第2章:生酔い、本性違わず

第2章:生酔い、本性違わず

118:あなたの気持ちをきかせて

◆◇◆◇ 王子様はぼくに言った。 『帰らないで。ずっとここに居たらいいじゃないか。ここにはなんでもあるよ。キミも楽しいって言ってたじゃないか。ずっと、ずっと一緒に遊ぼうよ』 『だめだよ。ぼくは帰らないと。朝になったらお父さんとお母さんが起こ...
第2章:生酔い、本性違わず

117:いちゃいちゃ

「なぁ、アウト。お前、もう少ししっかりしたらどうだ……」 「ウィズ、酔ったのか?今、和らぎ水をいれてやるから待ってろ」 「俺はお前が心配で仕方がない……。こんなんじゃ、俺が少しでも目を離すと、いつの間にかとんでもない事に巻き込まれていそうだ...
第2章:生酔い、本性違わず

116:異常事態

〇  結果から言えば、ウィズはあの初級教本を読む事になった。何故かといえば、ウィズの言う“異常事態”が普通に起こったからだ。 「つーか、なんでこの主人公は毎度毎度お約束みたいに他の男に尻尾振ってんだ?そして、なんで相手の……腹黒ゼメ?だっけ...
第2章:生酔い、本性違わず

115:多数決

「なぁ!バイ!そうだよ!ここに居る皆にも、教本読んでもらって、どっちの読み取り方が合ってるか、多数決で決めよう!ちょうどここには3人居るし、これだったら決着がつかないなんて事はないだろう?」 「……ふうん。多数決か。確かにそれなら文句はない...
第2章:生酔い、本性違わず

114:本職

「俺はやっと理解した。一見当たり前の事ながら、俺は結局、何も理解していなかったようだ。他人の気持ちなど、どう予想しても、それが予想でしかない事を、今初めて目の当たりにしたよ。言わなくても伝わるだろう、分かってくれるだろうと言うのは、伝える努...