第4.5章(外伝):金持ち父さん、貧乏父さん その3 41:金持ち父さん、貧乏父さん(41) 『母さんは、末の弟を産んだ時に、体力も限界だったんだろうな。産んですぐに死んだ。7人も子供を産んだんだ。確かに、もう、あれ以上“役割”を果たすのは無理だったに違いない』 母さんが死ぬ時、その最期に、俺にだけ、母さんはそっと言った。 ---... 2021.12.18 第4.5章(外伝):金持ち父さん、貧乏父さん その3
第4.5章(外伝):金持ち父さん、貧乏父さん その3 40:金持ち父さん、貧乏父さん(40) 〇 今でも、俺の耳の奥で木霊する声が、ハッキリと聞こえる事がある。 ---------お前が居るから!お前のせいでっ!!お前なんか、早くくたばってしまえ! それは、幼い頃から、何度も何度も言われた言葉だった。 その声を聞くのが嫌で、俺... 2021.12.18 第4.5章(外伝):金持ち父さん、貧乏父さん その3
第4.5章(外伝):金持ち父さん、貧乏父さん その3 39:金持ち父さん、貧乏父さん(39) 『あんな奴は、俺の父親なんかじゃない』 俺は自分の声が、まるで自分のモノではないような、聞いた事もない程の低い声を放つのを聞いた。あぁ、これはまるでいつもの“スルー”ではないな。 けれど、仕方がない。俺はあの老いぼれの事が大嫌いなのだ。... 2021.12.18 第4.5章(外伝):金持ち父さん、貧乏父さん その3
第4.5章(外伝):金持ち父さん、貧乏父さん その3 38:金持ち父さん、貧乏父さん(38) 『山肌の補正が終わり、あの荒れ果てた街道が交通の拠点として機能を果たすまでだ』 『……それって、いつ?いつだ?今度の秋か?』 声が震える。あぁ、こんな事なら『山肌の補正が要らないんじゃないか?』なんて気付かなければよかった。気付かなければ... 2021.12.15 第4.5章(外伝):金持ち父さん、貧乏父さん その3
第4.5章(外伝):金持ち父さん、貧乏父さん その3 37:金持ち父さん、貧乏父さん(37) 『……スルー』 何をどうしても、無駄だった。毎晩、毎晩。いつ、ヨルが『スルー。帰る事になった』と、言いやしないかと震えるばかりだ。この村に居て、ヨルと一緒に過ごした時間なんて、俺の人生では、ほんのちょっとの時間でしかないのに、もうヨルの居... 2021.12.15 第4.5章(外伝):金持ち父さん、貧乏父さん その3