二人の本棚には、同じ本がある。

二人の本棚には、同じ本がある。

5:可愛い人

 俺の仕事場には、とても可愛い人が居る。  俺よりもとても小さくて、けれど俺よりも三つも年上の先輩だ。ローラーという彼は、俺の就職した郵便飛脚商会で、唯一事務員をしている人間だった。  そりゃあそうだと思う。あんなに細い彼に、こ...
二人の本棚には、同じ本がある。

4:困ったこと

「めんどくせぇ!おい、ローラー!この手続き、代わりにやっておいてくれ!」 「はい!」 俺は飛脚の仕事からは降格されてしまったが、そのかわりこの商会に関わる飛脚以外の仕事は全部俺の仕事だ。 寮生活をしている皆の食事を作るのも俺だ...
二人の本棚には、同じ本がある。

3:特別扱い

「ごじゆうに、おとり、ください」  俺は商会で皆が休憩する場所に置く為の、食べ物や飲み物を机の上にドサリと置いた。これは、この商会で働く皆への恩恵特典で、毎月お頭から買ってくるように言いつけられているのだ。  まぁ、恩恵特典なん...
二人の本棚には、同じ本がある。

2:初めての後輩

「うーん、今日はちょっと量が多いか?」  郵便飛脚の朝は早い。  なにせ、各家庭に朝のプレス誌を届けるという定期業務があるからだ。そして、これは往々にして新人の仕事になる。  様々な危険物や、壊れ物、はたまた重要文書などを...
二人の本棚には、同じ本がある。

1:異国の新人

「コイツが新しく入った新人のゴーランドだ。ローラー、お前色々とウチの事を教えてやれよ」 「……」  そう言ってお頭から紹介された青年は、それはもうひたすらに大きかった。  この飛脚商会で働く男達は皆、それぞれが自慢の肉体を有す...
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