第2章:俺の声はどう?

第2章:俺の声はどう?

99:骨肉の争い

「“鉱毒マナ”の被害はどれ程出ている?犠牲者は?」 「まだ犠牲者は出ていませんが、五十八坑道のうち、十八坑道から鉱毒マナの発生により、採掘作業の遅延が見られています」 「……前回より鉱毒マナの発生が早いな」  マティックの言葉に、イーサは組...
第2章:俺の声はどう?

98:血で血を洗う

この日も、クリプラント王家では壮絶な権力争いが行われていた。 「お兄様の分からず屋!私が王になると言ってるでしょう!?」 「ソラナ。お前の論に、今や本質はない。諦めろ、俺が次代の王だ」 「うううっ!キライキライキライキライ!お兄様は昔からそ...
第2章:俺の声はどう?

97:絶対の約束

--------- ------- ----  その日も、俺は王宮の端の、美しい中庭の小道に居た。 『イーサのとこ行かなきゃ!』  走る、走る、走る。  俺は、小さな体をコロコロと転がすように走った。今日は嬉しい事があった。だから、早くイー...
第2章:俺の声はどう?

96:大罪を犯す

エルフと人間との間の子。 「つまり、ハーフエルフを産み落とす事は、このクリプラントでは大罪だ」  ハーフエルフ。  それは、【セブンスナイトシリーズ】では、必ずパーティーメンバーの中に居た種族。彼らは、魔法を使える貴重かつ、重要な戦力だ。 ...
第2章:俺の声はどう?

95:人間の存在意義

生きるのに必要なモノって色々あると思う。  その中で“娯楽”とは、どれ程重要なモノなのだろうか。 「ねぇ、サトシ?」 「なんだよ。ネタバレならしねぇぞ」 「いや、違くて」  昼の部の“お話会”を終え、俺は現在、いつも通りエーイチと共に岩の上...