第3章:酒極まって、乱となる

第3章:酒極まって、乱となる

幕間:約束の時

「やぁ、よく生きて此処に来てくれたね」---------アウト。 そう言って暗くなった広場で、俺を出迎えてくれたのは、いつものように暖かな春に吹く風のような笑みを浮かべたヴァイスだった。「まぁ、僕は生きてキミが此処に来るって信じてたけどね!...
第3章:酒極まって、乱となる

233:酒極まって、乱となる

------------------------「っ!」 呼吸が止まるような感覚と共に、俺は目を覚ましていた。 どうやら、俺は随分と長い間、眠っていたらしい。「……今は、何時だ」 ここは地下だから、外の暗さを感じる事は出来ない。 けれど、地...
第3章:酒極まって、乱となる

232:きおく

---------おぶ、約束をしよう---------オブ、もう……ダメなの?約束は、もうない?無くなった?---------オブ、泣かないで---------オブが居てくれる。俺の隣にはずっとオブが居る---------俺はまだオブの本当...
第3章:酒極まって、乱となる

231:あいたい

-----------------------『イン、お待たせ』 俺は、その古い小さな納屋の戸を開くと、そこに横たわる一人の人間の元へと歩を進めた。 ソレは確かに、スルーさんの言う通り、もうインではなかった。 インだったモノは納屋の隅、藁の...
第3章:酒極まって、乱となる

230:みんなだいすきあぼーどのあにき

『アボード!?』 落ちた地面で『ぐっ』と、膝と腕をついたままアボードは、まるで生まれたての小鹿のようだった。『おいおい!アボード!』『おい!救護班を呼べ!負傷した可能性が高い!』『兄貴ぃ!』『大丈夫なのか!?兄貴は大丈夫なのか!?』 俺の目...