第2章:俺の声はどう? 70:推し活 ≪クリプラントの勇敢で崇高なる兵士達よ。私は、このクリプラントの王、ヴィタリック陛下の第一姫ソラナです≫ 「っ!」 凛と響く、澄んだ女性の声が、周囲の雰囲気を一変させた。 その声は、どこか優し気な揺らぎに満ちているのにも関わらず、その芯は... 2022.09.14 第2章:俺の声はどう?
第2章:俺の声はどう? 69:戻りたい場所 だって、イーサがあんまり泣くからさ。 つい、言っちゃったんだよな。 『イーサ、夢電話をしようぜ』 そう、するりと俺の口から出たその言葉に、俺は酷く懐かしい気持ちになった。まさか、大人になってまで、そんな事を言う日が来るなんて。 夢電話... 2022.09.14 第2章:俺の声はどう?
第2章:俺の声はどう? 68:夢電話 ------ --------- -------------- 夏休みに入って間もなくの事だった。 『サトシ。おばあちゃんの所になんて行かないでよ。夏休みは一緒に冒険しようって言ったじゃん』 『ごめん。キン。でも、婆ちゃんがオレに会いたい... 2022.09.11 第2章:俺の声はどう?
第2章:俺の声はどう? 67:サトシの望み 「ええ、私は間違いなくそう聞きました。あと、こうも言ってましたよ?」 「な、なになに!なんだ!サトシは何と言った!」 ぬいぐるみを抱えたまま、イーサはマティックに向かって身を乗り出した。 想定通り。もう、全てはマティックの想定に全て納ま... 2022.09.11 第2章:俺の声はどう?
第2章:俺の声はどう? 66:盾であり翼でもある 「彼自身が意思のある生き物であるという事です。彼は、今貴方の抱きしめている、物言わぬ愛玩人形とはワケが違うのですよ。隠す時に、どう彼に伝えるおつもりです?」 「……サトシに、お願いを、すれば」 畳みかけられた勢いで、イーサの勢いが一気に削... 2022.09.11 第2章:俺の声はどう?