第4.5章(外伝):金持ち父さん、貧乏父さん その3

第4.5章(外伝):金持ち父さん、貧乏父さん その3

58:金持ち父さん、貧乏父さん(58)

○ 時間は少し前に遡る。 俺は子供達を見送った後、何か言いたげだったヨルの言葉を夜に聞くのを楽しみに、一生懸命働いた。何度も、何度も川べりから砂利や小石を拾っては、荷車で運ぶ。まだまだ、夏の盛りではないのに、やはり街道の補正は一仕事だった。...
第4.5章(外伝):金持ち父さん、貧乏父さん その3

57:金持ち父さん、貧乏父さん(57)

〇 村の東側。森を抜けた先には、切り立った崖がある。 森の木々が立ち並んでいた場所から急に現れるその崖は、それまでの、多くの動植物を抱えていた森とは、まるで別世界だ。 その崖から先に広がる世界は“無”だ。 まるで“生者の世界”と“死者の世界...
第4.5章(外伝):金持ち父さん、貧乏父さん その3

56:金持ち父さん、貧乏父さん(56)

『スルー、お前、いい加減子離れしろ。いつまで子供みたいな事を言ってるんだ』『そうだぞ!ニアは俺がお嫁に貰うけど、お前は一緒には貰ってやらないからな!』 あぁ、うるさい!うるさい!誰がお前らのような野蛮な家族の仲間になど入るか! 子供達が巣立...
第4.5章(外伝):金持ち父さん、貧乏父さん その3

55:金持ち父さん、貧乏父さん(55)

今や野蛮な親子の事は置いておく。俺は体ごとインに向け、その成長途中の、まだまだ小さな肩に手を乗せた。やはりその顔には、満面の笑みが浮かべられている。もう、不安になるから、理由の分からない最高の笑顔は止めてくれ!『だって、オレ!大人になったら...
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54:金持ち父さん、貧乏父さん(54)

俺だけに向けられた「ヨル」の声が聞こえる。--------スルー、早く来い。 俺の心を高鳴らせる声が、俺の耳にスルリと入り込んで来る。あぁ、なんて素敵な声なんだ! この声を聞いた瞬間、まるで、俺の周囲が夜のような静けさに包まれたような気がし...