第4.5章(外伝):金持ち父さん、貧乏父さん その3

第4.5章(外伝):金持ち父さん、貧乏父さん その3

67:金持ち父さん、貧乏父さん(67)

黒い布が、俺の育った家の前に掛かっている。 あぁ、あの家にアレが掛けられるのを見るのは、一体何度目になるだろう。『また、か』 人が死ぬと、あの黒い布が家の前へと飾られる。大昔からこの地方に伝わる風習の一つだ。それは、死者への哀悼痛惜の意と、...
第4.5章(外伝):金持ち父さん、貧乏父さん その3

66:金持ち父さん、貧乏父さん(66)

『スルー』 けれど、俺が“死の歌”に手を引かれ、連れて行かれる事はなかった。何故なら、俺の名と共に、ガシリと俺の手が握り締められていたからだ。『それ以上は行くな。危ない』『……っ、そうだったな』 気付けば崖の際ギリギリの所まで来ていた。あぁ...
第4.5章(外伝):金持ち父さん、貧乏父さん その3

65:金持ち父さん、貧乏父さん(65)

〇『オブとインには二人だけの隠れ家があるそうだ。場所は秘密だと言って教えてくれない!』『ほう。秘密基地というやつか』『何かある度に二人でそこに行っては、秘密の計画を練っているらしい。ふふっ、妹のニアが二人ばかりズルイと膨れていた』 俺とヨル...
第4.5章(外伝):金持ち父さん、貧乏父さん その3

64:金持ち父さん、貧乏父さん(64)

『オブの手は、その……大丈夫か?』『まだ分からん。明日、朝一で近くの街へ行き、医者へ診せる予定だ』『……はぁ、大事ないといいが』 あの腫れ方だ。本当に取り返しのつかない事になってしまっていたら、俺は一体どうすればいいんだ。考えれば考える程に...
第4.5章(外伝):金持ち父さん、貧乏父さん その3

63:金持ち父さん、貧乏父さん(63)

その夜、俺はヨルの所に行く前に、一人で例の水浴び場へと向かった。本当なら、家に帰る前に寄ろうと思っていたのだが、さすがにあの場で、インを一人で帰すのは嫌だったのだ。 俺は、インの肩を抱き、黙って家へと歩いた。インも黙って俺の隣を歩く。片手で...