第2章:俺の声はどう?

第2章:俺の声はどう?

122:閉ざされた扉

---------- ------- ---- 『……』  目が覚めた。  見渡すと、そこはいつもの王宮の中庭だった。此処に来るのは久しぶりだ。見上げてみれば、そこにはキラキラと煌めく美しい星空が広がっている。  どうやら今は夜らしい。 『...
第2章:俺の声はどう?

121:王の訪問

--------- ------ --- 「ほう。ここが、ナンス鉱山か」  そう言って鬱蒼と茂る木々の中に現れた坑道の入口に、イーサは眉を顰めた。 「確かに、マナの気が濃くなっているな」 「そうですね」  イーサの少し後ろに控え立つのは、も...
第2章:俺の声はどう?

120:キモチイイコト

---------- ------- -----  俺は、ホントはずっと気付いていた。  金弥が俺の事を、どんな目で見ているのか。どんな風に思っているのか。  気付いていたのに、気付いていないフリをしていた。  ずっと、ずっと――。    ...
第2章:俺の声はどう?

幕間11:クリアデータ7 04:20

「ヤバイ、ヤバイ、ヤバイ、ヤバイ!主人公の疲労値が臨界点までもうすぐ!このままじゃ主人公まで倒れちゃうじゃん!」  栞は画面を凝視しつつ、コントローラを握りしめた。  このナンス鉱山の中で始まった、突然のデスゲーム。三十日間、犠牲者をゼロに...
第2章:俺の声はどう?

119:第十六話「遠い過去の自分を」そして、

山吹金弥の世界は、聡志が全てだった。  けれど、聡志にとってはそうではない。それを、金弥は自然と理解していた。 ------キン!あっちに行って、皆と遊ぼうぜ!  みんな?みんななど必要ないだろ?オレだけじゃダメなの?そう、幼い頃から何度思...