...
第1章:俺の声は何!?

4:こたえ合わせ

「お食事の皿を受け取りにまいりました」  すると、突然俺の背後から、静かな女性の声が聞こえてきた。透明感がある。けれど、抑揚のない声。 振り返ってみてみると、そこには白いメイド服のようなモノを着た、美しい女性が立っていた。その輝くような金色...
第1章:俺の声は何!?

3:仕事始め

----- -------- ------------ 「ここが今日からお前の仕事場だ」 「……はい」  一つの大きな扉の前まで案内されると、俺はただただ驚愕しながらその扉を見つめた。そんな俺の隣では、気だるそうな声で話す一人の背の高い男。...