第1章:俺の声は何!?

第1章:俺の声は何!?

12:食事の時間②

今日も今日とて、俺は…… 「仲本聡志は、すこぶる機嫌が良かった……!むふふ」  機嫌が良過ぎて、思わず漏れだす笑い声を堪える事が出来ない。 おかげで、俺を馬鹿にしてくるエルフ達からの視線が、いつも以上に此方に集まっている気がする。 「……あ...
第1章:俺の声は何!?

幕間3:クリアデータ7 00:45

「えぇぇぇっ!なになになにぃぃっ!イーサ可愛すぎるんですけどっ!どちゃくそイケメンなのにっ!可愛いって!何このギャップ!ゲロ吐きそう!」  上白垣 栞は開始三十分で、完全にイーサというキャラに堕ちていた。 堕ち過ぎて、その口から吐かれる言葉...
第1章:俺の声は何!?

11:初めての会話

「分かるか?こう、コンコンって」  俺は出来る限り声を落ち着けて、静かに声をかける。 【ぼくと、わたしのおとぎ話】のピンチヒッターに入った時に、番組スタッフから言われた言葉を思い出しながら。 ------最初は、眠る前の子供に話しかけるよう...
第1章:俺の声は何!?

10:海って知ってるか?

「……あれは、確かに飯塚さんの声だった」  ヴィタリック王の定期演説は、年に数回、不定期に行われるモノらしい。  この長きに渡る太平の世を作り上げた賢王ヴィタリック。  初代セブンスナイトでも、彼は人間達の最大の敵として玉座に君臨していた。...
第1章:俺の声は何!?

幕間2:クリアデータ7 00:01

------------ これは、決して賢王の話などではない。 この長い長い歴史を持つクリプラントの歴代国王の中で、最も私利私欲を尽くし、最も愚かで、けれど国民、そして家臣から最も愛された、一人の国王の話である。 ------------ ...