第2章:生酔い、本性違わず

第2章:生酔い、本性違わず

75:時計台

〇 今日は本当に散々な一日だった。 俺はまだ時間はさほど遅くもないのに、日の暮れ始めた皇都の街を時計台から見下ろしながら思った。 この時計台は皇都で一番高い場所で、観光地としても有名だ。今もこうして見渡している俺の周りでは、複数の男女が愛を...
第2章:生酔い、本性違わず

74:木登り

--------------------『ねぇ、オブ。大丈夫?』『はぁっ、はぁっ、はぁっ。だいっ、だっ。けほっけほっ!』『あぁっ!オブ!どうしよう!どうしよう!』『だいっ、だいじょう、ぶ』 僕はやっとの事で登り終えた木に必死にしがみつくと、...
第2章:生酔い、本性違わず

73:教訓

「すごい!」 ここは魔法使いの店だろうか! 俺は店の両脇に所狭しと並べられた窓掛の山に感嘆するばかりだった。窓掛とはこうも色柄の種類が豊富なものだったのか。 店内に並ぶ窓掛は、色とりどりも色とりどりで、まるで花屋にでも来たかのような感覚に陥...
第2章:生酔い、本性違わず

72:破廉恥男

「オネーサン!可愛いねぇ!どう?今日暇なら、俺と遊ばない?なんなら!」------俺の子供産んでくれない? 俺の耳に、清々しい朝には似つかわしくない衝撃的な言葉が飛び込んで来た。どこか間延びしたその口調は、軽薄そのもので一切の本気さが感じら...
第2章:生酔い、本性違わず

71:窓掛け

-----------------『ウィズ。一緒にインを探そう』--------この世界のどこかに居るインを、共に。 頭に木霊する俺の言葉。あぁ、あの日、俺はグラス1杯で酔っていたのだろうか。あぁ、そうに違いない。でなければ、何故あんな無責...