あられのおれ 6 時刻は七時を回った。 さっきゴウキが上がっていった階段を、沢山の学生達が下りてくる。 「っ!ゴウキだ!」 やっとゴウキが出てきた。 そう、俺が駆け出そうとした時、俺の体はピタリと固まった。ゴウキの周りには、沢山の友達が居た。しかも、一... 2022.11.04 あられのおれ
あられのおれ 5 あの日から、俺はスマホがもっと欲しくなった。 「ゴウキ!俺、絶対にバイト探す!」 「はぁ?どんなバイト探す気だよ」 いつもの公園のベンチで、ゴウキが怪訝そうな表情で言った。「はぁ?」と、ゴウキの口から漏れた息が白くなって俺の方に流れてくる... 2022.11.04 あられのおれ
あられのおれ 4 その日は、午後から予報通りの雨だった。 俺は傘を持っていない。忘れたのではなく、長年父ちゃんと二人で使っていた傘がぶっ壊れたので、我が家にはもう傘は無いのだ。 十二月の雨に体温を奪われながら、俺は濡れる事なんて気にせず学校を飛び出した。... 2022.11.04 あられのおれ
あられのおれ 3 それから、俺とゴウキはあの公園のベンチに集まるようになった。 そして毎日、二人でゴウキお勧めのエッチな動画を見るのだ。イヤホンを半分こして、小さな画面を二人で覗き込みながら。 ≪っはぁん。ね。はやく、意地悪しないで、早くその大っきいの、い... 2022.11.04 あられのおれ
あられのおれ 2 『っぁん!っぁあぁんっ!』 誰も居ない寂れた公園の一角で、俺は目の前で行われる“エッチな動画”に瞬きを忘れて魅入っていた。 凄い、凄すぎる。 今までコッソリ見て来た父ちゃんのエロ本では感じられなかった生っぽい世界が、そこにはあった。 ... 2022.11.04 あられのおれ