第1章:俺の声は何!? 2:頭でっかち ---------- ------- ---- 俺は、昔からそりゃあもう理屈っぽいヤツだった。 頭でっかちと言ってもいい。 キャラの声を初めて己の中に偶像する時、ともかく俺はキャラに関する情報を、集めるだけ集めた。外堀を埋め、じわじわ... 2022.07.17 第1章:俺の声は何!?
第1章:俺の声は何!? 1:目覚め 腹の下に走っていたゾクリとした落下特有の嫌な感覚。そりゃあそうだろう。俺は実際に“落ちて”いた。 それなのに――。 「……っ!」 しかし、どうだろう。その感覚は、一瞬にしてなくなった。なくなった代わりに、次の瞬間、俺の顔には冷たい何かがぶ... 2022.07.17 第1章:俺の声は何!?
プロローグ:俺の声は何故!? 幕間1:クリアデータ7 00:00 とある夜の事だ。 一人の若い女の、悲鳴にも似た歓声が部屋中に響き渡った。 「よっしゃぁぁぁっ! 六人全員っ! 好感度マックス! 全スチルゲットの上クリアじゃぁぁっ!」 その歓声は、明らかに一人の声でしかない筈なのに、その感情の籠り方から、... 2022.07.17 プロローグ:俺の声は何故!?
プロローグ:俺の声は何故!? 4:王の言葉 『……さぁ、建国史上おそらく最も独裁的で身勝手で愚かな王が玉座に着いた』 俺はベンチから立ち上がると、そのままビールの缶を片手に、背筋を伸ばした。鼻から息を吸い込み、へその下にその空気を溜め込む。 『この最高の悲劇の瞬間に立ち会ってしまっ... 2022.07.17 プロローグ:俺の声は何故!?
プロローグ:俺の声は何故!? 3:消したい心 ---- -------- ----------- 「……あーぁ」 当てもなく走り回って到着した先は、まったくもって見慣れぬ公園だった。 申し訳程度に砂場やら、ブランコやら、何かわけの分からない動物の遊具やらがある脇のベンチで、俺は肩を落... 2022.07.17 プロローグ:俺の声は何故!?