第2章:俺の声はどう?

第2章:俺の声はどう?

118:優しくして欲しいから、そうした

---------- ------ ---- ------俺かエーイチか。お前はその命の選択の重さに、耐えられるか? 「っ!」  目が覚めた。  俺は一瞬ここがどこだか分からないまま、固くなった体を無理やり動かした。  周囲には誰も居ない。...
第2章:俺の声はどう?

117:王様、立ち上がる

「……そうだ。サトシは、すごいんだ」 「ええ。人間ですが賞賛に値します」 「でも、そんな事、イーサはずっと前から知っていた。別に、今更驚く事ではない。イーサは、ずっとずっと前から知っていて……イーサしか、知らなかったのに」  どこかムッとし...
第2章:俺の声はどう?

116:サトシの真価

--------- ------ ---- -----どうだ、イーサ。俺は頑張ってるだろ?じゃあ、お前はどうだ?  そう言って得意気に笑うサトシの声が、イーサの耳の奥から響いてくる。そして、同時に襲ってくる背中に張り付く影のような不安。 「...
第2章:俺の声はどう?

115:いつか現れる選択肢

『すみませんね。先輩。イーサの我儘のせいで』 『いや、別に……というか。俺は何故お前に謝られてるんだ?訳が分からん』 『あと、俺が先輩の立身出世のために役に立つなら、どうぞご自由にお使いください』 『は?』 『だって俺、先輩に懐いてますし。...
第2章:俺の声はどう?

114:ネックレスを外す時

--------- ------- ---- 『先輩。隊長に伝えてください。今後、道の選択は全部俺にさせるようにって』 『は?お前、一体なにを……』  俺の言葉に驚いた表情を浮かべるテザー先輩を余所に、俺は首にかけていたイーサからのネックレ...