第2章:生酔い、本性違わず

第2章:生酔い、本性違わず

123:窓掛を求めて

「せ、狭いな……!」  ウィズの驚愕を大いに含んだその言葉に、俺はと言えば「だろ」と肩をすくめ力なく答えるしかなかった。  今日は待ちに待ったウィズとの約束の日。約束の決まった日から指折り数えて過ごした日々を乗り越えて、ようやく辿り着いたこ...
第2章:生酔い、本性違わず

122:とある優しい祖父の話

■□■□■□  はなし?  こんなおじいさんの話が聞きたいなんて、おかしな人だ。  私も随分と長生きをしたからね。あまり昔の事は思い出せないんだ。  あぁ!だったら私の孫の話を聞いてくれないか。あぁ、私に孫は1人だけだ。だからってワケじゃな...
第2章:生酔い、本性違わず

121:お手本

「……あれって、アバブが描いたんだ」 「あれって、アバブちゃんが描いたんだ……」 「っえ?」  あの素晴らしいモノは、この目の前の人間が作り上げたのだという、驚愕、衝撃、そして、感動。俺は、あの教本を描いた人に聞きたい事が沢山あったんだ。伝...
第2章:生酔い、本性違わず

120:たすけて、ウィズ

「ちょっ!ちょっ!ちょっ!アウト先輩!頭沸いてるんですか!?皆さんの前で何を堂々と出してるんすか!?」 「なんで?ダメだった?」 「ダメっすよ!こないだも言ったじゃないっすか!これは私と二人の時に出してくださいって!もう忘れちゃったんですか...
第2章:生酔い、本性違わず

119:遅すぎた理解

----- -------- ------------- 「---------って感じで皆の紹介終わり!アバブ!覚えた!?」 「えっと……そっすねぇ」  俺はひとしきり4人の説明を、端的に、分かりやすく、そして覚えたての“ビィエル”の表現技...