第2章:生酔い、本性違わず

第2章:生酔い、本性違わず

128:差異の生むもの

○  俺の目の前で2つの美しい星がぶつかりあっている。 「まさかとは思ったよ?まさかとはね!まさか、まさかアウトとあんな風に笑い合っている男が、まさか石頭のウィズなんて思わないじゃないか!あー!休日までキミの顔を見る事になるなんて、なんて1...
第2章:生酔い、本性違わず

127:きらり星の煌めき

----------- -------- ----  星のような煌めきが僕の目の前に2つ、現れた。 『オブ!この本を書いた人と会った事があるって本当!?』 『そうなの?!ほんとうなの!?オブ!あったことがあるの!?』  そう、どこか似た目の...
第2章:生酔い、本性違わず

126:石頭VS飲んだくれ

「あれぇ!そこに居るのはアウトじゃないかー!やぁ、やぁ!」 「ん?」  不条理な条理なんて、自分で考えておいて上手い事いうもんだと感心していると、聞き慣れたごきげん愉快な声が一気に此方に近寄ってくるのを感じた。それはまるで風が一気に草原を駆...
第2章:生酔い、本性違わず

125:不条理な条理

「ごめん、ぼんやりしてた」 「お前は会話の途中に急にぼんやりするのか?」 「い、いやぁ」  今度こそ、訝し気な表情をハッキリとその顔に覗かせながら、ウィズが軽く息を吐いた。自然と俺の肩を掴んでいた手も離れていく。 「なぁ、アウト」 「ん」 ...
第2章:生酔い、本性違わず

124:記憶の穴

〇  結論から言えば、俺の部屋の窓掛を買う事は叶わなかった。何故なら、ウィズがどの窓掛を見ても是と首を縦に振らなかったからだ。  本当ならば、今日は俺の部屋の窓掛もそうだが、ウィズの酒場の冬支度も兼ねた布類も購入する予定だった筈だ。  けれ...