第2章:俺の声はどう? 113:カナリアになった男の子 「じゃ、エーイチ。そろそろ行ってくる。また後でな?」 「……うん」 小さく頷くエーイチに、俺は軽く手を振ると、黙って待ってくれていた隊長の元へと向き直った。 「すみません。隊長、準備が出来ました」 「……あぁ」 そこには、妙に申し訳なさそ... 2022.10.26 第2章:俺の声はどう?
第2章:俺の声はどう? 112:分かれ道の決断 --------サトシ!さぁ!よく来たな!おいで、イーサとあもがお前を素敵なお茶会に招待してやろう! そう言って美味しいお菓子を一緒に食べたのは、果たしていつの夢だっただろう。もう、よく思い出せない。ただ、楽しかった事だけはハッキリと覚え... 2022.10.26 第2章:俺の声はどう?
第2章:俺の声はどう? 111:イーサの不安 -------いーさ!いーさぁ!どこぉ!あけてぇ! サトシのマナの残滓が、イーサの耳を突く。 それはもう、何度も何度も。毎晩、毎晩。 「さとしっ、さとし、さとし、さとし!なんでっ!!」 イーサは腹の底から湧き上がってくる感情の渦に、大い... 2022.10.23 第2章:俺の声はどう?
第2章:俺の声はどう? 110:サトシの決断 「あの、先輩。一つ良いですか」 「……何でも言え。お前には、聞く権利がある」 未だにションボリした先輩の隣で、俺はシャツのボタンを上から二つだけ外し、服の下に隠れていたイーサのネックレスを先輩へと見せた。 「これって、やっぱり何か効果があ... 2022.10.23 第2章:俺の声はどう?
第2章:俺の声はどう? 109:テザー先輩のシュンデレ ------サトシ。がんばってね。 そう、耳の奥で、丸くてふわふわの声が笑うように言った。あもだ。いや、まぁ、俺の声なのだが。まぁ、あもだ。あもって事にしておいて欲しい。 あもは、そのフワフワの手を小さく振ると、イーサのベッドの上にパタリ... 2022.10.23 第2章:俺の声はどう?